ウエイトトレーニングを効果的に行うためには、トレーニングを行う順番を十分に考慮する必要があります。この際によく耳にするのが“筋優先法”と呼ばれるトレーニングメソッドです。
筋優先法は名称通り、自分が一番鍛えたいと思っている筋肉を、身体がフレッシュなうちに優先的に鍛えていくというものです。今回は【筋優先法(きんゆうせんほう)】についてご紹介していきたいと思います。
筋優先法って何?
“筋優先法”はプライオリティ・システムとも呼ばれ、名称通り、自分が一番鍛えたいと思っている筋肉を身体がフレッシュなうちに鍛えていくというメソッドのことです。
特に大胸筋、広背筋、大腿四頭筋といった人体の中でも最大面積を誇るような筋肉を使用し、かつ、高重量の負荷を用いることができるエクササイズをトレーニングセッションの前半にもってくることで、最大限にトレーニング効果を狙うというものです。
基本的に筋優先法は下記の2つの考え方から成り立っています。
- 筋肉は鍛えたい部位からトレーニングする
- 筋肉は大きな筋肉を優先に鍛える
なぜ「前半」に鍛えると効果が高いのか
トレーニングは、最初の種目ほど効果が高く、後半になるほど疲労で効果が落ちていくという性質があります。これは、疲労がたまると脳から筋肉への神経の発火頻度が落ち、力を出し切れなくなるためです。だからこそ、最も発達させたい部位や弱点部位を、集中力も筋力も高い前半にもってくることで、筋肥大の効率を高められるのです。「優先順位の高い種目ほど先に行う」——これが筋優先法の核心です。
筋肉は自分が鍛えたい部位からトレーニングする
1回のトレーニングセッションの中でも、前半と後半とでは身体の疲労度合いは全く異なります。
ウエイトトレーニングの前半は疲労が少なく集中できる状態にあるので、なるべくそのときに“集中力を必要とする種目”や“自分が一番鍛えたい部位”、または“自分の苦手な種目”を行うようにします。そうすることでトレーニング効果を最大限に高めることができるのです。
反対に、腹直筋や脊柱起立筋など、他の種目を行なう際にも使われる筋肉を早い段階で疲労させてしまうと、その後のトレーニングに支障をきたすことも考えられるので、クランチやバックエクステンションなど体幹部の種目は、基本的にトレーニングの終盤に行う必要があります。これらの筋肉は、スクワットやデッドリフトといった種目で姿勢を支える土台になるため、先に疲れさせてしまうとフォームが崩れて怪我にもつながりかねません。
筋肉は大きな筋肉を優先的に鍛える
大きい筋群とは胸、背中、大腿などがそれで、ベンチプレスやベントオーバーローイング、スクワットなどを行うことで鍛えることができます。
上記に挙げたこれらの種目は、複数の関節を同時に動かすことからコンパウンド種目(多関節種目)とも呼ばれています。コンパウンド種目は多くの集中力を必要とし、また姿勢の制御をともなうなど技術的にも高度なものになるので、トレーニングの前半にもってくる必要があります。
逆に、アームカール、レッグカールのように一つの関節のみを動かす種目はアイソレーション種目(単関節種目)といいます。アイソレーション種目は、コンパウンド種目に比べ動員される筋肉が少なく、また姿勢の制御も比較的簡単に行えるので、ある程度疲労してからでも行なうことができます。
筋力トレーニングをするにあたり、トレーニングの順番というものも大切になってきます。一般に大きい筋肉からトレーニングをして、徐々に細かいパーツへとトレーニングを移行していきます。
理由としては、小さい筋肉を先にトレーニングしてしまうと、体力的に負荷のかかる大きい筋肉に費やすためのエネルギー切れを起こしてしまうからです。例えば、脚の筋肉を取ってみた場合、レッグエクステンション(大腿四頭筋)やレッグカール(ハムストリングス)を先にトレーニングした後に、脚全体の筋肉を鍛えるスクワットを行おうとすると、レッグエクステンションやレッグカールで疲労してしまった大腿部のために、スクワットを全力で行うことができなくなってしまいます。
全身の筋肉のトレーニングを行うのであれば、脚の筋肉⇒胸・背中の筋肉⇒肩の筋肉⇒腹部の筋肉⇒腕の筋肉⇒ふくらはぎや前腕、というようになります。トレーニングの順番は様々で一例ではありますが、メインの筋肉を中心に大きい筋肉⇒小さい筋肉、というのも1つの考え方です。
まとめ
筋優先法(プライオリティ・システム)は、最も鍛えたい部位や弱点を、体力・集中力の高い前半に優先して行うトレーニングメソッドです。基本は大きな筋肉(コンパウンド種目)から小さな筋肉(アイソレーション種目)へ移り、他種目の土台になる体幹は終盤に行います。種目の順番を意識するだけで、同じメニューでもトレーニング効果を大きく高めることができます。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/




