効果的に筋トレを行うための6つの条件|筋肉を効率よく肥大させる負荷・回数・インターバルの基本を徹底解説

筋トレは、ただがむしゃらに行ったとしても運動効果がないばかりか、場合によっては、かえって怪我や体調不良をきたす可能性もあります。

筋トレを効果的に行うためには、一つ一つのトレーニングフォームをしっかり身につけることはもちろん、その他に『方法(メソッド)』『栄養』『休息の摂り方』なども十分に理解し、実際に実行する必要があります。

これまで実にさまざまな著名な方が筋トレのトレーニングメソッドをこの世に送り出してきましたが、ほとんどのメソッドは一過性で、いっとき話題にはなっても、ほどなく消えていってしまっているのが現状です。しかし、いつの世になっても変わらないものがあります。

それは、以下に紹介する筋トレの6大条件です。流行のメソッドに手を出すよりも、まずは基本をしっかり押さえ、ひたすら愚直に実行することが、結局は一番の近道になります。

  1. 8〜10回の反復が限界となる比較的高負荷で行う
  2. ひとつの種目を複数セット行う
  3. 反復できなくなるまで行う
  4. セット間のインターバルは目的に応じて適切にとる
  5. 反動や他の部位の力を使わず関節をフルレンジで行う
  6. 大筋群を動員する多関節種目を中心に行う

①8〜10回の反復が限界となる比較的高負荷で行う

一般的に、筋力強化のためには最大筋力の80〜90%の負荷を用いて5〜10回の反復を3〜4セット、筋肥大(きんひだい)では60〜80%の負荷で10〜15回を3〜4セット、筋持久力では30〜50%の負荷で20〜60回の反復を3〜4セットで実施するのが効果的だとされています。

これは、単に8〜10回やれば良いという訳ではありません。1セットにつき、何とか8〜10回反復できるギリギリの重量を用いるという意味で、この場合、10回目までは反復可能だが11回目の反復は無理だ、という意味です。

8〜10回なんとか反復可能な重量を、別の表現で表すと『8〜10RM』となります。RM(Repetition Maximumの略)は、直訳すると『最大反復回数』という意味です。つまり、1RMは、その人が何とか1回だけ持ち上げることができる最大重量という意味になります。筋力の強化、および筋肥大を促すのであれば、8〜10RM(8〜10回しかできない重量)ほどの重量を用いるのが効果的であるとされています。

以下の表を使って、自分の目標と使用重量を決める際の参考にしてください。

目的 筋力アップ 筋力強化 筋肥大 パワー・アップ 筋持久力
最大筋力(%) 100~90% 90~80% 80~60% 60~30% 50~30%
反復回数(回) 1~3回 5~10回 10~15回 10~20回 20~60回
適応時間(秒) 6~10秒 10~20秒 20~30秒 10~20秒 45~90秒
休憩時間(分) 3~5分 2~3分 1~2分 3~5分 1~2分

②ひとつの種目を複数セット行う

筋トレは、ひとつの種目に対し、1セットだけ行うのでなく、複数セットで行うことで、より大きな効果を得ることができます。もちろん1セットでもある程度の効果はあるのですが、1セットよりも2セット、2セットよりも3セットの方が効果は高くなるとされています。なので、一種目あたり3セット行うことが基本になります。

このように複数セット行うことによって、運動のボリュームが大きくなり、筋力・筋肥大の効果も比例して高くなることが期待できます。

③反復できなくなるまで行う

目的が筋肥大であれ筋力アップであれ、運動効果を得るためには、限界の回数まで行うことが重要となります。先にも述べたとおり、筋力の強化および筋肥大を促すのであれば、8〜10RMほどの重量を用いなければなりません。『反復できなくなる回数』が、その人にとっての『適正回数』になるのです。

1セット目で8〜10回しかできない重量であれば、次の2セット目では6〜8回、3セット目では4〜6回くらいしかできないはずです。しかし、最初はそれで良いのです。それを繰り返し行っていけば、やがて8〜10回×3セットが楽々できるようになります。ここまできたら、その重量とは卒業するべきでしょう。

さらに重量を増やし、1セット目で8〜10回しかできない重量にまで重りを増やして、再び2セット目、3セット目に取り掛かります。もちろん、2セット目・3セット目の回数はさほどいかないはずです。とにかく、筋トレは単に重さや回数を反復すれば良いというものではなく、目的にあった重量を用いて、余力を残さず限界まで行うことの方が重要なのです。

④セット間のインターバルは目的によって適切にとる

上記の表のとおり、目的が筋肥大であれば、セット間のインターバルは短めの1〜2分程度が効果的だとされています。これは、インターバルを短くすることで、筋肉中に筋肥大を誘発する無酸素性代謝物(乳酸など)の蓄積が大きくなるためです。

インターバル時間に対する成長ホルモンの分泌を検証した実験では、3分間のインターバルよりも、1〜2分間のインターバルの方が効果的だったという結果も報告されています。一般に、無酸素性代謝物の蓄積量と成長ホルモンの分泌応答には関連があるとされ、成長ホルモンの分泌は筋肉の発達に関わると考えられています。そのため、いかに筋肉中に代謝物が蓄積するまで追い込めるかが、一つのキーポイントになります。

なお、筋力アップ(高重量低回数)が目的の場合は、しっかり力を出すために、むしろインターバルを3〜5分と長めにとった方がよい点には注意しましょう。

⑤関節可動域をめいっぱい使って筋トレを行う

筋肉は、伸びた(ストレッチポジション)状態から最大限に収縮(コントラクトポジション)するほど、筋肥大を誘発する筋損傷が起こりやすいとされています。損傷といっても、筋肉が断裂したり筋膜が損傷したりするような類のことではなく、休養すれば数日で修復可能な微細な損傷という意味です。

例えば、スクワットで膝関節をほとんど曲げないで部分反復している人を時折見かけますが、そのようなトレーニングを行っている限り、効率的な筋肥大は難しいと思ってください。筋トレは、怪我をしている場合などを除けば、基本的にフルレンジで行う必要があります。フルレンジとは、関節可動域(ROM)をめいっぱい使ってトレーニングを行うという意味です。

⑥大筋群を動員する多関節種目を中心に行う

ひとつの関節だけを動かす筋トレ種目を『単関節種目(アイソレーション種目)』と言うのに対し、複数の関節を動かす種目を『多関節種目(コンパウンド種目)』と呼びます。多関節種目は単関節種目より大筋群が動員されるため、高重量を扱いやすく、高い筋肥大・筋力アップ効果を得ることができます。

また、多関節種目を行うと、大筋群だけではなく周辺の筋肉も同時に鍛えられます。例えばバーベルベンチプレスは基本的には大胸筋を鍛えるエクササイズですが、肩関節の水平内転、肘関節の伸展、肩甲帯の動きなどが同時に行われるため、三角筋や上腕三頭筋など、実に様々な筋肉を同時に鍛えることができるのです。

一方、アームカールは基本的には上腕二頭筋を鍛えるエクササイズで、しかも単関節種目であり、主に肘関節の屈曲動作しか行われないため、複数の筋肉を同時に鍛えるには不利な種目と言えます。限られた時間で効率よく全身を鍛えたいなら、まず多関節種目を中心に組み立て、仕上げや弱点補強として単関節種目を加えるのが効果的です。

6つの条件を一本につなげて考える

この6つの条件は、別々のテクニックではなく、すべて「筋肉に効率よく十分な刺激を与え、回復で成長させる」という一つの目的でつながっています。多関節種目(⑥)で大きな筋肉を動員し、フルレンジ(⑤)かつ8〜10RMの高負荷(①)で、複数セット(②)を限界まで(③)行い、目的に合ったインターバル(④)で追い込む——この流れが、筋肥大に必要な「メカニカルストレス(物理的な負荷)」と「代謝ストレス(乳酸などの蓄積)」をしっかり生み出します。そして忘れてはならないのが、これらはあくまで「刺激を与える」段階だということ。実際に筋肉が大きくなるのは、十分な栄養(特にタンパク質)と休養(超回復)があってこそです。トレーニング・栄養・休養の3つが揃って、初めて6つの条件が活きてきます。

効果的な筋トレのまとめ

効果的に筋トレを行う6つの条件は、①8〜10RMの高負荷、②複数セット、③限界まで追い込む、④目的に応じたインターバル、⑤フルレンジ、⑥多関節種目中心、です。流行のメソッドに飛びつくより、この基本を押さえて愚直に続けることが筋肥大への近道です。さらに、トレーニングで与えた刺激を成長につなげるには、十分なタンパク質と休養(超回復)が欠かせません。鍛える・食べる・休むをセットで意識しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

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