女性のための大胸筋を鍛えて美しいバストを手に入れる方法

『胸の形が悪くてコンプレックスになっている』、『胸が小さくて悩んでいる』という女性の方はとても多いようです。
バストは、脂肪が90%、乳腺が10%の割合で構成されていることからお解りいただけると思いますが、そのほとんどが脂肪です。

即ち、バストの土台となる『大胸筋(だいきょうきん)』を鍛えなければ、脂肪や乳腺を上に引き上げることができないため胸が重力に引っ張られ、垂れ下がったような形の悪いバストになってしまうのです。

胸を鍛える前にまずやらなければならないこと

上記で述べてきたように美しいバストを手に入れるためには大胸筋を鍛えなければなりません。
しかし、大胸筋を鍛えさえすればそれで良いのか?と言うと必ずしもそうではありません。
実は大胸筋を鍛える以前に、『大胸筋の柔軟性が十分にあるのか』、『僧帽筋中部、菱形筋の筋力は強いのか』という点もしっかりクリアにしておく必要があります。

1.大胸筋の柔軟性は十分にあるのか?

バストの形を整えるには大胸筋を鍛えることはとても重要なのですが、実は大胸筋の柔軟性を高めておくことも同じくらい重要です。
大胸筋を鍛えることで確かに胸の形は良くなるかもしれません。
しかし、もし、大胸筋の柔軟性がなければ肩が前方に過度に引っ張られ(肩関節の内旋)てしまい、これが原因でいわゆる猫背姿勢になってしまうからです。
これでは、いくら大胸筋を鍛えたとしてもバストの形が悪く見えてしまいます。

2.僧帽筋中部、菱形筋の筋力は強いのか?

僧帽筋(中部)菱形筋群大菱形筋小菱形筋)は肩甲骨と肩甲骨の間に存在する筋肉で、主に肩甲骨の内転という肩甲骨同士を真ん中に引き寄せる作用をもつ筋肉です。
もし、これらの筋肉の筋力が低下してしまうとこれもまた猫背姿勢になってしまう要因になってしまいます。
このように元々の猫背姿勢がある方が、いくら大胸筋のトレーニングを行ったとしても、却って猫背姿勢が強調されるだけでバストアップにはあまり効果が期待できません。
以上のことからバストの形を整えるには、先ず大胸筋の柔軟性を高めておくことと、僧帽筋(中部)、菱形筋群(大菱形筋、小菱形筋)をしっかりと鍛えて、なるべく猫背姿勢になりにくいような身体にしておく必要があるのです。

大胸筋の柔軟性が適度にあるかどうかを調べる方法

簡易的に大胸筋の柔軟性があるかどうかを調べる方法があります。
この方法は一人でも実施可能ですが、正しく判定するためには二人で行い、一人が実施し、もう一人が判別した方がより正確に判断することができます。

■大胸筋の柔軟性を調べる方法

大胸筋の柔軟性を調べる方法

大胸筋の柔軟性を調べる方法(真横から)

1.まず、仰向けになり、股関節、膝関節がそれぞれ90°くらいになるようにします。
このとき腰のアーチ部分に隙間が出来ないように腹直筋に力を入れ、お腹をしっかりと引っ込めます。

2.ゆっくりと両手を頭上に持ちあげます。
このときに肘と床の間に隙間がないかどうかをチェックします。
このテストを行って、肘と床面の間に隙間があれば大胸筋が硬いと判断することができます。
また、隙間に左右差がある場合は、隙間がより大きい側の方が大胸筋の柔軟性がない傾向にあります。
このように大胸筋が硬いと判断された方は猫背になってしまっている可能性がとても高いので、日頃から大胸筋のストレッチ行うように心掛けましょう。

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大胸筋の柔軟性を調べる方法(真上から)

更にこのテストを行ったときに真上からも観察してください。
真上から見たときに肘と耳の間に隙間が生じてしまっている方は広背筋や大円筋が硬くなってしまっていると判断することができます。

少し、専門的な話になりますが、広背筋大円筋は背部の筋肉なのですが、筋肉の付着部が一部、背中から脇をとおり前方へ回り込んで上腕骨前面の小結節稜に付着しているので、広背筋、大円筋が硬くても肩関節は内旋してしまうのです。
つまり、広背筋、大円筋が硬くても猫背姿勢の原因になってしまうことがあるということです。
もし、このテストを実施して大胸筋、広背筋、大円筋が硬いと判断された方は大胸筋を鍛える以前にこれらの筋肉の柔軟性を高めておく必要があります。

■大胸筋のストレッチ方法

大胸筋のストレッチ

大胸筋のストレッチ

1.ストレッチする側の肘から手首までを壁に固定します。このとき脇、肘の角度はそれぞれ90°くらいになるようにします。
2.重心を前方に移動させ、胸をストレッチします。

3.胸、肩にストレッチ感を得たらその状態を20~30秒維持させます。このストレッチを1日数セット行ってください。

■広背筋、大円筋のストレッチ方法

広背筋、大円筋のストレッチ

広背筋、大円筋のストレッチ

1.ストレッチする側の手の平を肩甲骨にあてがい、もう片方の手で肘をなるべくあたま側に引き寄せます。
2.ストレッチする側の反対側の方へ上半身をゆっくり傾けます。

3.脇、腕の裏などにストレッチ感を得たらその状態を20~30秒維持させます。このストレッチを1日数セット行ってください。

僧帽筋中部、菱形筋の筋力が強いかどうかを調べる方法

僧帽筋中部、菱形筋の筋力が強いかどうかを調べる方法があります。
しかし、この方法は一人で判定することはできません。
また、仮に二人で実施したとしても正確に判定することは非常に困難なので、正確な判定はやはりトレーナーや柔道整復師などの専門家に行ってもらうのが一番良いと思います。

僧帽筋中部、菱形筋の筋力チェック

(写真1)ファーストポジション

僧帽筋中部、菱形筋の筋力チェック

(写真2)セカンドポジション

■僧帽筋中部の筋力チェック
1.うつ伏せになってもらい、測定側の腕を真横にひらきます。このとき肩関節を十分に外旋させ(親指を上向きに)その位置で動かないように固定してもらいます。
2.測定者は片方の手で肩甲骨を押さえ、もう片方の手で手首を軽く把握し、床に向かって圧迫を加えます。
3.この検査を左右両方で実施します。
弱いと感じた側の僧帽筋(中部)が弱化している可能性があります。

僧帽筋中部、菱形筋の筋力チェック

(写真1)ファーストポジション

僧帽筋中部、菱形筋の筋力チェック

(写真2)セカンドポジション

■菱形筋の筋力チェック
1.うつ伏せになってもらい、測定側の腕を真横にひらきます。このとき肩関節を十分に内旋させ(親指を下向きに)その位置で動かないように固定してもらいます。
2.術者は反対側の手で患者の肩甲骨を押さえ、患側の手首を軽く把握し、床に向かって圧迫を加えます。
3.この検査を左右両方で実施します。
弱いと感じた側の菱形筋が弱化している可能性があります。

これらのテストで陽性反応が出てしまった方は僧帽筋中部、菱形筋が弱くなってしまっていると判断できるので、反応が出てしまった方は猫背姿勢を防止する意味でも日頃から僧帽筋中部、菱形筋を鍛えておく必要があります。
僧帽筋中部、菱形筋を鍛える方法はいくつかありますが、今回は『ベントオーバーショルダーシュラッグ』をご紹介したいと思います。

■ベントオーバーショルダーシュラッグ

ベントオーバーショルダーシュラッグ

(写真1)ファーストポジション

ベントオーバーショルダーシュラッグ

(写真2)セカンドポジション

  1. 足幅は肩幅よりやや広目にし、両膝は軽く曲げておきます。(ハムストリングスへの負担度を軽くするためです)
    このとき上半身が45~60度くらいの角度になるように前傾姿勢をとります。
    ダンベルは両手のひらが体側に向くようにし、親指をしっかりグリップに巻きつけます。(写真1)
  2. 両肩をダランと落とし、そこから両肩甲骨が背中の中央部に向かうように引きつけます。
    このとき腕の運動にならないように肘をなるべく曲げ伸ばしさせないように気をつけながら実施します。(写真2)
  3. 十分に肩甲骨を中央に引き寄せたら、今度は両肩甲骨を広げるように元の姿勢に戻します。
  4. 以後、運動動作を必要回数繰り返します。

バストアップのために大胸筋を鍛えよう。

いよいよ本題の大胸筋を鍛えるエクササイズをご紹介していきたいと思います。(※このページは併せてこちらのページも参照してください)
今回はまず、自宅でも実施可能なエクササイズを2種目ほどご紹介したいと思います。
最初にご紹介する『ボールスクイーズ』は主に大胸筋を鍛えるエクササイズですが、この種目は大胸筋だけではなく、三角筋(前部)も補助筋として鍛えることができます。

■ボールスクイーズ
ボールスクイーズ

(写真1)ファーストポジション

ボールスクイーズ

(写真2)セカンドポジション

  1. 胸の前で両手の平でソフトギムを挟みます。(写真1)
  2. 胸、肩、腕の筋肉を使い胸の前でボールの中心部に向かって手の平を合わせるようにソフトギムを押しつぶします。(写真2)
  3. その状態を2~3秒キープしたら、もとの開始姿勢まで戻します。
  4. 以後、運動動作を必要回数繰り返します。

腕立て伏せができない方でも大胸筋上部を鍛えることができるウォールプッシュ

次にご紹介する種目は『ウォールプッシュ』と呼ばれるエクササイズで腕立て伏せができない方でも効率良く大胸筋上部を鍛えることができます。
大胸筋上部を鍛えることはすなわちバストを引き上げる効果につながります。

■ウォールプッシュアップ
ウォールプッシュアップ

(写真1)ファーストポジション

ウォールプッシュアップ

(写真2)セカンドポジション

  1. 両手の幅を肩幅より2握り拳分だけ広くし、壁に手をつきます。このとき腰が反らないように体幹部をしっかり固定し、両足はそろえておきます。(真横から見たときに身体が前傾姿勢になるようにします)(写真1)
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せながら両肘が外側を向くように腕を曲げ、アゴが壁に触れるまで肘を曲げます。(写真2)
  3. アゴが壁面に触れたら胸を張り、肩甲骨を寄せたまま、もとの開始姿勢まで戻します。
  4. 以後、運動動作を必要回数繰り返します。

大胸筋を効率良く鍛えるならやはりジムに行こう!

やはり、大胸筋を本格的に鍛えるにはトレーニングジムに行き、鍛えるのが一番効果的だと思います。
ここからは主にトレーニングジムで行うエクササイズを2種目ほどご紹介したいと思います。

■インクライン・ダンベルフライ
インクライン・ダンベルフライ

(写真1)ファーストポジション

インクライン・ダンベルフライ

(写真1)ファーストポジション

  1. あらかじめインクラインベンチの角度を30~40°くらいになるように調整します。
  2. 両手にダンベルを持ち、ベンチ台の上で仰向けに寝ながら頭上にダンベルを構えます。(写真1)
  3. 頭上にダンベルを構え、胸を張り、肩甲骨を寄せながらダンベルを降ろします。(写真2)
  4. 胸を張り、肩甲骨を寄せたまま肩関節の部分で弧を描くようにしながらダンベルを開始姿勢まで戻します。
  5. 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
■ペックデックフライ
ペックデックフライ

(写真1)ファーストポジション

ペックデックフライ

(写真2)セカンドポジション

  1. パッドに腕を固定します。腕をパッドに固定したときに上腕部が床と平行になるようにシートの高さを調整します。また、肩関節がマシンの回転軸(カム軸)と並ぶようにします。(写真1)
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せながらパッドを胸の前で合わせます。(写真2)
  3. 胸を張り、肩甲骨を寄せたままパッドを開き、開始姿勢に戻ります。
  4. 以後、運動動作を必要回数繰り返します。

大胸筋の筋トレについてのまとめ

大胸筋は、男性、女性、問わずある程度鍛えることで、自分のスタイルの改善、また周囲からのイメージアップにつながります。
そのため、日頃から腕立て伏せをしたり、また、胸の前で両手を合わせて、手のひらを押し合うような動きを取り入れるなどして自分なりのやり方で、胸の筋肉を鍛えるのも一つの手だと思います。
しかし、大胸筋を効率的に鍛えるならやはりトレーニングジムに行って鍛える方が断然、効果的です。

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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
https://shinichi-sato.info/

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