スケートのトレーニング概要
スケート選手の特徴といえば、あの発達した下半身です。スケート選手はとにかく下半身を重点的に鍛えています。ゼロからトップスピードに至るまでの速さを高め、1試合通して走り抜けるためにはかなり下半身を追い込んで鍛えなければなりません。
そのためにはまずマシントレーニングにて高負荷なトレーニングを行う必要があります。バーベルスクワットやランジはもちろん、様々な角度から下半身を鍛えることが、スケート上達への鍵となるのです。
下半身は身体の中でも鍛えやすい筋肉となっていますが、注意して行わないと重大な怪我を招きますので、ポイントをしっかりとおさえて筋力トレーニングを行いましょう。
まずスクワットやランジ等、腰を深く降ろして行う筋力トレーニングに通じて言えるのが、膝がつま先より先に出ないことです。そうすると膝により負担がかかりやすくなるため、怪我のもととなります。膝がつま先より先に出ないようにするためには、背筋をピンと伸ばし腰をしっかりと後ろに引くことが大切です。お尻を後ろに突き出す感じで行うとやりやすいかもしれません。
スケートに必要な筋肉(部位別の役割)
スケートのスピードと持久力は、下半身を中心とした全身の連動で決まります。
① 下半身(スピード・加速・持久力の中心)
・大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス・下腿三頭筋
・地面(氷)を押し出す力と、滑り続ける筋持久力を生む最重要部位
・種目:バーベルスクワット・レッグエクステンション・レッグプレス・フォワードランジ・レッグカール・デッドリフト
② 体幹・腹筋(低い姿勢の維持・力の伝達)
・腹直筋・腹斜筋群
・前傾した低い滑走姿勢を保ち、下半身の力を逃さず伝える
・種目:クランチャー・ツイスティングシットアップ
③ 上半身・肩(腕振り・バランス)
・三角筋・上腕三頭筋・僧帽筋
・腕振りやバランスの維持を補助する
・種目:シーテッドダンベルプレス・アーノルドプレス
「下半身を軸に全身を連動させる」:
スケートは下半身で生んだ力を、低い姿勢を支える体幹を通して推進力に変えます。下半身を高負荷で総合的に鍛えつつ、姿勢を支える体幹・腕振りの上半身も組み合わせることが上達につながります。
膝を痛めないスクワット・ランジのフォーム
下半身は鍛えやすい反面、フォームを誤ると膝や腰を痛めやすい部位です。
① 膝を前に出しすぎない
・膝がつま先より大きく前に出ると膝への負担が増える。腰を後ろに引いて調整する
② 背筋を伸ばし、腰を後ろに引く
・背筋をピンと伸ばし、お尻を後ろに突き出すイメージで深くしゃがむ
③ 膝とつま先の向きをそろえる
・膝が内側に入らないよう、膝とつま先を同じ方向に向けて行う
一般にコンパウンド種目(色々な筋肉が複合して作用する種目のこと)や最優先して鍛えたい種目などをトレーニングの最初に行います。必要に応じて変更してください。
スケートの筋トレメニュー
① バーベルスクワット
大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス
10RM×4セット
② レッグエクステンション
大腿四頭筋
10RM×4セット
③ レッグプレス
大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス
10RM×3セット
④ フォワードランジ
大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、ヒラメ筋、腓腹筋
10RM×4セット
⑤ レッグカール
ハムストリングス、腓腹筋
10RM×4セット
⑥ デッドリフト
脊柱起立筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス
10RM×3セット
⑦ クランチャー
腹直筋(上部)、外腹斜筋、内腹斜筋
1分×3セット
⑧ ツイスティングシットアップ
外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋
1分×3セット
⑨ シーテッド・ダンベルプレス
三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋、前鋸筋
10RM×3セット
⑩ アーノルドプレス
三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋、前鋸筋
10RM×3セット
まとめ
スケートのための筋力トレーニングは、スピードと持久力を生む下半身(大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス)を高負荷で総合的に鍛えることが中心です。加えて、低い滑走姿勢を支える体幹と、腕振り・バランスを補助する上半身も組み合わせましょう。スクワットやランジでは膝を前に出しすぎず、背筋を伸ばして腰を後ろに引くフォームを守り、膝の怪我を防ぎながら取り組むことが大切です。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・公益財団法人 日本スケート連盟https://www.skatingjapan.or.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/














