マラソンのトレーニング概要
マラソン選手はかなり細身であり、筋力トレーニングをしていないように思えますが、実際のところ優秀なマラソン選手ほど筋力トレーニングをかなり行っています。
筋肉をつけると体が重くなって走れなくなってしまうのでは?と思っている人も多いでしょうが、42.195kmもの長い距離を通して正しいフォームで走り続けるには筋力トレーニングが必要不可欠です。
よくマラソン初心者の人は走り込みだけすればいいと思ってひたすら走る練習をしていますが、それではなかなか上達しません。週に2〜3回の筋力トレーニングを取り入れることで、より効率的にマラソンが上達します。
基本的にマラソンに必要な筋肉は下半身の筋肉です。しかし体の中でも下半身の筋肉は非常に付きやすい部位となっているため、重い筋肉を作ってしまわないよう注意が必要です。そのために筋力トレーニングは、1-ON・1-OFF(1日トレーニングをして1日休む)で、低負荷・高回数のトレーニングを心がける必要があります。
さらにマラソンに必要なのは腹部の筋肉です。走ることは腹筋運動と言っても過言ではありません。長い距離を通してしっかりと走りぬくには、この腹筋(体幹)をしっかりと鍛える必要があります。
下半身と腹筋のトレーニングをしっかりと行い、さらに休息をしっかりとることで、マラソンで長い距離を走りぬく体を作ることができるのです。腕部や胸部といった筋肉はそれほど必要ないので、積極的に鍛える必要はありません。
マラソンに必要な筋肉(部位別の役割)
マラソンは下半身と体幹の筋持久力で、フォームを最後まで保つことが重要です。
① 下半身(推進・フォーム維持/最重要)
・大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス・下腿三頭筋
・地面を押し返す推進力と、長距離で崩れない走りのフォームを支える
・種目:レッグカール・フォワードランジ・レッグエクステンション・バックエクステンション・スタンディングカーフレイズ
② 腹部・体幹(軸の安定・走りを支える)
・腹直筋・腹斜筋群・腸腰筋
・走りの軸を安定させ、長距離でも姿勢を崩さず走り続ける土台になる
・種目:レッグレイズ・クランチャー・サイドベント
「下半身+腹筋でフォームを最後まで保つ」:
マラソンは筋肉が疲れてくる後半でも、正しいフォームを保てるかどうかがタイムを左右します。下半身と腹筋(体幹)の筋持久力を高めることが、終盤の失速や怪我を防ぐカギになります。
走りを重くしない低負荷・高回数と休息の考え方
マラソンでは「重い筋肉」より「疲れにくい筋肉」が求められます。
① 低負荷・高回数で筋持久力を
・体を重くしないよう、高負荷の筋肥大ではなく低負荷・高回数で行う
② 1日おき(1-ON・1-OFF)で
・トレーニングと休息を交互にし、超回復を促す
③ 上半身は鍛えすぎない
・腕・胸はそれほど必要ないため、下半身・腹筋を優先する
一般にコンパウンド種目(色々な筋肉が複合して作用する種目のこと)や最優先して鍛えたい種目などをトレーニングの最初に行います。必要に応じて変更してください。
マラソンの筋トレメニュー
① レッグカール
ハムストリングス、腓腹筋
15RM×3セット
② フォワードランジ
大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、ヒラメ筋、腓腹筋
15RM×4セット
③ レッグエクステンション
大腿四頭筋
15RM×3セット
④ バックエクステンション
脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングス
20RM×4セット
⑤ スタンディング・カーフレイズ
腓腹筋、ヒラメ筋
20RM×3セット
⑥ レッグレイズ
大腿四頭筋(大腿直筋)、腸腰筋、腹直筋(下部)、外腹斜筋、内腹斜筋
20RM×3セット
⑦ クランチャー
腹直筋(上部)、外腹斜筋、内腹斜筋
20RM×4セット
⑧ サイドベント
腰方形筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋、脊柱起立筋
20RM×3セット
まとめ
マラソンのための筋力トレーニングは、フォームを最後まで保つ下半身と、走りの軸を支える腹筋・体幹を中心に鍛えることが重要です。体を重くしないよう低負荷・高回数で行い、1日おき(1-ON・1-OFF)でトレーニングと休息を交互にして超回復を促しましょう。下半身と腹筋の筋持久力を高めることが、終盤の失速や怪我を防ぎ、長い距離を走りぬく体づくりにつながります。
参考文献・出典
・日本陸上競技連盟https://www.jaaf.or.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/












