男性の方必見!分厚い大胸筋を手に入れよう!|上部・中部・下部を鍛え分ける筋肉のトレーニングを徹底解説

おそらく男性の方は、『筋トレをして、厚みのあるたくましい胸板を手に入れたい』と考える方が多いのではないでしょうか?

胸板は男性が身体を鍛えることでたくましさをアピールできる部位なので、上腕や腹筋などと並び、最も鍛えたい部位の一つだと思います。

胸板が厚ければ、普通のTシャツを着ただけでも周囲に与える印象は大きく違ってきます。なので筋肉質な身体を作りたいと思う方は、まず必ずといって良いほど胸板を鍛えると思います。

ひとくちに胸を鍛えるといっても…

我々が言う胸板は、正式名称でいうと『大胸筋(だいきょうきん)』という筋肉になります。

大胸筋は胸板を形成する筋の表層部にある最も強大な筋で、普段の生活では『胸の前で物を抱きかかえる動作』や『うつ伏せの状態から身体を起こしあげる動作』などに関与はしますが、運動時のときほどあまり活躍しません。また、大胸筋は普段、ストレッチされる機会が少ない筋肉なので、柔軟性が失われやすい部分としても知られています。

大胸筋が極度に固くなってしまうと肩が前方に引っ張られるため、いわゆる巻き肩(肩関節の内旋)になってしまい、第三者に猫背姿勢になってしまっているという印象を与えてしまいます。このため大胸筋を鍛えることはとても大切だとは思うのですが、同時に日頃から大胸筋の柔軟性を高めるようなストレッチを行うことも重要です。

また、大胸筋の拮抗筋である肩甲帯周辺の筋肉(僧帽筋中部菱形筋大菱形筋小菱形筋)を鍛えることも、胸板の厚みを際立たせるためにはとても大切な要素となります。何故なら、肩甲骨を内側に寄せる動作(内転)を司る僧帽筋中部、菱形筋群(大菱形筋、小菱形筋)が弱くなってしまうと、肩甲骨がお互いに離れようとするので、これもまた猫背姿勢の原因となってしまうからです。

大胸筋を効率よく鍛えるためには解剖学をある程度理解する必要がある

大胸筋を効率よく鍛えるためには、ある程度、解剖学的な知識も学んだ方が効率が良いと思います。

大胸筋の筋線維の走行
大胸筋の筋線維の走行

大胸筋は大きく上部、中部、下部で構成されます。大胸筋のどの部分を鍛えるのかによっても、筋線維の方向性を十分考慮に入れた上でトレーニングを行う必要があります。例えば大胸筋の上部線維は①のような流れになっているため、上部線維を効率よく鍛えるためには『インクラインベンチ』と呼ばれる傾斜のついたベンチを用いて鍛える必要があります。

インクラインベンチ
インクラインベンチ

そうすることで①の上部線維が効率よく使われ、大胸筋の上部を鍛えることができるのです。大胸筋上部を鍛えることは、いわゆるバストアップに非常に効果的です。即ち、大胸筋の上部が弱くなると胸が重力に引っ張られ、特に胸の大きい女性の方では、第三者に胸が垂れ下がってしまったかのような印象を与えてしまいます。

そのためにも大胸筋の上部を鍛えることは、女性の方はもちろん、男性の方にとってもとても重要です。大胸筋の中部、下部ばかりが発達していると、形の悪い大胸筋になってしまうからです。

皆さんが普段行うような『腕立て伏せ』は、主に②のような筋線維の流れにそった動きになるので、大胸筋中部を鍛えることになります。もちろん、腕立て伏せをするときに脇をしぼるような動作で実施すると②の筋線維の流れにそった動きにはならないので、効率よく大胸筋中部を鍛えることは出来ません。腕立て伏せで大胸筋を鍛えるためには、肘を外側にはったようなフォームで行わなければなりません。この他、大胸筋中部を鍛える代表種目として有名なエクササイズとしては『バーベル・ベンチプレス』があげられます。

次に、大胸筋下部は③のような流れになります。大胸筋下部は上部や中部と異なり、あまり鍛える機会が少ないかもしれません。しかし、大胸筋下部は野球(投球動作)や、テニス(サーブ動作)、バレーボール(アタック動作)など、上半身を多く使用するスポーツ競技での貢献度は非常に高いことが知られています。このため、これらのスポーツを行っている方は、その特異性を考慮すると大胸筋下部は十分に鍛えておいた方が良い部分だと思います。

大胸筋の内側縁(ないそくえん)、外側縁(がいそくえん)は文字通り、大胸筋の内側と外側の輪郭にあたる部分です。可能であればここも鍛えた方が良い部位だと思います。何故なら、内側縁、外側縁が発達していると大胸筋の輪郭が際立って目立つからです。例えば内側縁が発達していると、右の大胸筋と左の大胸筋の境目がはっきりするので、胸に谷間のような窪みができて大胸筋の存在がより一層際立つからです。

このように一口に大胸筋を鍛えるといっても、『大胸筋のどの部分を鍛えるか?』などによってもチョイスするエクササイズは異なってきます。

大胸筋の部位と種目の対応まとめ

混乱しないように、部位とベンチ角度・代表種目の対応を整理しておきます。

① 上部(鎖骨側)
インクライン(頭が高い傾斜)で鍛える。インクラインベンチプレス・インクラインダンベルフライ。胸を引き上げる

② 中部(中央)
フラット(水平)で鍛える。バーベルベンチプレス・腕立て伏せ。胸板の厚みの中心

③ 下部
デクライン(頭が低い傾斜)で鍛える。胸の下のラインを際立たせる

④ 内側縁・外側縁(輪郭・谷間)
ケーブルクロスオーバー・ダンベルフライで仕上げる

初心者はやはり腕立て伏せが基本

器具を使わないで大胸筋を鍛える種目として真っ先に思い浮かぶのは、やはり腕立て伏せではないでしょうか?

腕立て伏せ(プッシュアップ)は主に大胸筋を鍛えるエクササイズですが、大胸筋以外にも三角筋(前部)、上腕三頭筋なども補助筋として鍛えることができます。

しかし、腕立て伏せで得られる効果には限界があります。初心者ならば最初のうちは腕立て伏せでもある程度なら効果があるかもしれません。しかし、日頃トレーニングをやりこんでいる方にとってみれば、その程度の負荷(自重:自分の体重)では過負荷にはなりません。(過負荷とは、普段、我々が日常で体験するより重い負荷という意味があります)

過負荷を身体に課すことで、筋肉は初めて強化することができるからです。そのため、腕立て伏せをやり続けたとしても、たくましく発達した胸にはなりません。とはいえ、今までまともにトレーニングを行ったことのない初心者なら、プッシュアップを正しく行うだけである程度の効果は得られると思います。

■プッシュアップ

プッシュアップ
(写真1)ファーストポジション

プッシュアップ
(写真2)セカンドポジション

  1. 両手の幅を肩幅より2握り拳分だけ広くし、ハの字型につきます。このとき腰が反らないように体幹部をしっかり固定し、両足はそろえておきます。(写真1)
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せながら両肘が外側を向くように腕を曲げ、アゴが床面に触れるまで肘を曲げます。(写真2)
  3. アゴが床面に触れたら胸を張り、肩甲骨を寄せたまま、もとの開始姿勢まで戻します。(この際、肘を完全に伸ばしきってしまうと大胸筋への刺激が逃げてしまうので、肘は伸ばしきらないようにしましょう)

大胸筋を鍛えるBIG3!バーベルベンチプレスとは?

やはり、大胸筋を本格的に鍛えるにはトレーニングジムに行き、鍛えるのが一番効果的だと思います。ここからは主にトレーニングジムで行う、大胸筋を鍛えるトレーニング方法をご紹介していきます。

まず、最初にご紹介するのはバーベル・ベンチプレスです。

トレーニングの世界ではバーベル・ベンチプレススクワットデッドリフトは別名『BIG3』とも呼ばれ、トレーニングの基本中の基本のエクササイズです。それ故に、BIG3の一つであるバーベル・ベンチプレスを正しく行えるかどうかは、今後トレーニングで結果が出せるかどうか、安全に効果的にトレーニングを行うことができるかどうかの大きな分かれ目になります。BIG3は複数の大きな筋肉を同時に使う基本種目なので、まずここを正しいフォームで習得することが上達の近道です。

■バーベル・ベンチプレス

バーベルベンチプレス
(写真1)ファーストポジション

バーベルベンチプレス
(写真2)セカンドポジション

  1. バーベルの真下に目線がくるようにベンチ台の上で仰向けに寝ます。(写真1)
  2. バーベルの握り幅は肩幅より1.5倍程度広めにし、親指をしっかりバーに巻きつけます。
  3. 頭部、肩部、臀部はベンチ台に固定し、しっかり足裏を床に固定します。このとき手のひら一枚分の隙間ができるように腰をやや反らせた状態を保ちます。
  4. ラックからバーベルをはずし、胸を張り、肩甲骨を寄せながらバーベルを乳頭かやや下に下ろします。(写真2)
  5. 胸を張り、肩甲骨を寄せたままバーベルを開始姿勢まで押し上げます。

胸を引き上げ、張り出した厚みのある大胸筋を鍛えるならこの種目は絶対に外せない。

大胸筋上部は、いわゆるバストアップに非常に効果的です。大胸筋の上部が強くなることで胸を引き上げ、胸の存在を際立たせることができるからです。

そのようなこともあり、バーベル・ベンチプレスよりも大胸筋の上部を鍛える種目、『インクライン・バーベル・ベンチプレス』を好んで行うボディビルダーの方も大勢います。

■インクライン・バーベル・ベンチプレス(スミスマシン)

インクライン・バーベル・ベンチプレス
(写真1)ファーストポジション

インクライン・バーベル・ベンチプレス
(写真2)セカンドポジション

  1. インクラインベンチの背もたれの角度を、あらかじめ30〜40°くらいになるようにします。
  2. ベンチに座って、スミスマシンのバーを降ろしたときに鎖骨のやや下あたりにバーがくるようにベンチの位置を調整します。(写真1)
  3. バーベルの握り幅は肩幅より1.5倍程度広めにし、親指をしっかりバーに巻きつけます。
  4. 頭部、肩部、臀部はベンチ台に固定し、しっかり足裏を床に固定します。このとき手のひら一枚分の隙間ができるように腰をやや反らせた状態を保ちます。
  5. ラックからバーをはずし、胸を張り、肩甲骨を寄せながらバーを鎖骨のやや下に下ろします。(写真2)
  6. 胸を張り、肩甲骨を寄せたままバーを開始姿勢まで押し上げます。

胸の下部、輪郭、谷間を際立たせるならケーブルクロスオーバー!

大胸筋の内側縁(ないそくえん)、外側縁(がいそくえん)を鍛えることによって、胸の輪郭、谷間のような窪みを際立たせることができます。

ケーブルクロスオーバーはケーブルの動きで理解できると思いますが、大胸筋の下部線維に沿った動きになります。更にダンベルフライと異なり、胸が最大限に収縮したポジションになっても常に外側に向かって抵抗が働き続けるので、大胸筋の内側縁(谷間部分)を鍛えるという意味でも、ケーブルクロスオーバーは非常に効果の高い種目と言えます。

■ケーブルクロスオーバー

ケーブルクロスオーバー
(写真1)ファーストポジション

ケーブルクロスオーバー
(写真2)セカンドポジション

  1. 頭上にあるケーブルクロスオーバーマシンのグリップを握り、上体をわずかに前傾させます。
  2. 背すじを弓なりにし、胸を少し突き出した姿勢になるようにします。このとき運動動作中に肘関節に過度の負担がかからないようにするために、わずかに両肘を曲げておきましょう。(写真1)
  3. 胸を張り、肩甲骨を寄せながら、肩関節を中心とした描円運動を行います。グリップとグリップが触れ合うぎりぎりまで寄せたら(写真2)、胸を張り、肩甲骨を寄せたまま同じ軌道を通りながら開始姿勢に戻ります。

大胸筋のメニューの組み方

大胸筋を鍛えるには、上記で紹介してきたエクササイズを下記のような順番で行うのが一般的だと思います。

  1. バーベルベンチプレス
  2. インクライン・バーベル・ベンチプレス
  3. ケーブルクロスオーバー

しかし、客観的に鏡に映った自分の姿をみてみて『大胸筋の上部の発達が甘い!』と感じたら、大胸筋中部を鍛えるエクササイズは行わず、インクラインベンチプレスを中心に大胸筋のメニューを組むというのも一つの方法だと思います。

インクライン・ダンベルフライ
インクライン・ダンベルフライ

また、バーベルベンチプレスの代わりに『インクライン・ダンベルフライ』というエクササイズを行うのもとても効果的です。インクライン・ダンベルフライもまた、大胸筋上部を鍛える種目です。

しかし、先にご紹介したインクライン・バーベル・ベンチプレスとは異なり、インクライン・ダンベルフライはアイソレーション種目という種目に分類されます。アイソレーション種目とは、鍛える筋肉が極めて限定された種目のことです。

すなわち、自分のウィークポイントである大胸筋上部に対し、あらかじめアイソレーション種目であるインクライン・ダンベルフライで大胸筋上部を疲労させておいて、そのあとに複合関節種目(コンパウンド種目)であるインクライン・バーベル・ベンチプレスを行うと、大胸筋上部にこれまでにない強い刺激を与えることができるので、効果的に発達させることができるのです。これは俗に『予備疲労法』と呼ばれる方法としても知られていて、数あるトレーニングメソッド(方法)の一つです。

ここで、アイソレーション種目とコンパウンド種目についてもう少し詳しくご紹介します。先にも説明してきたとおり、バーベルベンチプレス、インクライン・バーベル・ベンチプレスはコンパウンド種目という種目に分類されます。ケーブルクロスオーバーやインクライン・ダンベルフライはアイソレーション種目という種目に分類されます。

コンパウンド種目は『複合関節種目』ともいい、エクササイズ中、様々な関節を同時に使いますが、アイソレーション種目は『単関節種目』といい、エクササイズ中、複数の関節を同時に使うことができません。一般にコンパウンド種目はバルクアップ(筋量を増すということ)に効果的で、アイソレーション種目はカット(いわゆるキレ)を出すのに効果的と言われています。

そのため、筋肉量を増すのか?カットをだすのか?など目的に応じて、アイソレーション種目、コンパウンド種目の順番を入れ替えたりすることもあります。また、トップビルダーの多くは運動の後半にコンパウンド種目を行っている方が多いようですが、それには二つの理由が考えられます。

上級者になればなるほど、必然的に使用する重量が増えていってしまうので、トレーニングでケガをしてしまうリスクが高くなってしまいます。それを回避するために『アイソレーション種目』であらかじめ筋肉を疲労させておいて、後半に『コンパウンド種目』を行うことでリスク回避を計るとともに、集中的にウィークポイントを鍛えるという目的で行うのです。(これは人によって異なります)

しかし、初心者の方はまず、コンパウンド種目を最初に行い、その後にアイソレーション種目を行うことを基本とした方が良いでしょう。

使用重量、反復回数、休憩時間について

鍛える目的に応じ、使用重量やセット数、休憩時間(レストインターバル)を変える必要があります。以下の表を参考にされるとよいと思います。

目的 筋力アップ 筋力強化 筋肥大 パワー・アップ 筋持久力
最大筋力(%) 100~90% 90~80% 80~60% 60~30% 50~30%
反復回数(回) 1~3回 5~10回 10~15回 10~20回 20~60回
適応時間(秒) 6~10秒 10~20秒 20~30秒 10~20秒 45~90秒
休憩時間(分) 3~5分 2~3分 1~2分 3~5分 1~2分

例えば、1つの種目を10回反復したとすると、これを『1セット』と数えます。その後、レストインターバル(休憩時間)をとり、さらに同じ種目を10回反復したとすると、2セット行ったことになります。初心者の方は基本、各種目とも3セットずつ行えば十分だと思います。

大胸筋の筋トレについてのまとめ

大胸筋は、上部・中部・下部で筋線維の走行が異なるため、インクライン(上部)・フラット(中部)・デクライン(下部)と角度を変えて鍛え分けるのがポイントです。さらにケーブルクロスオーバーなどで輪郭や谷間を仕上げ、巻き肩を防ぐために大胸筋のストレッチや拮抗筋(僧帽筋中部・菱形筋)の強化も取り入れましょう。男性・女性問わず、目的に合った種目・重量・回数で鍛えることが、たくましく形の良い胸板への近道です。自宅では腕立て伏せから、本格的に鍛えるならジムでBIG3を中心に取り組むのがおすすめです。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

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