目次
女性にとって、メリハリのある身体を持つことは何者にも代えがたいものがあるのではないでしょうか?
一昔前には女性は華奢で繊細な方が美しいと考えられていましたが、最近では多くの有名タレントなどの影響もあり、女性も美しく鍛えられたメリハリのある身体を好む方が増えてきているようにも思えます。
中にはシックスパックに鍛え上げられている方もみられ、その見事なまでに仕上がった美しいウエストを目の当たりにすると思わず誰しもが見とれてしまいます。
しっかりと引き締まった身体でお洒落な洋服を着こなすと、着る人をより若く、より美しく洗練にみせてくれます。
おしゃれを楽しむには筋トレは欠かせない!
自分の体形について、はっきりと自覚するのは、服を試着するときや海やプールなどに遊びにいったときではないでしょうか?
服を試着し、鏡に映った自分の姿を目の当たりにして、想像と違いすぎて愕然としてしまったり、海やプールで水着になってみたら思った以上にお腹の脂肪がはみ出てて人前に出るのが恥ずかしくなってしまったという方も多いかと思います。
このような体験をしてしまうと一気に気分も落ち込み、折角の楽しい気分も萎えてしまいます。
やはり女性としてオシャレを楽しむために、着たい洋服やおしゃれな水着を着こなせるというのは何にもまして代えがたいものがあるのではないでしょうか?
そのためにもやはり日頃からバランスの良い食事を摂取することを心掛け、しっかりと身体を鍛えて無駄な脂肪を落とす必要があるのです。
一般的に脂肪を落とすことを目的とした場合、運動は脂肪燃焼効率の高い”有酸素運動”を選びますが、同時に筋トレも必ず行っておく必要があります。
何故なら有酸素運動ばかりで筋トレは一切しないというような偏った運動を長期に渡って実施していると筋肉量が落ち”基礎代謝量”が落ちてしまうこともあるからです。
基礎代謝量というのは”人間が生命を維持させるのに最低限必要なエネルギー”のことで、一般的に筋肉量と比例して基礎代謝量が高くなることが知られています。
つまり、筋肉量が少なくなることで基礎代謝量が落ちてしまい、却って太りやすい体質になってしまうこともあるのです。
特にダイエットは食事によるコントロールだけで、運動は一切行っていないという方では顕著にこのような現象が起こります。
また、ダイエット中にあまりタンパク質の摂取を心掛けていなかった方も同様なことが起こります。
このような誤ったダイエット方法を行ってきた方は一時的にダイエットが成功したかのようにみえる時期もあるのですが、ほどなく、リバウンドという現象が待っています。
基礎代謝量を上げ、引き締まった体型にし、それをキープしていくためには筋トレを行うことは避けられません。
歳だから仕方がない…..忙しいから鍛える時間がない…..自分は筋トレが苦手だから…..甘いものが大好きで止めることが出来ない….こんなマインドの持ち主の方はダイエットやオシャレを楽しむことは到底無理なので今すぐ諦めてください。
ん?腹筋運動をやろうと思ったら腹筋が一回もできなかった!?
腹筋運動をしようと思ったら『一回も腹筋運動が出来なかった!』という経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか?
実は男女ともにこういう経験をお持ちの方は大勢いらっしゃいます。
しかし、これは単に”腹筋が弱いから出来なっただけ”とは簡単に片づけられない場合が多いのです。
結論から言うと身体の姿勢(構造的に問題がある)に問題がある場合はその構造故に腹筋運動が一回もできないということもあるのです。
それではどのような姿勢の方に”腹筋運動ができない”という方が多いのでしょうか?
このことは一部、姉妹サイト『骨と関節の歪みを整えて元気な身体になろう!』でも取り上げていますが、”腰椎前弯症(ようついぜんわんしょう)”、すなわち【反り腰】になってしまっている方がこのような経験をする方が多い傾向にあります。
『そんなことはない!私は反り腰だけど腹筋運動は得意だ!』と自信をもって言う方もいますが、実際にその方の運動動作を拝見すると腹筋運動のやり方そのものが間違っていることがあります。
さてこの腰椎前弯症ですが、文字通り腰椎、すなわち腰の部分が過剰なまでに反ってしまった不良姿勢の一種です。
骨盤はもともとある程度、前に傾いており(前傾)で腰椎部分は前弯といって反っているものですが、過剰に腰が反りすぎてしまったり、反りが無くなってしまうと腰椎部分で様々な症状を発症するようになります。
上記の図の人物は生理的な湾曲を描いてはおらず、過剰なまでに腰が反ってしまっています。
ここで皆さんに単純な質問をしたいと思います。
このように腰が反って腹部の筋肉が伸びてしまっている方が、まともな”腹筋動作ができると思いますか?”
勿論、全ての方が腹筋運動が出来ないとは言いませんが、このような姿勢の方の多くは腹筋運動が苦手な方が多いのです。
それでは何故、このような腰椎前弯症のような不良姿勢になってしまうのでしょうか?
反り腰姿勢になってしまった様々な理由
腰が反ってしまう原因は実に多くの理由が考えられます。
一番メジャーな理由は腹部の筋肉、とりわけ腹直筋の筋力が極端に低下してしまったことによるものです。
腹直筋が弱くなると腹部の筋肉が緩むので、腰が反り、下腹部がせり出したような姿勢になってしまいます。
このように腹直筋の筋力が極端に低下すると体脂肪がさほど付いていなにも関わらず、下腹部がポコッと出てしまったような見た目になってしまうことがあります。
しかし、腰が反ってしまう理由はそれだけではありません。
腰椎前弯症の方のように骨盤の前傾が強い方はかなりの確率で大腿四頭筋、とりわけ二関節筋である”大腿直筋”の柔軟性が低下してしまっています。
二関節筋(二つの関節を跨いでいる筋肉のこと、大腿直筋は股関節と膝関節を跨いでいます)でもある大腿直筋が硬くなってしまうと大腿直筋の起始部である下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)が前方にグイっと引っ張られるような力がかかるので、これが原因で骨盤が前傾し、腰椎の前弯が強くなって(腰の反りが強くなる)しまうのです。
時間があるときに実際に試してみていただくことをお勧めしたいのですが、腰が反っている多くの方は【うつ伏せの状態で踵をお尻に近づけるような動作をしようと思っても太ももの表の筋肉が硬すぎてできない】場合が往往にしてあります。
このように、うつ伏せになり、踵をお尻に近づけるテストのことを”大腿四頭筋(FD)Elyテスト”といいます。
以下に簡単なテスト方法を記載します。
※実際のテストでは二人一組で実施することをお勧めします。
大腿四頭筋(FD)Elyテスト
- 大腿四頭筋の柔軟性を測定したい方(患者)を腹臥位(うつ伏せ)にさせます。
- パートナー(術者)がこの方の片膝を他動的に屈曲させます。
このときパートナーは尻上がり現象が起きないようにするために臀部に垂直圧をかけながら実施します。 - パートナー(術者)は患者さんの臀部と踵との距離を測定します。
- もし、臀部から踵までの距離が4FD(フォーフィンガーディスタンス、4横指(よんおうし)すなわち、指4本分という意味です)なら陽性と判断します。
■評 価■
4FD以上のものを陽性とする。10cm以上は大腿四頭筋過緊張してしまっています。
このテストにより、陽性反応が出てしまった方は大腿四頭筋が過剰に硬いと判断することができます。(勿論、実施者の筋肉の量や脂肪の量、皮膚の状態などによっても結果は異なります)
その硬さの影響もあって骨盤が前傾し、腰椎が前弯してしまうのです。
因みにこのテストで陽性反応が出てしまった方は今後、大腿四頭筋のストレッチを行わなければ、かなりの確率で腰痛(腰椎分離症、腰椎滑り症)、大腿四頭筋の肉離れ、オスグッドシュラッデル病、ジャンパーズニーなどが起こってしまう可能性があります。(既になってしまったという方も多いのではないでしょうか?)
このように大腿四頭筋(とりわけ大腿直筋)が硬くなってしまうとそれに伴い、骨盤が前傾になってしまい腰の反りが強くなってしまうので、必然的に腹直筋に力が入らなくなってしまうのです。
勿論、大腿四頭筋の硬さだけが腰の反りに繋がるわけではありません。
腸腰筋(腸骨筋、大腰筋の総称)や脊柱起立筋が硬くても腰の前弯は強くなります。
上記の絵の③(脊柱起立筋)、⑥(腸腰筋)、⑧(大腿直筋)が腰椎前弯症の方で筋肉の柔軟性が失われていると推測できる場所です。
なのでそのあたりを重点的にトレッチをすることをお勧めします。
例えば、④の腹直筋の拮抗筋である③脊柱起立筋が極端に硬ければまともな腹筋運動が出来ないというのは絵を見ればすぐご理解いただけると思います。
腹直筋を十分に収縮させるためには拮抗筋である脊柱起立筋の柔軟性が求められます。
このような場合は腹筋運動以前に下記のようなストレッチ方法を行うことで予め、脊柱起立筋の柔軟性を高めておかなければなりません。
このように腹筋運動を行う以前に腹直筋が上手く機能するように予め問題解決しておく必要もあるものです。
腹筋運動が苦手な方はまず骨盤傾斜運動をやろう!
これまで述べてきたように、腹筋運動をやろうと思っても様々な問題があり、腹筋運動が出来ないこともあるということをご理解いただけたでしょうか?
それではここで腹筋運動を正しく行うためのプロセスをご紹介します。
- まずは柔軟性の低下によって腹筋運動の妨げになってしまっている可能性が高い場合はその要素を全て取り除いてください。
具体的言うと大腿四頭筋(大腿直筋)、腸腰筋、大腿筋膜張筋、縫工筋、脊柱起立筋などの柔軟性をそれぞれ高める必要があります。【参考サイト】 - 骨盤が過剰に前傾してしまっている方は柔軟性の他に骨盤の後傾を作り出す運動を積極的に行う必要があります。
- 次に比較的簡単な腹筋運動から始めるようにしてください。
1.の柔軟性に付いては上記で詳しく説明させていただきましたのでそちらを参考にしてください。
続いて2.の【骨盤の後傾を作り出す運動】について解説します。
骨盤後傾を作り出す運動の中で最も有名なエクササイズは”ペルピックチルト(骨盤傾斜運動)”ではないでしょうか?
厳密にいうとペルピックチルトは骨盤の前・後傾の動きを作り出すエクササイズで腹直筋、外内腹斜筋、腹横筋などの筋力アップにも効果があります。
腹筋運動が上手く出来ない方の多くは骨盤の前・後傾の動きが苦手な方が多いのでペルピックチルトで自由自在に動かせるように日頃から訓練してください。
■ペルピックチルト(骨盤傾斜運動)
- 仰向けになり股関節の角度を45°、膝関節の角度を90°くらいに曲げます。
このとき足幅は肩幅程度に広げておきます。(両方の手の平は下腹部に置いておきます。)(写真1) - 下腹部を収縮させ、床から尾骨、仙骨、腰椎の順で持ち上げていくようなつもりで骨盤を後傾(お尻を持ち上げる)させます。(写真2)
- 2~3秒間、腹部を緊張させたらゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
また、下記のようにバランスボールの転がりを利用して行うペルピックチルトもお勧めです。
■シッティングボール・ペルピックチルト
- 背筋を伸ばしバランスボールの上に腰掛けます。
このとき足幅は肩幅よりやや広めに開き、両手は胸の前で組みます。(写真1) - ボールの転がりを利用し、尾骨、仙骨、腰椎の順で骨盤を前方に滑らすように骨盤を後傾させます。
このとき目線をへそに向けることにより骨盤の後傾が作り出しやすくなります。(写真2) - 2~3秒間、腹部を緊張させたら、ボールの転がりを利用してゆっくり開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
腹筋を鍛えるお勧めエクササイズ3選
一般的に腹直筋を鍛えるエクササイズとして”シットアップ”が紹介されることが多いのですが、今回のこの記事ではあえてご紹介しません。
何故ならシットアップは運動動作後半では股関節の屈曲動作に移行するので腹直筋というより、むしろ大腿直筋や腸腰筋の関与が高くなってしまい、更に終動動作においては脊柱起立筋すら関与してきてしまいます。
”腰椎前弯症”の方がこのエクササイズを実施すると骨盤の前傾が更に強くなってしまうこともあるので、場合によって腰痛などの症状が悪化することすらあります。
今回、皆さんにご紹介するエクササイズはアブクランチと呼ばれるエクササイズです。
アブクランチは基本的にクランチャーというエクササイズと運動動作はほとんど同じですが、唯一、異なる点はエクササイズを行っている間は常に写真のように股を拡げておきます。
実はクランチャーにせよ、シットアップにせよ、少なからず内転筋群(大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、恥骨筋の総称)が関与してきます。
その関与を少なくするために股を拡げたままクランチ動作を行うのがアブクランチです。
■アブクランチ
- 仰向けになり膝を90度に曲げ、可能な限り股関節を広げます。
このとき、両手は頭の後ろに組み、肩甲骨が床につかないように上体を少し丸めておきます。(写真1) - みぞおちをおへそに近づけるようにしながら背中を丸め上半身を起こします。(上体が床面から25°程度になるくらいまで)(写真2)
- 上体を起こしたらその後、重力に逆らいながらゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
この腹筋運動が上手く行えないという方は次の腹筋運動を試してみてください。
■エキセントリックアブドミナル・アームフォワード
- フロアの上で仰向けになり膝の角度を90度くらいに曲げておきます。このとき上半身の角度は45°くらいにしておきます。(写真1)
- 目線は自分のヘソを覗き込むようにし、下腹部を収縮させ、尾骨、仙骨、腰椎の順にフロアに触れていくようにゆっくりと背中を床につけていきます。(写真2)
- 背中が床に着いたら横向きになり、両手を着きながら上体を起こしあげ、1.のファーストポジションになります。
- 以後、これらの動作を繰り返します。
このエクササイズはシットアップやクランチャーと異なり、腹直筋のネガティブワークが行われます。
通常のポジティブワークでは筋力の80%程度の力しか発揮することができないと言われていますが、ネガティブワークの場合は120%の筋力が発揮できると言われています。
通常の腹筋運動ができない方でもこれなら腹筋運動を行うことができるでしょう。
次にご紹介するエクササイズは内外腹斜筋、腹横筋を鍛える『サイドベント』です。
■サイドベント
- 脚幅は肩幅くらいになるように拡げておきます。
- 片手にダンベルを持ち、もう片方の手は頭の後ろに組みます。
上体を真横に倒し、開始姿勢をとります。(写真1) - みぞおちあたりを中心に上体を反対側に傾けます。(写真2)
十分に腰方形筋、腹斜筋群を収縮させたら、ゆっくりと同じ軌道を通りながら開始姿勢まで戻します。 - 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
腹筋の筋トレのまとめ
今回は主に腹筋を鍛える方法をご紹介してきましたが、腹筋を鍛える以前に身体の構造(姿勢)に問題があることをお話しさせていただきました。
ここでは腹筋運動を具体的に何回、何セット行ってと具体的なことはあえて言いません。
例え腹筋運動が1〜2回しか出来なくてもOK!です。
毎日これを続けるだけでも、ウエストが見違えるように鍛え上げられることでしょう。
ウエストが引き締められると、洋服を着た時の印象が全然違います。
今からでも遅くはありません。
毎日少しずつ意識を変え、1か月後、2か月後、半年後、1年後の変わった自分を想像してみてください。
何だか楽しくなりませんか?
ウエストを鍛え上げ理想のボディを手に入れましょう。