水泳のための筋力トレーニング|推進力を生む肩・背中・体幹の筋肉と筋持久力重視の筋トレメニューを徹底解説

水泳のトレーニング概要

水泳は筋力トレーニングを行わないようなイメージがありますが、実際はそうではありません。世界で活躍している一流選手ほど筋力トレーニングに力を入れています。トップスイマーが筋力トレーニングを効率的に取り入れてタイムを伸ばすことは、よく知られています。

水泳は種目によって使う筋肉が微妙に異なりますが、基本的には全身を使う競技です。

その中で特に重要なのが、腕の回転(ストローク)の力を生む肩と背中の筋肉です。これらの筋肉を鍛えることにより、腕の回転を速めタイムアップへとつながります。クロールや平泳ぎ、バタフライといった異なった種目においても基本は腕の回転になりますので、一番重要な筋肉といえるでしょう。

次に重要となるのが下半身の筋肉です。下半身の筋肉はスタート前の体勢をキープするために重要となっています。なぜなら水泳はスタートの際、1度体を曲げる体勢をとったらスタートの合図がかかるまで動いてはいけないからです。さらに水中ではバタ足で水を蹴る動作を行うために下半身の筋肉は必要です。

しかし注意したいのは、水泳においては硬い筋肉はむしろ泳ぐ上で邪魔になってしまうので、しなやかな筋肉を作ることが大切です。そのためトレーニングは筋持久力を高めることを中心に行うため、低負荷で高回数行う必要があります。

水泳に必要な筋肉(部位別の役割)

水泳の推進力は、腕の回転を生む肩・背中と、姿勢を支える体幹・下半身で決まります。

① 肩・背中(ストローク・推進力の中心)
広背筋・大円筋・三角筋・僧帽筋・上腕三頭筋
水をかいて体を前に進めるエンジン。腕の回転を速め、推進力を生む
種目:ベントオーバーローイング・ハイプーリー・スタンディングプレス・サイドレイズ・フロントレイズ

② 体幹・背部(姿勢の安定・抵抗を減らす)
脊柱起立筋・腹筋群
体幹が弱いと下半身が沈んで水の抵抗が増えるため、姿勢を保つ土台になる
種目:デッドリフト

③ 下半身(キック・スタート姿勢の保持)
大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス・下腿三頭筋
バタ足のキックの推進力と、スタート前の体勢キープを支える
種目:スクワット・レッグエクステンション・レッグカール・スタンディングカーフレイズ

「腕の回転(肩・背中)を軸に全身を使う」:

泳ぎの推進力は腕の回転(ストローク)が中心ですが、体幹で姿勢を保ち、下半身でキックすることで全身が連動します。肩・背中を軸に、体幹・下半身をバランスよく鍛えることが速く泳ぐカギです。

しなやかな筋肉をつくる筋持久力重視の考え方

水泳では硬い筋肉より、しなやかで疲れにくい筋肉が求められます。

① 低負荷・高回数で筋持久力を
筋肥大を狙う高負荷より、低負荷・高回数で筋持久力を高める

② 硬い筋肉をつくりすぎない
可動域を保ち、しなやかに泳げる筋肉を目指す

③ 肩は怪我予防も意識
スイマーは肩を痛めやすいため、肩まわりは丁寧に鍛え、ストレッチも取り入れる

※ 筋力トレーニングの順番は順不同で掲載しています。
一般にコンパウンド種目(色々な筋肉が複合して作用する種目のこと)や最優先して鍛えたい種目などをトレーニングの最初に行います。必要に応じて変更してください。

水泳の筋トレメニュー

デッドリフト
デッドリフト
脊柱起立筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス
15RM×3セット

ベントオーバーロウ
ベントオーバーローイング
広背筋、大円筋、僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋
15RM×3セット

ハイプーリー
ハイプーリー
広背筋、大円筋、大胸筋、小菱形筋&大菱形筋、僧帽筋、上腕二頭筋
15RM×4セット

スタンディング・プレス
スタンディング・プレス
三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋、前鋸筋
15RM×3セット

サイドレイズ
サイドレイズ
三角筋、棘上筋、僧帽筋
15RM×3セット

フロントレイズ
フロントレイズ
三角筋、烏口腕筋、前鋸筋、僧帽筋、大胸筋
15RM×3セット

スクワット
スクワット
大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス
15RM×3セット

レッグエクステンション
レッグエクステンション
大腿四頭筋
15RM×3セット

レッグカール
レッグカール
ハムストリングス、腓腹筋
15RM×4セット

スタンディング・カーフレイズ
スタンディング・カーフレイズ
腓腹筋、ヒラメ筋
20RM×3セット

まとめ

水泳のための筋力トレーニングは、腕の回転(ストローク)を生む肩・背中を中心に、姿勢を保つ体幹、キックを支える下半身を組み合わせて鍛えることが重要です。硬い筋肉は泳ぎの妨げになるため、低負荷・高回数で筋持久力としなやかさを養いましょう。肩は怪我をしやすいので丁寧に鍛え、ストレッチも取り入れることが、長く速く泳ぐことにつながります。

参考文献・出典

・公益財団法人 日本水泳連盟https://swim.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

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