女性は『いつまでも美しい姿でありたい』、『おしゃれに洋服を着こなしたい』など、美しさを追求する人がとても多く、特に細くすらりと伸びた大腿部から下腿部にかけての脚線美を持つことは、多くの方の憧れではないでしょうか?
現代の女性は細くなりたいと思うと、すぐに無理な食事制限だけでダイエットを試みようとする方が多いのですが、標準体重をはるかに下回るようなダイエットの仕方では、体重が一時的に減ったとしても、同時に多くの筋肉量を失ってしまうことになるので、必ずといって良いほど近い将来リバウンドしてしまいます。
特に、太ももを太くしたくないからという理由で太ももの筋トレを一切せずにダイエットをした方では、顕著にその傾向が現れます。何故なら、下半身には全身の約7割の筋肉があると言われているので、そこを鍛えないということは、すなわち“基礎代謝量”の低下を意味します。
“基礎代謝量”というのは、ご存知の方も多いと思いますが、“人間が生命を維持させる上で最低限必要なエネルギー量”と言われているものです。いくら細くスラッと伸びた太ももを手に入れたいからと言って、太もものトレーニングを一切やらないというのは、このような観点からもあまり好ましいことではありません。
食事制限だけで脚が細くならない理由
食事制限だけのダイエットは、脂肪だけでなく筋肉も一緒に減ってしまいます。下半身には体の大きな筋肉が集中しているため、ここが落ちると基礎代謝が大きく下がり、安静時に消費するエネルギーが減って、かえって「リバウンドしやすい体」になってしまいます。また、筋肉には血液を心臓に送り返すポンプの役割があり、心臓から遠い脚の筋肉が衰えると血行が滞り、むくみとなって脚が太く見えてしまいます。つまり、スラっとした脚を手に入れるには、食事だけに頼らず、適度に下半身を鍛えて代謝と血流を保つことが欠かせないのです。
太ももを作り上げるための筋トレメニュー(自宅編)
ここからはいよいよ本題の『女性の方でも簡単に出来る太ももの筋トレメニュー』をご紹介していきたいと思います。(※このページは併せてこちらのページも参照してください)
今回はまず、自宅でも実施可能なエクササイズを何種目かご紹介したいと思います。最初にご紹介する種目は『チェアスクワット』です。
スクワットは下半身の強化はもちろん、呼吸循環器系機能の向上、上半身や体幹の筋力アップなど、様々なメリットをもたらしてくれます。チェアスクワットで主に鍛えられる筋肉は、大腿四頭筋、大臀筋、内転筋群(大内転筋、短内転筋、長内転筋、恥骨筋、薄筋)、ハムストリング(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称)などです。
チェアスクワットは通常のスクワットに比べ、“フォームの習得”が比較的容易であるというのが特徴です。自分の後方にあるイスに座るようなつもりでスクワット動作を行うだけで、安全で効果的なスクワットを行うことができます。
■チェアスクワット
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- 両手を腰にあてがいます。足幅は肩幅より広めに開き、視線はやや斜め上方に向けておきます。(写真1)
- 胸をしっかりと張り、背筋を弓なりに保ちながら、臀部がイスに軽く触れる程度までしゃがみます。このとき、膝はつま先よりも前方に出ないように気をつけながら行います。
- 臀部がイスに軽く触れたら、姿勢を崩さないようにコントロールしながらゆっくりと立ち上がります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
次にご紹介する筋トレは、チェアレッグエクステンションです。このエクササイズは基本的にマシンで行う“レッグエクステンション”と同じ種目で、主に大腿前面に対して効果が高い種目です。
女性の方はO脚、X脚などの“アライメント異常”を抱えている方が多く、そして多くの方が大腿部前面の内側、外側の筋力バランスが崩れてしまっていることが多い傾向にあります。このように“アライメント異常”がある方は、レッグエクステンションを行う際に脚の屈曲、伸展動作に加えて、股関節の内外旋動作を同時に加えることをお勧めします。
一般にO脚の方は大腿部の外側(外側広筋)の筋力が低下していることが多いので、膝の伸展動作に加え、股関節の内旋動作(足の親指を内側に捻るような動き)を意識して行ってみてください。逆にX脚の方は大腿部の内側(内側広筋)の筋力が低下していることが多いので、膝の伸展動作に加え、股関節の外旋動作(足の親指を外側に捻るような動き)を意識して行うと、とても効果的です。
これらの運動動作が余裕をもって行えるようになったら、足首に“アンクルウエイト”をつけるか、セラバンドと呼ばれるゴムチューブを足首に固定するなどして、負荷を増して筋トレを行ってください。
■チェアレッグエクステンション
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- イスに深く腰掛け、座ったときに股関節、膝関節が90°になるようにします。背筋をまっすぐに伸ばし、両手の平は太ももの前面にのせておきます。(写真1)
- 膝関節の部分で弧を描くようにしながら、膝をゆっくりと伸ばしていきます。(写真2)
- セカンドポジションで大腿部前面に十分に収縮感を得たら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
次にご紹介する筋トレは、スタンディング・レッグカールです。このエクササイズは基本的にマシンで行う“レッグカール”と同じ種目で、大腿部後面を鍛えるエクササイズです。
レッグエクステンションでも解説しましたが、“O脚、X脚などのアライメント異常”を起こしている多くの方は、大腿部後面においても内側、外側の筋力バランスが崩れてしまっていることが多い傾向にあります。レッグカールでも大腿部後面の内側、外側を強調した筋力トレーニングはできなくはないのですが、運動動作がレッグエクステンションほど容易にはできないので、今回は割愛します。
最初のうちはこの種目でもある程度効果は得られると思いますが、ほどなく効果は無くなります。もし重量が足りなくなったら、足首に“アンクルウエイト”をつけるか、セラバンドと呼ばれるゴムチューブを足首に固定して、負荷を増して筋トレを行ってください。
■スタンディング・レッグカール
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- 脚幅を肩幅程度に広げ、立位になります。このとき壁か椅子に両手を置き、身体を安定させておきます。(写真1)
- 膝関節の部分で弧を描くようにしながら、膝をゆっくりと曲げていきます。(写真2)
- セカンドポジションで大腿部後面に十分に収縮感を得たら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
次にご紹介する筋トレは、ヒップアブダクション(自重)です。このエクササイズは基本的にマシンで行う“ヒップアブダクション”と同じ種目です。しかし、この種目は自重、すなわち自分の脚の重みを利用するところに大きな違いがあります。横向きの姿勢で、つま先が常に正面を向くように行うことで中臀筋を鍛えることができます。
これまでご紹介してきた種目と同じく、重量が足りなくなったら足首に“アンクルウエイト”をつけるか、セラバンドと呼ばれるゴムチューブを足首に固定して負荷を増して筋トレを行っていただいて良いのですが、脚はかなり重いので、自重のまま実施していただいても問題はないと思います。
■ヒップアブダクション(自重)
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- 鍛えたい側の側腹部が上を向くように横向きに寝ます。このとき一方の手で肘をたてるように上半身を起こし、他方の手でバランスが保てるよう床面においておきます。(写真1)
- 上側の足を天井に向けて挙上(外転)します。このとき足先は常に正面を向くようにします。(写真2)
- 重力に逆らいながらゆっくりと開始姿勢に戻ります。開始姿勢に戻す際は、脚が床につかない程度にまで戻すようにします。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
効率よく太ももを鍛えるならやはりジムに行こう!
やはり、太ももを本格的に鍛えるにはトレーニングジムに行き、鍛えるのが一番効果的だと思います。ここからは主にトレーニングジムで行うエクササイズを4種目ほどご紹介したいと思います。
まずは“レッグプレス”をご紹介します。レッグプレスは主に大腿部、臀部を鍛える下半身の基本種目です。背もたれがあるため腰にかかる負担が少ないことと、スクワットに比べると比較的フォームの習得が容易なので、当サイトではこの種目をお勧めします。
■レッグプレス
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- マシンに座り、ペダルに脚を乗せます。このとき両足幅を肩幅より1〜2握りこぶし分広めにし、つま先はやや外側を向くようにします。また膝の角度はだいたい90°くらいにするのが基本ですが、特に膝を痛めていないようであれば、大腿部とお腹が接触するくらい鋭角的な角度に調整しても良いと思います。
- マシンのシートと背中、臀部との間に隙間ができないようにベンチに座ります。運動動作中、身体の位置がずれないように両手でしっかりグリップを握ります。(写真1)
- 両脚でペダルを押し、膝を伸ばします。セカンドポジションでは、膝は完全には伸展(ロック)しきらないようにします。(ロックしてしまうと大腿部に対して負荷がかからなくなってしまい、さらには半月板の損傷に繋がる可能性もあるからです)(写真2)
- ゆっくりとペダルを元の位置に戻し、開始姿勢に戻します。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
次にご紹介する筋トレは“レッグエクステンション”です。主に大腿前面に対して効果が高い種目です。先に紹介したように、O脚、X脚などの“アライメント異常”がある方は、脚の屈曲、伸展動作に加えて、股関節の内外旋動作を同時に行うと良いと思います。
■レッグエクステンション
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- マシンのカム軸と膝が横並びになるようにしっかりと腰掛けます。このとき、お尻と背もたれの間に隙間が出来てしまっているようなら、背もたれの位置を変える必要があります。
- アンクルパッドが足の甲の付け根付近に来るようにパッドの位置を調節します。(写真1)
- 膝関節の部分で弧を描くようにしながら、両膝をゆっくりと伸ばしていきます。(写真2)
- セカンドポジションで大腿部前面に十分に収縮感を得たら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
次にご紹介する筋トレはレッグカールです。レッグカールは大腿部後面を鍛えるエクササイズです。一般に大腿部後面を日常生活で使う機会はあまりないため、大腿部前面より多めに鍛えておくことをお勧めします。
■レッグカール
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- マシンのカム軸と膝が横並びになるようにシートにうつ伏せに寝ます。このとき、アキレス腱の踵の付け根付近にレッグパッドがくるように調整します。(写真1)
- ハンドルを握り、身体をしっかり固定したまま、膝関節の部分で弧を描くようにしながら両膝をゆっくりと曲げていきます。(写真2)
- セカンドポジションで大腿部後面に十分に収縮感を得たら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
次にご紹介する筋トレはヒップアブダクションです。この種目は主に中臀筋、大腿筋膜張筋を鍛えることができます。中臀筋が弱くなってしまうと、骨盤が横ぶれを起こすようになります。また、中臀筋、大腿筋膜張筋が弱くなってしまうとX脚のように脚が内股のようになってしまうので、いくら脚が細くても“不恰好”な脚に見えてしまいます。
■ヒップアブダクション
(写真1)ファーストポジション
(写真2)セカンドポジション
- ヒップアブダクションマシンに座り、背もたれに寄りかかります。マシンのカム軸と股関節の位置が並ぶように身体の位置を調整し、運動動作中、身体の位置がずれないように両手でしっかりグリップを握ります。(写真1)
- 股関節の部分で弧を描くようにしながら両脚を左右に広げます。(写真2)
- 十分に臀部横あたりに収縮感を得たら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
女性の方は比較的軽めな重量で高回数行う
筋トレの目的により使用重量や回数は異なりますが、女性の場合は筋肉を肥大させることが目的でないことが多いと思うので、使用する重量は軽重量で、反復回数は高回数行うことをお勧めします。下記の表で言うと“筋持久力”の項を参考にすると良いと思います。
| 目的 | 筋力アップ | 筋力強化 | 筋肥大 | パワー・アップ | 筋持久力 |
| 最大筋力(%) | 100~90% | 90~80% | 80~60% | 60~30% | 50~30% |
| 反復回数(回) | 1~3回 | 5~10回 | 10~15回 | 10~20回 | 20~60回 |
| 適応時間(秒) | 6~10秒 | 10~20秒 | 20~30秒 | 10~20秒 | 45~90秒 |
| 休憩時間(分) | 3~5分 | 2~3分 | 1~2分 | 3~5分 | 1~2分 |
例えば、1つの種目を20回反復したとすると、これを『1セット』と数えます。その後、レストインターバル(休憩時間)をとり(筋持久力の場合1〜2分)、さらに同じ種目を20回反復したとすると、2セット行ったことになります。初心者の方は基本、各種目とも3セットずつ行えば十分だと思います。
太ももの筋トレについてのまとめ
太ももの筋力が不足すると体のポンプ機能が下がるため、下半身がむくんだり、老廃物が溜まりやすくなってしまいます。また、筋力の不足により脚のアライメント異常が起こり、見た目も悪くなります。先にも話した通り、脚の筋肉量が減ってしまうと基礎代謝量も比例して低下するので、肥満につながる可能性が極めて高くなってしまいます。スラっとした美脚を保つには、無理な食事制限だけに頼らず、軽い重量でも構わないので週に1〜2回は下半身の筋トレを行うことをお勧めします。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/





















