アーノルドプレスの正しいフォーム|三角筋全体を効率的に鍛える筋トレを徹底解説

アーノルドプレス(arnold press)

アーノルドプレスとは主に三角筋(さんかくきん)、僧帽筋(そうぼうきん)、上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)を鍛える筋トレ種目です。

この筋トレはハリウッド俳優でもあるアーノルドシュワルツェネッガーが好んで行なっていたことからその名がつけられたと言われています。

アーノルドプレスは「三角筋3部位を同時刺激する種目」と呼ばれる、プレス系のエクササイズにレイズ系の効果が付加された種目なのでより肩部を発達させることができる筋トレ種目です。

このページではアーノルドプレスの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セットシーテッド・ダンベルプレスとの違いまで包括的にご紹介します。

この記事で分かること:

アーノルドプレスで鍛えられる筋肉
正しいフォームと動作のポイント
呼吸法と目的別の重量・回数
シーテッド・ダンベルプレスとの違い
関連トレーニング種目

強化される筋肉

muscle9

三角筋上腕三頭筋僧帽筋前鋸筋

三角筋3部位を同時に強化

アーノルドプレスの最大の特徴:

① 三角筋前部
スタート時の手のひら内向き
前部繊維が最大活動
「胸の上の筋」

② 三角筋中部
動作中の回旋
中部繊維が活動
「肩の中央」

③ 三角筋後部
動作の最後
後部繊維も補助
「肩の後ろ」

「プレス系+レイズ系の融合」

アーノルドプレスが特別な理由:

① プレス系の動き
頭上への押し上げ
多関節運動
高重量

② レイズ系の動き
回旋動作
三角筋への直接刺激
細部の発達

③ 両者の融合
三角筋全体を網羅
「肩を完成」させる
1種目で多面的

「肩幅を作る」

肩の発達が外観に与える影響:

① 三角筋3部位すべての発達
「丸い肩」
「肩のシルエット」UP

② 「逆三角形のシルエット」
肩幅を最大化
男性的・スポーティな印象

「シュワルツェネッガー由来」

歴史的経緯:

① アーノルド・シュワルツェネッガー
1947年生まれ
ボディビル7回優勝
「ミスター・オリンピア」
ハリウッド俳優・カリフォルニア州知事

② アーノルドプレスの誕生
シュワルツェネッガーが好んで実践
独特の回旋動作
「三角筋を完璧に発達」させる

③ 現代のボディビル
定番の三角筋種目
世界中のトレーニーが実践

関節の動き

kata2 kenkou3 kenkou2 kenkou1 hiji1

肩関節においては外転肩甲帯においては外転上方回旋挙上肘関節においては伸展動作が行われます。

運動方法

アーノルドプレス (写真1)ファーストポジション

アーノルドプレス (写真2)セカンドポジション

  1. 両手にダンベルを握り、ベンチ台に腰掛けます
    手の平を自分側に向け、ダンベルを肩の高さで構えます
    このとき前腕部分が床と垂直になるようにします。(写真1)
  2. 背すじをしっかり伸ばした状態を保ちながら、肩関節で弧を描くようにダンベルを頭上に差し上げます
    運動動作中盤から徐々に手のひらが前方を向くようにダンベルを回旋させます。(写真2)
  3. ゆっくりコントロールしながらダンベルを耳たぶ辺りにまで下ろします

「回旋動作」が最大の特徴

アーノルドプレス特有の動き:

① スタート位置
手のひら自分側(内向き)
ダンベル肩の高さ
「胸の前で構える」

② 動作中盤
徐々に手のひらを回旋
内向き→前向き
三角筋3部位を順次活動

③ フィニッシュ
手のひら前向き
頭上にダンベル
通常のプレスと同じ

「回旋動作の効果」

なぜ回旋させるのか:

① 三角筋全体への刺激
前部→中部→後部
順次に活動

② 可動域の最大化
通常のプレスより広い
ストレッチ刺激

③ 関節の動き
肩関節の3次元的動き
機能性UP

呼吸方法

  • 重量が比較的軽いときは胸の動きに合わせて呼吸を行います。
    すなわち胸が開くときに息を吸い、胸が閉じるときに息を吐き出します
  • 中〜高重量を用いる場合は、開始姿勢で大きく息を吸いこみ、そのまま息をとめながら(胸の膨らみを保ちながら)ダンベルを頭上に差し上げます。
    その後、息を吐きながら開始位置までダンベルを下ろします

ポイントと注意点※順不同

  • グリップの握り方は親指をしっかり巻きつけて行う『サムアラウンドグリップ』を用いるようにします。
  • 運動動作中は常に肘はダンベルの真下にくるようにします。
    肘の位置がずれてしまうと動作中にバランスを崩してしまい思わぬケガをしてしまうことがあります。
  • 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます
    肩甲骨の寄せが甘いと効果がないばかりか肩関節を痛めてしまう恐れがあります。
  • フィニッシュ動作では肘はロック(肘を伸ばしきらない)しないように気をつけましょう(負荷が三角筋に掛かりにくくなってしまうからです)

「回旋のタイミング」が重要

アーノルドプレスの中核:

① 早すぎる回旋
三角筋前部への刺激不足
普通のプレスと同じに

② 遅すぎる回旋
頭上でぎこちない動き
肩関節への負担

③ 「動作中盤」が黄金タイミング
ダンベルが肩の高さ〜頭上の間
スムーズな回旋
三角筋全体の活動

「肩関節への配慮」

回旋動作は肩関節への負担も大きい:

① 軽い重量から
動作を習得
無理に高重量を避ける

② 痛みがあれば中止
肩関節の柔軟性不足
巻き肩・猫背の方は注意

③ 通常のプレスを基本に
アーノルドプレスは応用
シーテッド・ダンベルプレスを先に習得

反復回数とセット数

目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。

  • 筋力アップ
    筋トレの目的が筋力アップなら運動動作が6〜8回で限界を迎えるような高負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • 筋肥大
    筋トレの目的が筋肥大なら運動動作が12〜15回で限界を迎えるような中負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • ダイエット
    筋トレの目的がダイエットなら運動動作が20回以上反復可能な低負荷でトレーニングを行う必要があります。

初心者の方は正確なフォームで10回〜15回程度反復できる重量で行います。
セット数は3〜4セットくらいで行います。

「シーテッド・ダンベルプレスより軽め」

アーノルドプレスの重量設定:

① シーテッド・ダンベルプレスの70〜80%
回旋動作でテコの条件が変わる
軽くても十分に効く

② フォーム優先
正確な回旋動作
三角筋全体への刺激

バリエーション

  • スタンディングアーノルドプレス
    アーノルドプレスを立った状態で行う方法です。
    ダンベルを差し上げる際、膝関節の屈伸動作を使うことができるので、より重たいウエイトを扱うことができ、また、補助者の手助けなしにセルフで追い込むことができます。
  • シーテッドアーノルドプレス
    アーノルドプレスを座った状態で行う方法です。
    ダンベルを差し上げる際、膝関節の屈伸動作が使えないためあまり重たいウエイトを扱うことができないかもしれません。
    しかし、その分、安全にじっくりと筋肉を追い込むことができます。

アーノルドプレス vs シーテッド・ダンベルプレスの使い分け

両種目の特性を整理:

「アーノルドプレス(本記事)」

① 利点
三角筋3部位を同時刺激
回旋動作で多面的
「肩を完成」させる
マンネリ防止

② 欠点
高重量を扱いにくい
肩関節への負担
テクニックが必要

「シーテッド・ダンベルプレス」

① 利点
シンプルな動作
高重量を扱える
初心者向き

② 欠点
主に三角筋前部・中部
後部への刺激

「推奨される使い分け」

① 初心者
シーテッド・ダンベルプレスから
フォーム習得を優先

② 中・上級者
両種目を併用
アーノルドプレスで細部刺激
シーテッド・ダンベルプレスでパワー

「肩トレメニュー」

理想的な順序:

① シーテッド・ダンベルプレス(高重量・プレス)
② アーノルドプレス(中重量・回旋・本記事)
③ サイドレイズ(三角筋中部)
④ リアレイズ(三角筋後部)
⑤ フロントレイズ(三角筋前部)
⑥ シュラッグ(僧帽筋上部)

「ボディビル黄金期」の遺産

アーノルドプレスの背景:

① 1960〜1970年代
ボディビル黄金期
アーノルド・シュワルツェネッガー全盛期

② 三角筋発達への執着
「肩幅」のシンボル
「丸い肩」の追求

③ 現代への影響
定番種目として定着
世界中のジムで実践

「現代人の肩問題」

現代生活での課題:

① 「巻き肩・猫背」
肩関節の柔軟性低下
三角筋後部の弱化

② 解決法
アーノルドプレス
三角筋全体を強化
姿勢改善

③ 注意
肩関節の柔軟性不足の方は注意
軽い重量から
シーテッドでじっくり

関連する効果

① 三角筋全体の発達
3部位を同時

② 「丸い肩」を作る
立体的な肩

③ 姿勢改善
三角筋全体強化

④ ボディメイク
「肩幅」の発達
「逆三角形」のシルエット

関連する障害の予防

① 肩関節障害
適切なフォーム
ローテーターカフ強化を併用

② インピンジメント症候群
肩甲上腕リズムを意識
フォースカップル強化

YOU TUBE

アーノルドプレス

連種目

■ フリーウエイト・トレーニング■

バックプレスシーテッド・ダンベルプレスフロントレイズベントオーバーフロントレイズサイドレイズリアレイズクロスボディ・デルトレイズアップライトローイングショルダーシュラッグベントオーバーショルダーシュラッグインターナルローテーションエクスターナルローテーションスタンディングチューブ・エクスターナルローテーションプローン・エクスターナルローテーションプローン・オーバーヘッドエクスターナルローテーションショルダーサークルリバース・サイドレイズ

■ ボールエクササイズ■

ローテーターカフ・アクティブエクササイズ

■ チューブエクササイズ■

エンプティカンエクササイズスタンディングチューブリアレイズスタンディングチューブ・インターナルローテーションスタンディングチューブ・エクスターナルローテーションホリゾンタルアーム・エクスターナルローテーション

■ ギムニクエクササイズ■

ローテーターカフ・アクティブエクササイズ

まとめ

アーノルドプレスについて解説してきた内容を整理します。

三角筋+上腕三頭筋+僧帽筋+前鋸筋を鍛える
「三角筋3部位を同時刺激する種目」
プレス系+レイズ系の融合
アーノルド・シュワルツェネッガー由来
手のひら自分側からスタート
動作中盤で回旋
フィニッシュで手のひら前向き
耳たぶ辺りまで下ろす
サムアラウンドグリップ
肘はダンベルの真下
両肘を伸ばしきらない
肩甲骨を寄せる
軽重量=胸の動きに合わせて呼吸
中〜高重量=バルサルバ法
・目的別:筋力6〜8回/筋肥大12〜15回/ダイエット20回以上
シーテッド・ダンベルプレスの70〜80%の重量
初心者は10〜15回×3〜4セット
スタンディング vs シーテッドの使い分け

アーノルドプレスは三角筋全体の発達+「丸い肩」作り+プレス+レイズの複合効果+肩幅作り+姿勢改善に直結する重要種目です。シーテッド・ダンベルプレス(パワー)+アーノルドプレス(細部)の組み合わせで完璧な肩を作りましょう。正しい回旋動作のタイミング+肘の位置+肩甲骨の寄せ+耳たぶまで深く下ろすでアーノルドプレスの効果を最大化しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

・日本パワーリフティング協会https://www.jpa-powerlifting.or.jp/

・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/

・日本肩関節学会「肩関節疾患」https://katakansetsu.jp/

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