リアレイズ(rear raise)
リアレイズとは主に三角筋(さんかくきん)後部を鍛える筋トレ種目です。
肩の筋トレはプレス系とレイズ系に分類されることがあります。
リアレイズは「レイズ系」に属し、筋肉の形を整える目的で用いられることが多いようです。
リアレイズは「巻き肩改善の現代人必須種目」と呼ばれる、三角筋後部を集中的に鍛える単関節運動です。三角筋3部位の中で最も鍛えにくく、しかも現代生活で最も弱化しやすい部位です。
このページではリアレイズの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セット、巻き肩改善効果まで包括的にご紹介します。
この記事で分かること:
・リアレイズで鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と目的別の重量・回数
・巻き肩・姿勢改善の効果
・関連トレーニング種目
強化される筋肉
三角筋後部を集中的に強化|現代人の救世主
リアレイズの特徴:
① 主働筋:三角筋後部
・肩関節水平外転の主役
・「肩の後ろ」の盛り上がり
・立体的な肩を作る
「三角筋後部」の重要性:
なぜ三角筋後部が特別か:
① 最も鍛えにくい部位
・プレス系では効きにくい
・意識的なトレーニングが必要
・細部の発達に重要
② 最も弱化しやすい部位
・巻き肩・猫背で衰える
・大胸筋・三角筋前部と拮抗
・現代人で深刻
③ 美しいシルエットの鍵
・「肩の後ろ」の盛り上がり
・側面・後面から見た時の印象
・「立体的な肩」
「三角筋3部位の理想バランス」:
ボディビル理論:
① 前部:中部:後部 = 1:2:2
・後部を最重視するのが現代的
・巻き肩予防のため
② 現代人の現実
・前部:中部:後部 = 3:1:1
・前部過剰・後部弱化
・「巻き肩」の原因
③ 改善法
・リアレイズを重視
・三角筋後部の徹底強化
「単関節運動」としての特徴:
リアレイズも「単関節運動」:
① 肩関節のみを動かす
・三角筋後部を選択的に刺激
② 形を整えるのに最適
・細部の発達
・マインドマッスルコネクション
③ 軽重量で十分
・レイズ系の基本
・正確なフォームが最優先
関節の動き

運動方法


- 足幅は肩幅くらいにし、両膝を軽く曲げておきます。
このとき手のひらが大腿側を向くように両手でダンベルを構えます。 - 上体を軽く前傾させます。(※可能なら上体を床と平行になるくらいまで前傾させます)(写真1)
- 肘を軽く曲げてダンベルを自然に下に垂らします。
肩甲骨を開いた状態をキープしながらダンベルを肩の真横あたりまで持ち上げます。
このとき三角筋の後部への刺激を最大限に高めるためにも肩甲骨を内に寄せないように気を付けます。(写真2) - ゆっくりコントロールしながらダンベルをもとの位置まで下ろします。
「ベントオーバー姿勢」が基本
リアレイズの基本姿勢:
① 上体の前傾角度
・軽い前傾=初心者向け(45度程度)
・床と平行=上級者向け(90度近く)
・前傾が深いほど三角筋後部への刺激UP
② ニーベントスタイル
・膝を軽く曲げる
・お尻を後方に
・腰の保護
③ 失敗例
・膝を伸ばす=ハムストリングス過緊張+腰痛
・背中を丸める=椎間板への負担
・前傾が浅い=三角筋後部への刺激不足
「肩甲骨を開いた状態をキープ」:
リアレイズ最大の特徴:
① 通常の筋トレでは「肩甲骨を寄せる」が基本
・ベンチプレス・ローイング等
② リアレイズは正反対
・肩甲骨を開く
・「肩甲骨を脊柱に寄せない」
③ 効果
・三角筋後部に集中
・僧帽筋への代償を防ぐ
呼吸方法
- 重量が比較的軽いときは胸の動きに合わせて呼吸を行います。
すなわち胸が開くときに息を吸い、胸が閉じるときに息を吐き出します。 - 中〜高重量を用いる場合は、開始姿勢で大きく息を吸いこみ、そのまま息をとめながら(胸の膨らみを保ちながら)ダンベルを肩の高さまで持ち上げます。
その後、息を吐きながら開始位置までダンベルを下ろします。
ポイントと注意点※順不同
- グリップの握り方は親指をしっかり巻きつけて行う『サムアラウンドグリップ』を用いるようにします。
- ダンベルを持ち上げる際は、肩をすくめたり肩甲骨を脊柱に寄せないように気をつけます。
三角筋に効かなくなり、僧帽筋の上部や中部に刺激が分散してしまいます。 - フィニッシュ動作では小指を少し上向きにすると刺激が強く働きます。
こうすることで広背筋や僧帽筋への刺激の分散を防ぎ、三角筋後部に効かせやすくなります。 - この種目も含め、レイズ系の種目はあまり高重量を使う必要はありません。
重すぎると他の筋肉へ刺激が逃げてしまったり怪我の原因になります。
「小指を少し上向き」の効果
リアレイズ特有のテクニック:
① 通常のレイズ系
・親指を少し上向き=フロントレイズ・サイドレイズ
② リアレイズ
・小指を少し上向き=逆
・肩関節の内旋
・三角筋後部への刺激UP
③ 効果
・広背筋・僧帽筋への分散を防ぐ
・三角筋後部に集中
・「効かせる」感覚UP
「肩をすくめない」:
僧帽筋上部の代償防止:
① 肩がすくむと
・僧帽筋上部が活動
・三角筋後部への刺激不足
② 肩を下げる意識
・肩甲骨を下方に
・「肩を遠ざける」感覚
「軌道」の重要性:
正しい軌道:
① 真横〜やや後方に持ち上げる
・水平外転の自然な動き
② 「肩の真横あたり」まで
・水平より上に上げない
・僧帽筋への代償防止
③ 弧を描くように
・肩関節を中心に
・「自然な軌道」
反復回数とセット数
目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。
- 筋力アップ
筋トレの目的が筋力アップなら運動動作が6〜8回で限界を迎えるような高負荷でトレーニングを行う必要があります。 - 筋肥大
筋トレの目的が筋肥大なら運動動作が12〜15回で限界を迎えるような中負荷でトレーニングを行う必要があります。 - ダイエット
筋トレの目的がダイエットなら運動動作が20回以上反復可能な低負荷でトレーニングを行う必要があります。
※初心者の方は正確なフォームで10回〜15回程度反復できる重量で行います。
※セット数は3〜4セットくらいで行います。
「軽めの重量で正確に」:
リアレイズの重量設定:
① レイズ系は軽めが基本
・三角筋後部は小さな筋
・軽くても十分に効く
② 一般的な目安
・初心者=2〜4kg
・中級者=4〜8kg
・上級者=8〜12kg
③ フォーム優先
・重量より正確性
・「効かせる」意識
④ 怪我予防
・高重量は禁物
・肩関節を守る
リアレイズと「巻き肩改善」|現代人必須の肩トレ
リアレイズの特別な効果:
「現代人の肩問題」:
現代生活での課題:
① 「巻き肩・猫背」
・長時間座位
・スマホ・PC
・肩が前方に巻く
② 三角筋後部の弱化
・使われない
・萎縮
③ 三角筋前部・大胸筋の過緊張
・常に活動
・短縮
「上位交差症候群」:
巻き肩・猫背の典型パターン:
① 弱化筋(後ろ側)
・三角筋後部(本記事)
・僧帽筋中部・下部
・菱形筋
・深層頚屈筋
② 過緊張筋(前側)
・大胸筋
・小胸筋
・三角筋前部
・胸鎖乳突筋
③ 「クロス」パターン
・後ろの弱化と前の過緊張
・X字に交差
④ 改善法
・後ろを強化=リアレイズ
・前をストレッチ=大胸筋・小胸筋
「リアレイズの3大効果」:
① 三角筋後部の集中強化
・「肩の後ろ」の発達
・立体的な肩
② 巻き肩・猫背の改善
・弱化筋の強化
・姿勢改善
③ 肩関節の機能性UP
・水平外転能力の改善
・怪我予防
「三角筋3レイズ」の使い分け:
レイズ系3種目:
① フロントレイズ
・三角筋前部
・「鎖骨ライン」
・現代人は過剰になりやすい
② サイドレイズ
・三角筋中部
・「肩幅」
・誰もが行うべき
③ リアレイズ(本記事)
・三角筋後部
・「肩の後ろ」+姿勢改善
・現代人必須
「肩トレメニュー」:
理想的な順序:
① シーテッド・ダンベルプレス(プレス系・高重量)
② アーノルドプレス(プレス系・中重量)
③ サイドレイズ(三角筋中部)
④ リアレイズ(三角筋後部・本記事)
⑤ フロントレイズ(三角筋前部)
⑥ シュラッグ(僧帽筋上部)
「現代人必須」の理由:
なぜリアレイズが特別か:
① 美容(外観)
・立体的な肩
・「逆三角形」の完成
② 機能(姿勢)
・巻き肩改善
・肩こり予防
③ 健康(怪我予防)
・肩関節障害予防
・長期的な健康
④ 「現代病」への対抗
・スマホ巻き肩
・PC姿勢
・すべてに有効
「ベントオーバー姿勢の応用」:
筋トレでよく使われる姿勢:
① リアレイズ(本記事)
② ベントオーバーローイング(背中)
③ ベントオーバーフロントレイズ(三角筋前部)
④ ルーマニアンデッドリフト(ハムストリングス)
これらに共通するのが「ベントオーバー姿勢」=腰を守る姿勢。
関連する効果:
① 三角筋後部の発達
・「肩の後ろ」の盛り上がり
② 巻き肩改善
・姿勢改善
③ 肩こり予防
・僧帽筋への負担軽減
④ 「逆三角形」のシルエット
・立体的な肩
⑤ 肩関節障害予防
・動的安定UP
関連する障害の予防:
① 巻き肩・猫背
・三角筋後部強化
・大胸筋ストレッチを併用
② 上位交差症候群
・本種目で改善
③ 肩関節障害
・適切なフォーム
・ローテーターカフ強化を併用
④ 肩こり
・三角筋後部・僧帽筋中部下部強化
YOU TUBE
関連種目
■ フリーウエイト・トレーニング■
【バックプレス・シーテッド・ダンベルプレス・アーノルドプレス・フロントレイズ・ベントオーバーフロントレイズ・サイドレイズ・クロスボディ・デルトレイズ・アップライトローイング・ショルダーシュラッグ・ベントオーバーショルダーシュラッグ・インターナルローテーション・エクスターナルローテーション・スタンディングチューブ・エクスターナルローテーション・プローン・エクスターナルローテーション・プローン・オーバーヘッドエクスターナルローテーション・ショルダーサークル・リバース・サイドレイズ】
■ ボールエクササイズ■
■ チューブエクササイズ■
【エンプティカンエクササイズ・スタンディングチューブリアレイズ・スタンディングチューブ・インターナルローテーション・スタンディングチューブ・エクスターナルローテーション・ホリゾンタルアーム・エクスターナルローテーション】
■ ギムニクエクササイズ■
まとめ
リアレイズについて解説してきた内容を整理します。
・三角筋後部を集中的に鍛える
・「巻き肩改善の現代人必須種目」
・三角筋3部位の中で最も鍛えにくく弱化しやすい
・「単関節運動(アイソレーション種目)」
・足幅肩幅+膝軽く曲げる
・上体を前傾(軽い〜床と平行)
・手のひらが大腿側
・肘を軽く曲げる
・肩甲骨を開いた状態キープ(脊柱に寄せない)
・肩の真横あたりまで持ち上げる
・サムアラウンドグリップ
・肩をすくめない
・フィニッシュで小指やや上向き
・軽重量=胸の動きに合わせて呼吸
・中〜高重量=バルサルバ法
・目的別:筋力6〜8回/筋肥大12〜15回/ダイエット20回以上
・初心者は10〜15回×3〜4セット
・レイズ系は軽めが基本
リアレイズは三角筋後部の集中強化+巻き肩改善+姿勢改善+肩こり予防+上位交差症候群の改善+立体的な肩作りに直結する現代人必須の重要種目です。三角筋3部位の理想バランス(前部:中部:後部 = 1:2:2)を目指し、リアレイズを重点的に取り入れることが現代的な肩トレの正解です。正しいフォーム+肩甲骨を寄せない+肩をすくめない+小指やや上向きでリアレイズの効果を最大化しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/
・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/
・日本整形外科学会「肩関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/
・日本肩関節学会「肩関節疾患」https://katakansetsu.jp/





