プッシュアップ(push up)
プッシュアップとは大胸筋(だいきょうきん)を中心に三角筋(さんかくきん)や上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)などの筋肉を鍛える筋トレ種目です。
プッシュアップは「腕立て伏せ」=自重筋トレの王道=大胸筋作りの代表種目とも呼ばれ、道具なし+場所を選ばず+自重で全身を鍛えられる世界中で最も普及している筋トレ種目です。
プッシュアップは自重、すなわち自分の体重を用います。
そのためある程度筋力がないと実施できないエクササイズでもあります。
特に女性の方ではプッシュアップ(腕立て伏せ)が一回もできないという方も珍しくありません。
その場合、両膝を曲げ床に膝を立てた状態で行うニーリングプッシュアップで対応すると良いと思います。
このページではプッシュアップの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。
この記事で分かること:
・プッシュアップ(腕立て伏せ)で鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と肩甲骨を寄せるコツ
・レベル別バリエーション(初心者〜上級者)
・関連トレーニング種目
強化される筋肉
大胸筋+三角筋前部+上腕三頭筋+体幹を同時刺激
プッシュアップの特徴:
① 主働筋:大胸筋
・胸の主役
・「鎖骨部・胸肋部・腹部」3部位
・本種目で最大の効果
② 協働筋:三角筋前部
・「肩前」
・水平内転を補助
③ 協働筋:上腕三頭筋
・「二の腕後ろ」
・肘関節伸展
④ 補助筋:体幹筋・腹直筋
・姿勢維持
・「体幹安定」
「自重筋トレの王道」:
なぜ世界中で愛用されるか:
① 道具不要
・自重のみ
・「どこでも」実施可能
② 場所を選ばない
・自宅・公園・旅行先
③ 全身を同時に鍛える
・胸+腕+肩+体幹
④ 結果
・「最もポピュラー」な筋トレ
・「腕立て伏せ何回できる?」=筋力の指標
「自重ベンチプレス」:
なぜそう呼ばれるか:
① ベンチプレスとの類似
・動作は同じ(押す)
・大胸筋メイン
② 違い
・ベンチプレス=バーベル
・プッシュアップ=自重+体幹
③ 体幹強化も
・プランクのような体幹維持
・「動的なプランク」
「多関節運動(コンパウンド)」:
プッシュアップの特徴:
① 肩関節+肘関節+肩甲帯
・多関節を同時に動かす
② 大胸筋+三角筋+三頭筋+体幹
・同時刺激
③ 効率的
・「全身トレ」
・短時間で効果
「現代人の大胸筋問題」:
なぜ胸トレが重要か:
① 長時間PC・スマホ
・胸筋の硬化
・「猫背」「巻き肩」
② 解決法
・本種目+胸ストレッチ
・「胸を張る習慣」
関節の動き

肩関節においては水平内転、肘関節においては伸展、肩甲帯においては外転動作が行われます。
強化される筋肉


- 両手の幅を肩幅より2握り拳分だけ広くし、ハの字型に手をつきます。
- 背すじをしっかり伸ばし、肩甲骨を寄せて構えます。
このとき腰が反らないように体幹部をしっかり固定(大胸筋に対する負荷が分散してしまい効果が少なくなるからです)し、両足はそろえておきます。(写真1) - ゆっくりと両肘を曲げて身体を下ろしていきます。
このとき常に肘の真下に手がくるように意識しながら行います。(大胸筋への刺激が逃げてしまうからです) - 胸が床面に軽く触れたら両肘をゆっくりと伸ばし、もとの開始姿勢まで戻ります。(写真2)
「肩甲骨を寄せる+体幹固定」が最重要
プッシュアップの基本姿勢:
① 手の幅
・肩幅+拳2個分
・ハの字に手をつく
② 姿勢
・背すじを伸ばす
・肩甲骨を寄せる
・「胸を張る」
③ 体幹
・腰を反らさない
・「プランク」のような一直線
④ 両足
・そろえる
⑤ 結果
・大胸筋への純粋な刺激
・体幹強化も
「肩甲骨を寄せる」の重要性:
最重要のポイント:
① 肩甲骨を寄せると
・大胸筋がストレッチ
・「胸を張る」姿勢
② 肩甲骨が離れると
・肩で押す動作になる
・三角筋・上腕三頭筋に逃げる
・「肩関節痛」「上腕二頭筋長頭腱炎」リスク
③ 解決法
・「胸を張る」意識
・「肩を後ろに引く」
④ 結果
・大胸筋に集中
・肩関節保護
「肘の真下に手」:
動作軸の維持:
① 下ろした時の肘
・真下に手がくる
・「90°曲げる」
② 肘が広がると
・動作軸が崩れる
・肩関節への負担
③ 結果
・純粋な大胸筋への刺激
「胸が床に軽く触れる」:
可動域の最大化:
① フィニッシュ位置
・胸が床に軽く触れる
・「フル可動域」
② 「ハーフ」プッシュアップは避ける
・「効きが弱まる」
③ 結果
・大胸筋のフル活性化
・柔軟性UP
呼吸方法
- 呼吸は胸の動きに合わせて行います。
すなわち胸が開くときに息を吸い、胸が閉じるときに息を吐きます。
ポイントと注意点※順不同
- 運動動作中どうしても腰が反ってしまう方は腹直筋を充分強化してからこのエクササイズにトライした方が良いと思います。
- 肩部や上腕部への刺激を強めるために手幅を狭めてエクササイズを行っても良いでしょう。
この場合、肘は外側に広げず少し絞り気味に行います。 - 運動動作中はしっかりと顎を引き寄せておきます。
顎を引き寄せておかないと力が十分に発揮できないばかりか首を痛めてしまう恐れもあります。 - 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます。
肩甲骨の寄せが甘いと肩から初動することになり大胸筋に負荷が集中しないだけでなく、肩関節や上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまう恐れがあります。
肩甲骨を寄せていない状態で腕立て伏せを行うと、三角筋や上腕三頭筋に刺激が逃げてしまいます。 - フィニッシュポジションで腕を閉じるような動作を加えることで、大胸筋に対して強い刺激を与えることができます。
「腰が反らない+顎を引く+手幅で部位を変える」
プッシュアップの3大注意:
「腰が反らない」:
体幹固定の重要性:
① 腰が反ると
・大胸筋への負荷分散
・腰痛リスク
② 解決法
・腹直筋を強化+本種目
・プランクで体幹強化
③ 結果
・「一直線の体幹」
・大胸筋に集中
「顎を引く」:
姿勢の維持:
① 顎を引く
・首の安定
・力発揮UP
② 顎が出ると
・首への負担
・「ストレートネック」悪化
「手幅で効く部位が変わる」:
バリエーション:
① ワイド(広め)
・大胸筋メイン
② ノーマル(肩幅+拳2個分)
・大胸筋+三角筋+三頭筋
・「基本」
③ ナロー(狭め)
・上腕三頭筋メイン
・「ダイヤモンドプッシュアップ」
「フィニッシュで腕を閉じる」:
応用テクニック:
① 最後の押し
・腕を内側に絞るイメージ
② 効果
・大胸筋内側強化
・「胸の谷間」UP
反復回数とセット
プッシュアップで何回できるのか、何セットできるのかというのは個人差、特に体重や筋力の差が影響します。
プッシュアップで6回しかできない方にとっては筋力アップになりますが、20回以上できる方にとっては筋持久力にしかなりません。
「目的別の調整」:
レベル別のアプローチ:
① 6〜8回しかできない方
・筋力アップ効果大
・「ニーリング」から始めるのも可
② 10〜15回できる方
・筋肥大に有効
③ 20回以上できる方
・筋持久力のみ
・「デクライン」「片手」などで負荷UP
④ 30回以上できる方
・もはやウォームアップ
・ウエイト追加or高難度バリエーション
「セット数」:
一般的な目安:
① 3〜5セット
・各セット限界まで
② インターバル
・1〜2分
バリエーション
プッシュアップには、たくさんのバリエーションがありますが、このページでは二種目ほどご紹介したいと思います。
- ニーリングプッシュアップ
両膝を曲げて、床に両膝をつけた状態のままプッシュアップを行うバリエーションです。
強度が低いことから腕立て伏せができない初心者の方、女性の方におすすめです。 - ウォールプッシュアップ
壁に両手のひらをつけて顎を壁に近づける動作を行うことで胸の筋肉を鍛えます。
強度が低いことから腕立て伏せができない初心者の方、女性の方におすすめです。
「レベル別」プッシュアップで段階的に強化
プッシュアップの完全レベル一覧:
「レベル1:ウォールプッシュアップ」
・壁を使う
・負荷最弱
・「全くできない人」から
「レベル2:ニーリングプッシュアップ」
・膝立て
・負荷弱
・「初心者・女性」向け
「レベル3:通常のプッシュアップ(本記事)」
・足を伸ばす
・負荷中
・「基本」
「レベル4:デクラインプッシュアップ」
・足を高くする
・負荷強
・大胸筋上部強化
「レベル5:ダイヤモンドプッシュアップ」
・手をダイヤモンド型
・上腕三頭筋強化
「レベル6:片手プッシュアップ」
・片手のみ
・負荷最強
・「上級者」向け
「レベル7:プランシェプッシュアップ」
・足を浮かせる
・「ストリートワークアウト」
「漸進的負荷の原則」:
段階的な強化:
① 軽い種目から
・ウォール→ニーリング
② 慣れたら次のレベル
・通常→デクライン
③ 結果
・挫折しない
・継続できる
プッシュアップと他の胸トレの使い分け
各種目の特性:
「ベンチプレス」:
① 特性
・バーベル+仰向け
・「BIG3」
② 効果
・大胸筋+三頭筋+三角筋
・高重量可
「ダンベルフライ」:
① 特性
・ダンベル+仰向け
② 効果
・大胸筋ストレッチ位
「ペックデックフライ」:
① 特性
・マシン
② 効果
・大胸筋収縮位
「プッシュアップ(本記事)」:
① 特性
・自重
・場所選ばない
② 効果
・大胸筋+三角筋+三頭筋+体幹
・「自重ベンチプレス」
「使い分け」:
① 自宅・道具なし=プッシュアップ(本記事)
② ジム・高重量=ベンチプレス
③ ストレッチ位=ダンベルフライ
④ 収縮位=ペックデックフライ
⑤ すべて併用=完璧な胸
「胸メニュー」での位置づけ:
理想的な順序:
① ベンチプレス(多関節・高重量)
② インクライン・ベンチプレス(大胸筋上部)
③ プッシュアップ(本記事)(自重・フィニッシャー)
④ ダンベルフライ(ストレッチ位)
⑤ ペックデックフライ(収縮位)
⑥ ケーブルクロスオーバー(彫り込み)
「自宅トレ」最強種目:
なぜ自宅トレに最適か:
① 道具不要
・すぐ始められる
② 場所選ばない
・1畳のスペースでOK
③ 全身を鍛える
・胸+腕+肩+体幹
④ コスト0
・ジム不要
⑤ バリエーション豊富
・レベル別に対応
「軍隊・警察・消防」必須:
なぜ採用されるか:
① 体力テスト
・「腕立て伏せ何回」=定番
② 装備携帯不要
・「いつでもどこでも」
③ 全身強化
・機能的な強さ
「スポーツパフォーマンス」:
該当スポーツ:
① 格闘技
・パンチ動作
② バレーボール
・スパイク
③ ラグビー・アメフト
・押す動作
④ 体操競技
・上半身のパワー
「美バスト」効果:
女性にも有効:
① 大胸筋強化
・「バストアップ」UP
・「胸の谷間」UP
② 注意
・軽負荷×高回数=引き締め
・「ニーリング」から始める
「姿勢改善」効果:
健康への効果:
① 胸を張る習慣
・「猫背改善」
② 体幹強化
・「美姿勢」
③ 結果
・「巻き肩予防」
・肩こり予防
「プッシュアップの3大効果」:
① 大胸筋+三角筋+三頭筋+体幹の同時強化
・「自重ベンチプレス」
② 道具不要+場所選ばない
・「自宅トレ」最強
③ レベル別バリエーションで段階的に
・初心者〜上級者まで対応
「初心者の注意点」:
安全な始め方:
① レベル1〜2から
・ウォール+ニーリング
② フォーム優先
・「肩甲骨を寄せる」
・「腰を反らさない」
・「顎を引く」
③ 漸進的負荷
・5回から少しずつ
・「継続が大事」
④ 慣れたら次のレベル
関連する効果:
① 大胸筋の発達
・「美バスト」「胸の谷間」
② 三角筋前部の強化
・「肩前」
③ 上腕三頭筋強化
・「二の腕引き締め」
④ 体幹強化
・プランク効果
⑤ 姿勢改善
・「猫背改善」
⑥ 美姿勢+バストアップ
⑦ 自宅トレ最強
・道具不要
⑧ スポーツパフォーマンスUP
関連する障害の予防+注意:
① 肩関節障害
・肩甲骨を寄せる
・軽い種目から
② 上腕二頭筋長頭腱炎
・肩甲骨の寄せが甘い時のリスク
③ 腰痛
・体幹固定
・腰を反らさない
④ 手首障害
・プッシュアップバー使用も可
YOU TUBE
関連種目
■ フリーウエイト・トレーニング■
【バーベルベンチプレス・ダンベルフライ・インクライン・バーベルベンチプレス(スミスマシン)・インクライン・ダンベルフライ】
■ マシン・トレーニング■
【ペックデックフライ・ケーブルクロスオーバー】
■ 自重トレーニング■
【ウォールプッシュアップ・スキャプラプッシュアップ】
■ ボールエクササイズ■
【ダンベルプレス・ウィズ・バランスボール・メディシンボールプッシュアップ・ボールスクイーズ・インクラインダンベルプレス・ウィズ・バランスボール・リバース・バランスプッシュアップ・バランスプッシュアップ】
まとめ
プッシュアップ(腕立て伏せ)について解説してきた内容を整理します。
・大胸筋+三角筋前部+上腕三頭筋+体幹を鍛える
・「自重筋トレの王道=大胸筋作りの代表種目=自重ベンチプレス」
・「多関節運動(コンパウンド)」+自重
・道具不要+場所選ばない
・手の幅は肩幅+拳2個分+ハの字
・背すじを伸ばす+肩甲骨を寄せる(最重要)
・腰を反らさない=体幹固定
・両足はそろえる
・肘の真下に手=動作軸維持
・胸が床に軽く触れる=フル可動域
・顎を引く
・反動を使わない
・息を吸いながら下ろし、吐きながら押す
・手幅で部位を変える(ワイド=大胸筋/ナロー=三頭筋)
・フィニッシュで腕を内側に絞る=大胸筋内側強化
・レベル別バリエーション(ウォール→ニーリング→通常→デクライン→ダイヤモンド→片手)
・6〜8回=筋力アップ/10〜15回=筋肥大/20回以上=持久力
・3〜5セット
プッシュアップ(腕立て伏せ)は大胸筋+三角筋前部+上腕三頭筋+体幹の同時強化=「自重ベンチプレス」=筋トレの王道+道具不要+場所選ばない(自宅トレ最強)+レベル別バリエーションで段階的に強化+姿勢改善(猫背・巻き肩対策)+美バスト+スポーツパフォーマンスUP+軍隊・警察・消防の基本種目に直結する優れた自重種目です。ベンチプレス(ジム・高重量)+プッシュアップ(自宅・自重・本記事)+ダンベルフライ(ストレッチ)+ペックデックフライ(収縮)を組み合わせることで、胸を多角的に発達させることができます。肩甲骨を寄せる+腰を反らさない+肘の真下に手+胸が床に触れる+顎を引く+レベル別バリエーション活用+正確なフォームでプッシュアップの効果を最大化しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/
・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/
・日本整形外科学会「肩関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/
・日本肩関節学会https://katakansetsu.jp/





