通常、ウエイトトレーニングを行う際はコンパウンド種目(多関節種目:筋肉の動員数が多い種目)を先に実施し、その後、アイソレーション種目(単関節種目:筋肉の動員数が少ない種目)を行います。
なぜならコンパウンド種目はアイソレーション種目に比べ、より高重量を扱うことができるので、筋肉により大きなストレスをかけることができるからです。
しかし、その方法だと鍛えたい筋肉に対し十分に刺激を与えることができない場合があります。今回は【プレイグゾースチョン法】と呼ばれるトレーニングメソッドをご紹介したいと思います。
プレイグゾースチョン法って何?
プレイグゾースチョン法は、別名“予備疲労法”(事前疲労法)といいます。文字通り、トレーニングを行う際に事前に(予備的に)筋肉を疲労させておくトレーニング方法です。
それでは何故、ウエイトトレーニングを行う前に事前に筋肉を疲労させておく必要があるのでしょうか?
誰しもが一度は体験することなのですが、ウエイトトレーニングを行なった際、意図とした筋肉に十分に刺激がいかず、他の部分に刺激が逃げてしまうことがあるからです。例えばバーベルベンチプレスを行った際、主動筋である大胸筋にはあまり刺激がいかず、腕(上腕三頭筋)や肩(三角筋)などに刺激が逃げてしまうのです。
これでは大胸筋の発達を目的としている場合、バーベルベンチプレスを行ってもあまり効果を期待することができません。そこでバーベルベンチプレスを行う前に、あらかじめ他の種目で大胸筋を疲労させておくのです。
なぜ「あえてセオリーの逆」をやると効くのか
通常はコンパウンド種目を先に行うのがセオリーですが、予備疲労法はあえてその逆を行います。先にアイソレーション種目で狙った筋肉だけをピンポイントに疲れさせておくと、続くコンパウンド種目では、その筋肉が「すでに疲れている=最も効きやすい状態」になっています。すると、いつもは腕や肩に逃げていた負荷が、狙った大胸筋に集まりやすくなるのです。これにより、自分の体の中で特に強い筋肉や、意識しにくい大きな筋肉にも、しっかり刺激を届けられます。
プレイグゾースチョン法の具体例
プレイグゾースチョン法はスーパーセット法の応用です。鍛えたい部位のトレーニングを行う場合、先に単関節種目(アイソレーション種目)であらかじめ特定部位を刺激しておき、その後に多関節種目(コンパウンド種目)を行います。下記に具体例をいくつかご紹介します。
- ダンベルフライ(アイソレーション種目)→バーベルベンチプレス(コンパウンド種目) ※大胸筋
- レッグエクステンション(アイソレーション種目)→バーベルスクワット(コンパウンド種目) ※大腿四頭筋
このような流れでウエイトトレーニングを行うことで、意図とした筋肉に対し、十分に刺激を加えることができます。
なお、この2種目は基本的にインターバルをほとんど挟まず、続けて行うのがポイントです。
実施するときの注意点
効果的なメソッドですが、いくつか注意点があります。
① 使用重量は下がる
・先に疲労させているため、コンパウンド種目で扱える重量は通常より下がる。重量よりも「狙った筋肉に効かせること」を優先する
② フォームが崩れやすい
・疲れた状態で高重量のコンパウンド種目を行うとフォームが乱れやすい。中〜上級者向けで、初心者はウエイト落下のないマシンで行うと安全
③ 多用しない
・常用するメソッドではなく、うまく効かせられない種目があるときなどに限定して取り入れるのが無難
まとめ
プレイグゾースチョン法(予備疲労法)は、先にアイソレーション種目で狙った筋肉を疲労させてからコンパウンド種目を行うことで、刺激が逃げがちな大胸筋などのターゲット筋に負荷を集中させるトレーニングメソッドです。ダンベルフライ→ベンチプレスのようにインターバルを挟まず続けて行います。使用重量は下がりフォームも崩れやすいため、中〜上級者が「効かせにくい種目」の対策として、多用しすぎずに取り入れるのが効果的です。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/




