代表的なトレーニングメソッド⑨パーシャル・レンジ法|可動域を絞って筋肉を追い込む部分反復トレーニングを徹底解説

通常、ウエイトトレーニングはフルレンジ・ムーブメント(以下、フルレンジ)といい、“全関節可動範囲”をめいっぱい使って行うのが基本です。しかし、ときに意図的にフルレンジではなく部分的な反復動作を行うことがあります。

これを俗にパーシャルレンジ・ムーブメント(以下、パーシャルレンジ)といいます。今回はこれを応用したトレーニング方法、【パーシャル・レンジ法】をご紹介したいと思います。

パーシャル・レンジ法って何?

先にも述べた通り、通常、ウエイトトレーニングを行う際は関節の可動域をめいっぱい使って行います。

しかし、筋肉は関節の角度によって発揮される力が異なるため(筋肉の長さや重力の関係で)、ときに意図的に関節の角度を制限してトレーニングを行うことがあります。このように部分的な可動域で反復動作を繰り返す方法を“パーシャル・レンジ法”といいます。

通常、パーシャルレンジ法はスティッキングポイント(運動動作において最も立ち往生するポイント)を打破するために用いられることが多いトレーニングメソッドです。

スティッキングポイントとは

スティッキングポイントとは、挙上動作の中で最も負荷が重く感じ、力が止まりやすい関節角度のことです。例えばベンチプレスやバーベルカールでは、可動域の途中にこの「一番きつい位置」があります。フルレンジでは、このスティッキングポイントを通過できないとそれ以上挙げられなくなります。パーシャルレンジ法は、この位置をあえて集中的に攻めたり、逆に避けて高重量を扱ったりすることで、フルレンジだけでは得られない刺激を狙います。

パーシャル・レンジ法の分類

パーシャルレンジ法の導入目的は、大きく3つに分類されます。

  1. スティッキングポイントを打破するため
  2. スティッキングポイント以外の関節角度のさらなる強化を図るため
  3. セットの後半で部分反復動作を行うことで、さらに筋肉を追い込むため

1. スティッキングポイントを打破するため

バックプレス
バックプレス

1.はスティッキングポイントの強化を図るもので、通常、パーシャルレンジ法といえばこれを指すことが多いようです。例えばバーベルカールバックプレスを行う際、肘関節が90°あたりが最も負荷が重たく感じます。しかし、あえてこの負荷が重たく感じる部分(肘関節が90°)での部分反復動作を繰り返し行います。これによってスティッキングポイントの打破を狙うのです。弱点となる角度を直接鍛えることで、フルレンジでの挙上力アップにつながります。

2. スティッキングポイント以外の関節角度のさらなる強化を図るため

バーベルカール
バーベルカール

通常、スティッキング・ポイント以外の関節角度では、スティッキング・ポイントで用いていた負荷よりもより重たい負荷を用いることができます。例えばバーベルカールの場合、肘が伸びたポジションや肘が屈曲されたポジションでは、およそ40%以上も大きなウエイトを扱うことができると言われています。

この性質をうまく利用し、通常で扱う負荷の40%増しでウエイトトレーニングを行うことで、トレーニングのマンネリ化を打破することを目的とします。普段扱えない高重量に筋肉や神経を慣らせるのもメリットです。

3. セットの後半で部分反復動作を行うことで、さらに筋肉を追い込むため

バーベルスクワット
バーベルスクワット

エクササイズの後半部分でパーシャルレンジ法を用いることで、さらに筋肉を追い込むことができます。例えばバーベルスクワットを行う際に、最初はフルレンジで運動動作を行います(膝を深く曲げるということ)。

フルレンジが出来なくなった時点でパーシャルレンジに切り替える(膝を曲げる角度を浅くするということ)ことで、さらに運動動作を行うことが可能になります。このような方法を行うことで、筋肉により大きな刺激を加えることができます。補助者がいない単独のトレーニングでも、安全に限界まで追い込める(オールアウトしやすい)のが利点です。

※ パーシャルレンジ法は、種目ごとにスティッキングポイントの位置を把握する必要があるため、中〜上級者向けのメソッドです。スクワットやベンチプレスなど高重量を扱う種目で行う際は、潰れたときに備えてセーフティーバーを必ず使用しましょう。

まとめ

パーシャル・レンジ法は、可動域を一部に絞って反復することで、スティッキングポイントの打破、高重量を使った別角度の強化、セット後半の追い込みという3つの目的に使えるトレーニングメソッドです。フルレンジが基本ではありますが、目的を明確にして取り入れればマンネリ打破やオールアウトに有効です。種目ごとのスティッキングポイントを理解したうえで、安全に配慮しながら活用しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

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