たとえどんなに優れたトレーニングメソッドを用いたとしても、長期間実施しているとやがて筋力の向上や筋肥大を実感できなくなってしまうことがあります。これを俗にプラトー(停滞期)といいます。
これが長期に渡り続いてしまうと、やがてトレーニングの楽しさが失われ、モチベーションの低下やパフォーマンスの低下などに繋がることもあります。そうならないためにも、定期的(2〜3ヶ月に1度)にトレーニングメソッドを変更するということはとても有効です。
今回は【フォースト・レップ法】と呼ばれるトレーニングメソッドをご紹介したいと思います。
フォースト・レップ法って何?
他者の力を借りて強制的に反復動作を行うことから、フォースト・レップ法と名づけられました。なお、語源は英語の「forced(強制された)+reps(反復)」で、正しくは「フォースド・レップ法」とも表記されます。
フォースト・レップ法は、1セットの運動中に自力での反復動作が困難になった時点で、速やかに補助者がバーベル(あるいはダンベル)を引き上げて、強制的に実施者に2〜3回反復動作を繰り返させるというトレーニングメソッドです。
自力では「もう1回も挙げられない」という限界を超えて筋肉に刺激を与えられるため、確実にオールアウト(限界まで追い込むこと)でき、筋肥大に特に有効とされています。中級者以降で伸び悩む停滞期(プラトー)の打破にも役立ちます。
なぜ限界を超えると筋肉が成長するのか
筋肉は、自力の限界内で止めるよりも、その先まで追い込んだほうが強い刺激を受け、成長のきっかけになります。フォースト・レップ法では、挙げる局面(ポジティブ)だけ補助者が最小限手を貸し、下ろす局面(ネガティブ)は自力でゆっくりコントロールするのがポイントです。筋肉は下ろす動作(伸びながら力を出す)で特に強い負荷を受けるため、ここを自力で耐えることで、限界を超えた刺激を効率よく与えられます。
フォースト・レップ法を実施する上での注意点
フォースト・レップ法はとても高強度なトレーニングメソッドなので、用いるのはメインセットの1〜2セット程度にとどめておいた方が良いと思います。
補助者が補助するのは実施者のスティッキングポイント(運動動作が立ち往生するポイントのこと)のみで、このときにサポートする力は最低限とします。また、反復動作は2〜3回程度に留めます。
もし、このときにフォーストレップが4回以上できてしまうようなら、実施者は力を最大限に発揮する前に自ら反復をやめてしまったことを疑うべきです。本当に最大限の力を発揮しているのなら、フォーストレップが4回以上もできるわけがありません。
フォースト・レップ法は補助者の力が加わるため、ややもすればバーベルやダンベルの軌道がずれてしまい、思わぬ事故に繋がってしまう危険性があります。
シーテッド・ダンベルプレス
特に“シーテッドダンベルプレス”のようにダンベルを用いる種目でフォーストレップ法を用いる場合は、十分に注意を払う必要があります(バランスが崩れやすいため)。よって、このメソッドは補助者自身のウエイトトレーニングの熟練度も要求されます。自分でトレーニングを行なってもいないトレーナーに、フォーストレップを頼むべきではありません。
まとめ
フォースト・レップ法は、自力の限界後に補助者の力を借りて数レップ追加することで、筋肉を確実にオールアウトさせる高強度のトレーニングメソッドです。挙げる局面のみ最小限の補助を受け、下ろす局面は自力で耐えるのがポイントで、停滞期(プラトー)の打破に効果的です。補助者の熟練と安全管理が欠かせないため、メインの1〜2セットに限定し、無理のない頻度で取り入れましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/





