リバース・リストカール(reverse wrist curl)
リバース・リストカールとは主に前腕伸筋群(ぜんわんしんきんぐん)を鍛える筋トレ種目です。
リバース・リストカールは「テニス肘予防の専門種目」と呼ばれる、前腕をベンチに固定して手関節の伸展動作(背屈)でダンベルを巻き上げるアイソレーション種目です。
特に前腕伸筋群11筋を網羅的に鍛えられ、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の予防+前腕の外側ライン作りに直結する重要種目です。
このページではリバース・リストカールの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セット、リストカールとの使い分けまで包括的にご紹介します。
この記事で分かること:
・リバース・リストカールで鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と目的別の重量・回数
・テニス肘予防効果
・関連トレーニング種目
強化される筋肉
前腕伸筋群(腕橈骨筋、長撓側手根伸筋、短撓側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋)
前腕伸筋群11筋を網羅的に強化
リバース・リストカールの特徴:
① 前腕伸筋群11筋
・腕橈骨筋・長撓側手根伸筋・短撓側手根伸筋(橈側)
・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋(尺側)
・回外筋(深層)
・長母指外転筋・短母指伸筋・長母指伸筋・示指伸筋(母指・示指の伸筋)
② 機能
・手関節伸展(背屈)
・指の伸展
・母指の伸展
③ 場所
・前腕の外側(手の甲側)
・「前腕の外側ライン」
「テニス肘との関係」:
前腕伸筋群とテニス肘:
① テニス肘とは
・上腕骨外側上顆炎
・外側上顆に痛み
② 原因
・前腕伸筋群の使い過ぎ
・特に短撓側手根伸筋
・反復ストレス
③ 「予防+リハビリ」
・本種目で前腕伸筋群を強化
・筋力バランス改善
・テニス肘予防
④ 該当する人
・テニス愛好家
・PCマウス使用者
・料理人
・大工
「単関節運動(アイソレーション)」:
リバース・リストカールの特徴:
① 手関節のみを動かす
・前腕伸筋群を選択的に刺激
② リストカールより負荷小
・前腕伸筋群は弱い
・軽重量が必須
③ 「仕上げ種目」
・前腕トレの最後に
・前腕の外側UP
「前腕の外側ライン」の重要性:
なぜ前腕伸筋群を鍛えるか:
① 見える筋
・手の甲側
・「前腕の太さ」を強調
② 屈筋とのバランス
・屈筋優位=テニス肘リスク
・伸筋強化=バランス改善
③ 「ハの字」の前腕
・外側ラインのはっきりした前腕
・立体的
関節の動き

運動の方法


- 床にひざまずき、前腕部をベンチ台に固定します。このとき手のひらが下を向く(アンダーグリップ)ように片手でダンベルを握ります。
- 手の甲を伸ばすようにしながら手首を曲げます。(手関節を掌屈させます)(写真1)
- 前腕をベンチ台にしっかり固定し、手首を中心とした手関節を伸展(背屈)動作を行います。(写真2)
十分に巻き上げたらゆっくりと同じ軌道を通りながらスタート位置まで戻します。 - 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
「アンダーグリップ+前腕固定」が基本
リバース・リストカールの基本姿勢:
① 床にひざまずく
・安定した姿勢
・シーテッド版(座位)も可
② 前腕部をベンチに固定
・手首から先がベンチ外
・前腕は動かさない
③ アンダーグリップ(手のひらが下)
・前腕伸筋群がメイン
・手のひらが上=リストカール(別種目)
④ 結果
・純粋な手関節伸展
・前腕伸筋群に集中
「掌屈→背屈」の2段階動作:
リバース・リストカールの可動域:
① 第1段階:掌屈(手首を曲げる)
・手の甲を伸ばす
・前腕伸筋群がストレッチ
・開始位置
② 第2段階:背屈(手首を反らす)
・手の甲側に持ち上げ
・前腕伸筋群が収縮
・フィニッシュ位置
③ 全可動域を使う
・ストレッチ+収縮
・最大刺激
呼吸方法
- 開始姿勢で息を吸い、息を吐きながらダンベルを巻き上げます。息を吸いながら開始姿勢にダンベルを戻します。
ONE-POINT
- この種目はバーベルを用いて行っても良いです。
- どうしても動作がブレてしまうようであれば、あまったもう片方の手で前腕を固定すると良いでしょう。
「軽重量から」が最重要
リバース・リストカール特有の注意:
① 前腕伸筋群は弱い
・屈筋群より筋力低い
・リストカールより軽め
② 推奨重量
・リストカールの半分から
・「効かせる」のが優先
③ 結果
・テニス肘予防
・怪我予防
・正しいフォーム習得
「バーベル版・ダンベル版」:
実施バリエーション:
① ダンベル版(基本・写真)
・片手ずつ
・左右独立
・マインドマッスルUP
② バーベル版
・両手同時
・効率的
③ 推奨
・初心者=ダンベル片手ずつ
・中・上級者=バーベル両手同時
「もう片方の手で前腕を固定」:
動作の安定化:
① 動作がブレる場合
・反対の手で前腕を押さえる
② 効果
・動作軸の安定
・純粋な手関節伸展
・マインドマッスルUP
反復回数とセット数
目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。
- 筋力アップ=運動動作が8〜10回で限界を迎えるような高負荷
- 筋肥大=運動動作が12〜15回で限界を迎えるような中負荷
- ダイエット・テニス肘予防=運動動作が20回以上反復可能な低負荷
※初心者の方は正確なフォームで15〜20回程度反復できる重量で行います。
※セット数は3〜4セットくらいで行います。
「リストカールより軽め」:
リバース・リストカールの重量設定:
① 前腕伸筋群は弱い
・リストカールの半分
・「効かせる」が優先
② 一般的な目安(片手ダンベル)
・初心者=1〜3kg
・中級者=3〜5kg
・上級者=5〜8kg
③ フォーム優先
・重量より正確性
・「全可動域」を意識
リバース・リストカールとテニス肘予防
本種目の最重要効果:
「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」とは:
代表的な肘の障害:
① 病態
・上腕骨外側上顆の炎症
・前腕伸筋群の起始部
② 症状
・肘外側の痛み
・物を持つと痛む
・ドアノブを回すと痛む
③ 好発する人
・テニス愛好家(バックハンド多用)
・PCマウス使用者
・料理人・大工
・40〜50代に多い
④ 別名
・「テニス肘」
・「マウス肘」
・「外側上顆炎」
「予防+リハビリ」:
リバース・リストカールの効果:
① 前腕伸筋群の強化
・「腱の付着部」を守る
・炎症予防
② 筋力バランス改善
・屈筋優位を改善
・「綱引きバランス」
③ 適切な負荷で実施
・軽重量×高回数
・「機能改善」優先
④ 痛みがあれば即中止
・炎症期は禁忌
・整形外科医に相談
「ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)」との違い:
肘の障害2大疾患:
① テニス肘(外側上顆炎)
・前腕伸筋群の障害
・本種目で予防
② ゴルフ肘(内側上顆炎)
・前腕屈筋群の障害
・リストカールで予防
③ 両方併用が理想
・すべての肘障害予防
「リストカールとの使い分け」:
両種目の特性:
「リストカール」:
・オーバーグリップ=手のひら上
・掌屈動作
・前腕屈筋群
・握力UP
「リバース・リストカール(本記事)」:
・アンダーグリップ=手のひら下
・背屈動作
・前腕伸筋群
・テニス肘予防
「腕トレメニュー」での位置づけ:
理想的な順序:
① 上腕二頭筋種目(バーベルカール等)
② 上腕三頭筋種目(ナロー・ベンチプレス等)
③ ハンマーカール(腕橈骨筋・上腕筋)
④ リストカール(前腕屈筋群)
⑤ リバース・リストカール(本記事)(前腕伸筋群・仕上げ)
「前腕筋」のバランス強化:
完璧な前腕作り:
① 前腕屈筋群=リストカール
・握力UP
・手のひら側
② 前腕伸筋群=リバース・リストカール(本記事)
・テニス肘予防
・手の甲側
③ 腕橈骨筋=ハンマーカール
・前腕の太さ
④ これらすべて
・完璧な前腕
・立体的
「現代人のテニス肘問題」:
なぜ予防が重要か:
① PC・スマホ社会
・マウス使用でテニス肘
・「マウス肘」急増
② キーボード入力
・反復ストレス
・慢性化
③ 解決法
・本種目で予防
・定期的に強化
「スポーツ選手」にも重要:
該当スポーツ:
① テニス
・バックハンドでリスク
② ゴルフ
・スイング動作
③ バドミントン
・スマッシュ動作
④ クライミング
・握り続ける動作
⑤ 武道
・道具を握る動作
「健康寿命」延伸:
加齢との関係:
① 加齢でテニス肘増加
・40〜50代に多発
・筋力低下
② 予防
・定期的な前腕トレ
・本種目が最適
③ 結果
・長期的な活動性UP
・「健康寿命」延伸
「自宅でも可能」:
ホームジムでの活用:
① 必要な道具
・ダンベル1〜2kg
・椅子・ベンチ
② 効果
・ジムなしでも前腕伸筋強化
・テレビを見ながらでも可
③ 推奨
・毎日少しずつでもOK
・「効かせる」意識
関連する効果:
① 前腕伸筋群11筋の発達
・「前腕の外側ライン」UP
② テニス肘予防
・本種目の最大効果
③ マウス肘・ゴルフ肘予防
・すべての肘障害に有効
④ 筋力バランス改善
・屈筋+伸筋のバランス
⑤ スポーツパフォーマンスUP
・テニス・ゴルフ・武道
関連する障害の予防:
① テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
・本種目の最重要効果
② 手関節障害
・軽重量で実施
③ 腱鞘炎
・適切な負荷で予防
④ 「マウス肘」
・PCユーザー必須
YOU TUBE
関連種目
■ フリーウエイト・トレーニング■
【リストカール・ハンマーカール・リバースカール・バーベルカール・ダンベルカール・プリチャーカール・コンセントレーションカール】
■ マシントレーニング■
【ケーブルカール・マシンカール】
■ 自重トレーニング■
【チンニング・デッドリフト】
■ その他■
【グリッパー・ハンドグリップ】
まとめ
リバース・リストカールについて解説してきた内容を整理します。
・前腕伸筋群11筋を鍛える
・「テニス肘予防の専門種目」
・「単関節運動(アイソレーション種目)」
・床にひざまずく(または座位)
・前腕をベンチに固定
・アンダーグリップ(手のひら下向き)
・手関節掌屈=開始位置(手の甲を伸ばす)
・手の甲側に持ち上げ=背屈
・巻き上げで吐き、戻す時に吸う
・目的別:筋力8〜10回/筋肥大12〜15回/テニス肘予防20回以上
・初心者は15〜20回×3〜4セット
・軽重量で高回数=前腕伸筋の特性
・ダンベル版・バーベル版もあり
・もう片方の手で前腕を固定も有効
・リストカールと併用が理想
リバース・リストカールは前腕伸筋群11筋の集中強化+テニス肘予防+「前腕の外側ライン」作り+筋力バランス改善+マウス肘予防に直結する重要種目です。リストカール(屈筋)+リバース・リストカール(伸筋・本記事)の組み合わせで、前腕を多角的に発達させテニス肘・ゴルフ肘の両方を予防することができます。前腕固定+アンダーグリップ+全可動域+軽重量で高回数+筋力バランスでリバース・リストカールの効果を最大化しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/
・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害・テニス肘」http://www.rinspo.jp/
・日本整形外科学会「肘関節疾患・上腕骨外側上顆炎」https://www.joa.or.jp/
・日本手外科学会https://www.jssh.or.jp/





