シーテッド・レッグカール(seated leg curl)
シーテッド・レッグカールとは主にハムストリングス、腓腹筋(ひふくきん)を鍛える筋トレ種目です。
シーテッド・レッグカールは「座位版レッグカール=ハムをストレッチ位で効かせる種目」と呼ばれる、専用のマシンに座って両膝を曲げるハムストリングス集中種目です。
通常のプローン(うつ伏せ)レッグカールと異なり、「座位+股関節屈曲位」で動作することで、「ハムストリングスがストレッチされた状態」からカールできるのが最大の特徴。「ハム上部にも効く+ストレッチ位での負荷最大化+ハム3筋を多角的に刺激」に直結する、ボディビル系トレーニーやアスリートに愛用されるフィニッシャー種目です。
このページではシーテッド・レッグカールの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セット、プローン版との使い分けまで包括的にご紹介します。
この記事で分かること:
・シーテッド・レッグカールで鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と目的別の重量・回数
・プローン版との違い・使い分け
・関連トレーニング種目
強化される筋肉
ハムストリングス3筋+腓腹筋をストレッチ位で集中刺激
シーテッド・レッグカールの特徴:
① 主働筋:ハムストリングス3筋
・「もも裏」
・膝関節屈曲の主役
・本種目で最大の効果
② 協働筋:腓腹筋
・「ふくらはぎ上部」
・膝関節屈曲を補助
「ハムストリングス」の解剖:
「もも裏」の3筋:
① 大腿二頭筋
・外側
・長頭・短頭の2部位
② 半腱様筋
・内側表層
③ 半膜様筋
・内側深層
「ハムストリングス」の機能:
人体での役割:
① 膝関節屈曲
・本種目の主動作
② 股関節伸展
・デッドリフト系の主動作
③ 「2関節筋」
・膝+股関節を跨ぐ
・大腿二頭筋短頭以外
「股関節屈曲位=ハムストレッチ位」:
シーテッド・レッグカールの核:
① 座位=股関節屈曲位
・「股関節が約90°」
・ハムが既に伸長
② プローン(うつ伏せ)との違い
・うつ伏せ=股関節伸展位=ハム弛緩
・座位=股関節屈曲位=ハムストレッチ
③ 効果
・ハムがストレッチ位から動作開始
・「ストレッチ位での負荷最大化」
・筋肥大効果UP
④ 「ハム上部」も効く
・2関節筋の特性
・ストレッチ位で活性化
「ストレッチ位での負荷最大化」:
筋肥大の重要原理:
① 「ストレッチ位での負荷」
・近年の研究で重要視
・筋肥大効果大
② シーテッド・レッグカールの利点
・ハムが伸びた状態から負荷
・「効かせる」感覚抜群
③ 結果
・ハム全体の発達UP
・「立体的なもも裏」
「単関節運動(アイソレーション)」:
シーテッド・レッグカールの特徴:
① 膝関節屈曲のみ
・ハムストリングスを選択的に刺激
② デッドリフトとの違い
・デッドリフト=多関節(股関節も)
・本種目=膝関節のみ
③ 結果
・ハムストリングスへの集中
・「効かせる」感覚UP
「ハム肉離れ予防」効果:
スポーツ選手必須:
① ハム肉離れ
・陸上選手・サッカー選手に多発
② 予防
・本種目で強化
・「ストレッチ位」での負荷が有効
③ 結果
・怪我予防
・パフォーマンス維持
関節の動き

運動の方法


- マシンのカム軸と膝が横並びになるようにしっかりと腰掛けます。このとき、お尻と背もたれの間に隙間が出来てしまっているようなら背もたれの位置を変える必要があります。
- アンクルパッドがアキレス腱よりやや上方にくるように調節します。(写真1)
- 膝関節の部分で弧を描くようにしながら両膝をゆっくりと曲げていきます。(写真2)
- セカンドポジションで大腿部後面に十分に収縮感を得たらゆっくりと開始姿勢に戻ります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
「カム軸と膝を横並び+お尻と背もたれを密着」が基本
シーテッド・レッグカールの基本セッティング:
① マシンのカム軸と膝
・横並びに位置調整(最重要)
・動作軸の一致
② お尻と背もたれ
・隙間を作らない
・背もたれ位置を調整
③ アンクルパッドの位置
・アキレス腱よりやや上方
・足首より少し上
④ 太もも固定パッド
・大腿部上面に乗せる
・体が浮かないように
⑤ 結果
・ハムストリングスへの純粋な刺激
・膝関節への負担軽減
「弧を描く動作」:
動作の本質:
① 膝関節を中心
・「円を描く」動作
・下方への弧
② 脚の軌道
・膝伸展位→屈曲位
・ハム短縮
③ 効果
・純粋な膝関節屈曲
・ハム活性化
「収縮感を得る」:
フィニッシュ位置:
① 最大屈曲位
・ハムを最大収縮
・「ピーク収縮」
② 1〜2秒キープ(推奨)
・等尺性収縮
・マインドマッスルUP
③ ゆっくり戻す
・エキセントリック収縮
・「ストレッチ位」を活用
「太ももが浮かない」:
最重要の注意点:
① 太ももが浮くと
・反動(チーティング)
・ハムへの刺激不足
② 解決法
・太もも固定パッドをしっかり
・お尻と背もたれ密着
・体幹固定
呼吸方法
- 開始姿勢で息を吸い、息を吐きながら運動動作を行います。膝を十分に曲げたら息を吸いながら開始姿勢に戻ります。
ONE-POINT
- プローン(うつ伏せ)タイプのレッグカールに比べ、シーテッドタイプのレッグカールの方がストレッチポジションのときに負荷がかかりやすくなります。
- 運動動作中につま先を外側に向けておくと(股関節を外旋させる)大腿二頭筋に、つま先を内側に向けておくと(股関節を内旋させる)半腱様筋に効きやすくなります。
「つま先の向き」でハム3筋を狙い撃ち
シーテッド・レッグカールの最重要テクニック:
「つま先を外側」:
大腿二頭筋(外側)強化:
① 動作
・つま先を外向き
・股関節外旋
② 効果
・大腿二頭筋に強い刺激
・「もも裏外側」UP
「つま先を内側」:
半腱様筋・半膜様筋(内側)強化:
① 動作
・つま先を内向き
・股関節内旋
② 効果
・半腱様筋・半膜様筋に強い刺激
・「もも裏内側」UP
「3バリエーション併用」:
完璧なハムストリングス作り:
① 通常(つま先正面)
・ハム3筋均等
② つま先外向き
・大腿二頭筋強化
③ つま先内向き
・半腱様筋・半膜様筋強化
④ 結果
・ハム全体を多角的に発達
「ストレッチ位の活用」:
シーテッド・レッグカールならではのコツ:
① 戻し動作(エキセントリック)
・2〜3秒かけてゆっくり
・ハムが最大伸長するまで
② 効果
・「ストレッチ位での負荷」最大化
・筋肥大効果UP
・柔軟性UP
③ 重要
・「ハム肉離れ予防」
・「美脚」UP
反復回数とセット数
目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。
- 筋力アップ=運動動作が8〜10回で限界を迎えるような高負荷
- 筋肥大=運動動作が12〜15回で限界を迎えるような中負荷
- ダイエット・もも裏引き締め=運動動作が15〜20回反復可能な低負荷
※初心者の方は正確なフォームで12〜15回程度反復できる重量で行います。
※セット数は3〜4セットくらいで行います。
「中重量×中回数」が原則:
シーテッド・レッグカールの重量設定:
① 単関節種目
・軽中重量+「効かせる」
② 一般的な目安
・初心者=15〜25kg
・中級者=25〜45kg
・上級者=45〜70kg
③ フォーム優先
・重量より正確性
・「ストレッチ位」を意識
シーテッド・レッグカールとプローン・レッグカールの使い分け
両種目の特性:
「プローン・レッグカール(うつ伏せ)」:
① 特性
・うつ伏せ
・股関節伸展位
② 効果
・ハム下部メイン
・「収縮位」で負荷最大
・2関節筋として弛緩位から動作
「シーテッド・レッグカール(本記事)」:
① 特性
・座位
・股関節屈曲位
② 効果
・ハム上部にも効く
・「ストレッチ位」で負荷最大
・2関節筋としてストレッチ位から動作
「両方併用」が理想:
完璧なハム作り:
① ストレッチ位=シーテッド・レッグカール(本記事)
・ハム上部強化
・筋肥大効果大
② 収縮位=プローン・レッグカール
・ハム下部強化
・「ピーク収縮」
③ 結果
・ハム全体を全可動域で発達
「ハムストリングス3部位の使い分け」:
完璧なハム作り:
① ハム上部(坐骨結節付近)
・シーテッド・レッグカール(本記事)
・スティッフレッグド・デッドリフト
・ルーマニアンデッドリフト
② ハム中部
・デッドリフト
・レッグカール
③ ハム下部(膝付近)
・プローン・レッグカール
・シーテッド・レッグカール(本記事)
「下半身メニュー」での位置づけ:
理想的な順序:
① デッドリフト(多関節・最高重量)
② バーベルスクワット(多関節・両脚)
③ レッグプレス(マシン・高重量)
④ ルーマニアンデッドリフト(ハム全体)
⑤ レッグエクステンション(大腿四頭筋)
⑥ シーテッド・レッグカール(本記事)(ハム・ストレッチ位・仕上げ)
「レッグエクステンションとのスーパーセット」:
なぜ拮抗筋をペアで鍛えるか:
① 大腿四頭筋(前面)
・レッグエクステンション
② ハムストリングス(後面)
・シーテッド・レッグカール(本記事)
③ 拮抗筋
・互いに対をなす筋
④ 効果
・大腿部の発達
・「効率的なトレ」
・パンプアップUP
「スポーツパフォーマンス」:
該当スポーツ:
① 陸上競技(短距離・跳躍)
・ハム上部がエンジン
② サッカー
・キック・スプリント
③ ラグビー・アメフト
・タックル・スプリント
④ パワーリフティング
・デッドリフト補助
⑤ ボディビル
・ハム3部位の発達
「ハム肉離れ予防」:
スポーツ選手必須:
① ハム肉離れ
・陸上選手・サッカー選手に多発
② シーテッド版の利点
・「ストレッチ位での負荷」
・肉離れが起こりやすい位置を強化
③ ノルディックハムストリングス
・本種目と併用
・「世界の予防プログラム」
④ 結果
・怪我予防
・パフォーマンス維持
「美脚」効果:
女性にも有効:
① 「もも裏引き締め」
・ハム強化
・「セルライト」対策
② 「メリハリのある脚」
・もも前+もも裏のバランス
③ 「ヒップとの境目」
・ハム上部=美尻のキー
「リハビリ・障害予防」:
医療現場での活用:
① ACL(前十字靭帯)損傷後のリハビリ
・ハム強化
・「ハム/大腿四頭筋比」改善
② 膝関節安定
・大腿四頭筋とのバランス
③ ハム肉離れ後のリハビリ
・軽負荷から段階的に
・ストレッチ位での負荷慎重に
「現代人のハム弱化問題」:
なぜハム強化が重要か:
① 長時間座位
・ハム短縮+弱化
・「もも裏のたるみ」
② 解決法
・本種目+ストレッチ
・定期的に
③ 結果
・「もも裏引き締め」
・姿勢改善
「シーテッド・レッグカールの3大効果」:
① ハムストリングスの集中強化+ストレッチ位での負荷最大化
・筋肥大効果大
② ハム上部にも効く
・2関節筋特性を活用
③ つま先の向きで部位を切り替え
・大腿二頭筋/半腱様筋・半膜様筋
「初心者の注意点」:
安全な始め方:
① 軽重量から
・10〜20kg程度
・フォーム習得優先
② 漸進的負荷
・2.5〜5kgずつUP
③ フォーム優先
・「カム軸と膝」を合わせる
・「お尻と背もたれ密着」
・「太ももが浮かない」
④ ストレッチ位を活用
・ゆっくり戻す
関連する効果:
① ハムストリングス3筋の発達
・「もも裏」UP
② ストレッチ位での負荷最大化
・筋肥大効果大
③ ハム上部にも効く
・2関節筋特性
④ 腓腹筋強化
・ふくらはぎ上部
⑤ ハム/大腿四頭筋比改善
・膝の安定
⑥ ハム肉離れ予防
・スポーツ選手必須
⑦ もも裏引き締め+美脚
⑧ スポーツパフォーマンスUP
関連する障害の予防+注意:
① 膝関節障害
・カム軸と膝を合わせる
・軽重量から
② ハム肉離れ
・ウォームアップ必須
・本種目で予防+ストレッチ位は慎重に
③ 腰痛
・お尻と背もたれ密着
・反動禁止
YOU TUBE
関連種目
■ フリーウエイト・トレーニング■
【バーベルスクワット・フロントスクワット・デッドリフト・ルーマニアンデッドリフト・スティッフレッグド・デッドリフト・ヒップスラスト・フォワードランジ・バックランジ・ブルガリアンスクワット】
■ マシン・トレーニング■
【レッグカール(プローン)・スタンディングレッグカール・レッグエクステンション・レッグプレス・ヒップアブダクション・ヒップアダクション・バックエクステンション】
■ 自重トレーニング■
【ノルディックハムストリングス・ヒップリフト・グルートブリッジ・シングルレッグデッドリフト】
まとめ
シーテッド・レッグカールについて解説してきた内容を整理します。
・ハムストリングス3筋(大腿二頭筋+半腱様筋+半膜様筋)+腓腹筋を鍛える
・「座位版レッグカール=ハムをストレッチ位で効かせる種目」
・「単関節運動(アイソレーション種目)」+マシン
・マシンのカム軸と膝が横並び(最重要)
・お尻と背もたれを密着
・アンクルパッドがアキレス腱よりやや上方
・太もも固定パッドで体を固定
・膝関節を中心に弧を描く動作
・両膝をゆっくり曲げる
・セカンドポジションで大腿部後面の収縮感
・1〜2秒キープ(推奨・等尺性収縮)
・ゆっくり戻す(エキセントリック収縮・ストレッチ位活用)
・太ももが浮かない(最重要)
・つま先外向き=大腿二頭筋強化
・つま先内向き=半腱様筋・半膜様筋強化
・反動を使わない
・息を吐きながら巻き上げる、吸いながら戻す
・目的別:筋力8〜10回/筋肥大12〜15回/引き締め15〜20回
・初心者は12〜15回×3〜4セット
・軽重量から
・プローン・レッグカールと併用で全可動域強化
シーテッド・レッグカールはハムストリングス3筋への集中強化+「ストレッチ位での負荷最大化」=筋肥大効果大+ハム上部にも効く(2関節筋特性)+つま先の向きで部位切り替え+ハム肉離れ予防+デッドリフトの補助種目+もも裏引き締め=美脚+ACL損傷予防+スポーツパフォーマンスUPに直結する優れたハムマシン種目です。プローン・レッグカール(収縮位・ハム下部)+シーテッド・レッグカール(ストレッチ位・ハム上部・本記事)+ルーマニアンデッドリフト(ハム全体)を組み合わせることで、ハムを全可動域で多角的に発達させることができます。カム軸と膝を合わせる+お尻と背もたれ密着+太ももが浮かない+つま先の向きで部位切り替え+ストレッチ位を活用+ゆっくり丁寧に+正確なフォームでシーテッド・レッグカールの効果を最大化しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/
・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/
・日本整形外科学会「膝関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/
・日本膝関節学会https://www.jpn-knee.org/





