ウエイトトレーニングをひたすらやり続けても、必ずそう遠くない将来、頭打ちが訪れます。これを俗に『プラトー(停滞期)』といいます。
筋肉は刺激に対し非常に順応性がある組織なので、たとえ10RM法などを用い、重量に絶えず変化を与えても、すぐ刺激に慣れていってしまいます。そのためプラトー状態(停滞期)に陥ってしまったら、トレーニング方法に変化をつけなければなりません。
今回はトレーニングメソッドの中の代表的なシステム、【スーパーセット法】についてご紹介したいと思います。
スーパーセット法って何?
スーパーセット法はトレーニングメソッドの一つで、拮抗する二つの筋肉を休みなく連続して鍛えるという方法です。
例えば、太ももの前面に対して後面、胸に対して背中、上腕の前面に対して後面といったように、2種類の拮抗筋となる筋群を組み合わせて、かつ、2種目を休憩(レストインターバル)なし、あるいは短めにして連続してウエイトトレーニングを行います。スーパーセットは2種目の運動を行って初めて一つの単元とします。
また、拮抗筋を組むことで交互に“押す動作”、“引く動作”の刺激を与えることができるので、思わぬ相乗効果を得ることも期待できます。
具体例をあげるとベンチプレスの場合、背中の筋肉が胸の筋肉の動きを抑制することがあります。そこでベンチプレスの前に背中のエクササイズを行うことで背中の抑制を取り除くことができるので(相反抑制)、かえって胸の筋肉の能力を引き出すことができるようになるのです。
また、通常の1セットごとにレストインターバルを挟むという方法より、拮抗する筋群を1単元とするので時間を短縮することもできるため、血液循環を促す効果(筋持久力や心肺持久力の向上)が期待できます。
なぜ拮抗筋を組むと効果的なのか
ポイントは、片方の筋肉を鍛えている間、その拮抗筋(反対側の筋肉)は休んで回復できるという点です。例えば上腕二頭筋を鍛えている間は上腕三頭筋が休めるため、休憩を挟まなくても交互に効率よく追い込めます。
さらに、人の体には一方の筋肉が縮むときに反対側の筋肉がゆるむ「相反抑制」という仕組みがあります。先に拮抗筋を動かしておくと、続く主動筋の動きを邪魔する力が抜け、本来の力を発揮しやすくなるのです。こうした性質により、スーパーセット法は「時短」「筋力バランスの調整」「相乗効果による出力アップ」を同時に狙えます。
スーパーセット法の分類と具体例
スーパーセットは下記のように二種類に分類することができます。
- 主動筋、拮抗筋を休みなく連続して負荷をかける方法。
- 同一部位を二つの異なった運動種目で負荷をかける方法。
通常、スーパーセットとは1.の『主動筋、拮抗筋を休みなく連続して負荷をかける方法』を指します。
例えば“バーベルカール(上腕二頭筋、上腕筋などを鍛えるエクササイズ)”を行ったあとにフレンチプレス(上腕三頭筋、肘筋などの上腕伸筋を鍛えるエクササイズ)をすぐさま行います。
その他に“バーベルベンチプレス(大胸筋を鍛えるエクササイズ)”に対して“ベントオーバーローイング(僧帽筋中部、菱形筋、広背筋、大円筋を鍛えるエクササイズ)”、“レッグエクステンション(大腿四頭筋を鍛えるエクササイズ)”に対して“レッグカール(ハムストリングを鍛えるエクササイズ)”などといった組み合わせが考えられます。
■スーパーセットの組み合わせ例
バーベルベンチプレス
ベントオーバーローイング
もう一つのスーパーセット法
2.同一部位を二つの異なった運動種目で負荷をかける方法もスーパーセット法と呼びますが、ややこしくなるので、このサイトでは“コンパウンドセット法”と呼ぶことにします。
このメソッドは、例えば三角筋を鍛える場合、“バックプレス”を行ったあとに“アップライトローイング”をすぐさま行うというやり方です。この場合、1種目目で補助筋として働く上腕三頭筋を2種目目では使わない組み合わせで行うと、とても効果的です。
この他、3種目合わせる方法(トライセット)と4種目合わせる方法(ジャイアントセット)などがありますが、これらのメソッドについてはまたの機会に取り上げたいと思います。
まとめ
スーパーセット法は、拮抗する2つの筋肉を休みなく連続して鍛えるトレーニングメソッドです。押す/引くを交互に行うことで、片方を休ませながら効率よく追い込め、相反抑制による出力アップや時間短縮、筋持久力・心肺持久力の向上も期待できます。バーベルカール→フレンチプレスのように拮抗筋を組み合わせて、停滞期(プラトー)の打破に役立てましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/






