チンニング(懸垂)の正しいフォーム|広背筋を自重で逆三角形に鍛える筋トレの王道を徹底解説

チンニング(chinning)

チンニングとは主に広背筋(こうはいきん)、大円筋(だいえんきん)、僧帽筋(そうぼうきん)、上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)を中心にを鍛える筋トレ種目です。
チンニングは「懸垂=自重背中トレの王者=逆三角形作りの代表種目」とも呼ばれ、頭上のバーにぶら下がって体を引き上げる背中の代表的な自重種目です。「自重のラットプルダウン=背中のキング種目」と言われ、世界中の軍隊・警察・消防・体操・クライミング・ボディビルで採用される名種目です。
チンニングは自重、すなわち自分の体重を用います。
そのためある程度筋力がないと実施できないエクササイズでもあります。
一回もできないという方はラットプルダウンなどのエクササイズで代用すると良いと思います。
このページではチンニングの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像つきで解説します。
また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セットをあわせてご紹介します。

この記事で分かること:

・チンニング(懸垂)で鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と3バリエーション(オーバー・アンダー・パラレル)
・逆三角形作り効果
・関連トレーニング種目

強化される筋肉

muscle2

広背筋、大円筋、大胸筋、僧帽筋、菱形筋、三角筋、上腕二頭筋

背中の主要7筋+上腕二頭筋を同時刺激

チンニングの特徴:

① 主働筋:広背筋
・背中の最大筋
・「逆三角形」の主役
・本種目で最大の効果

② 主働筋:大円筋
・広背筋の補助
・「脇下の広がり」

③ 主働筋:上腕二頭筋
・引く動作の補助
・肘関節屈曲

④ 協働筋:僧帽筋+菱形筋
・肩甲骨内転+下方回旋
・背中中央

⑤ 補助筋:三角筋後部・大胸筋
・動作の補助

「自重背中トレの王者」:

なぜキング種目か:

① 自重で全身を引き上げる
・体重60kg=60kg負荷
・「最高難度の自重種目」

② 道具不要
・バー1本あればOK

③ 軍隊・警察・消防の基準種目
・「懸垂何回」=筋力の指標
・世界共通

④ 体操・クライミングの基礎
・体操競技の基本
・クライマー必須

「逆三角形」作りの本質:

ボディメイクの核心:

① 「逆三角形」とは
・広い肩+くびれたウエスト
・「Vシェイプ」

② 主要因
・広背筋+大円筋の発達
・本種目で集中強化

③ 結果
・「男らしい体型」
・「美しい後ろ姿」

「自重のラットプルダウン」:

ラットプルダウンとの関係:

① 動作は同じ
・「上から引き下ろす」
・広背筋メイン

② 違い
・ラットプルダウン=マシン+負荷調整可
・チンニング(本記事)=自重+最高負荷

③ 推奨
・初心者=ラットプルダウンから
・慣れたらチンニング

「多関節運動(コンパウンド)」:

チンニングの特徴:

① 肩関節+肘関節+肩甲帯
・多関節を同時に動かす

② 背中+上腕+体幹を同時刺激
・効率的

③ 高負荷
・自重=最高負荷
・筋肥大効果大

関節の動き

kata2 hiji1 kenkou3 kenkou2

肩関節においては内転、肘関節においては屈曲、肩甲帯においては内転及び下方回旋が行われます。

運動方法

チンニング (写真1)ファーストポジション

チンニング (写真2)セカンドポジション

  1. バーの握り幅は肩幅より握りこぶし2個分ほど広めに握り、オーバーグリップ(順手)で握ります。
    腕を伸ばしチンニング・バーにぶら下がります。(写真1)
  2. 肘を外側に張り、肩甲骨をしっかり寄せながらバーを首の付け根、あるいは顎先まで引き付けます。
    このとき、身体はできるだけ猫背姿勢にならないように胸を張りながら行います。(写真2)
  3. バーを首の付け根、あるいは顎先まで十分に引き付けたら重力に逆らいながらゆっくりと開始姿勢に戻します。(肘を伸ばしきらないように気をつけてください)

「肩甲骨を寄せる+胸を張る」が最重要

チンニングの本質:

① グリップ
・肩幅+拳2個分広め
・オーバーグリップ(順手)

② 開始位置(写真1)
・腕を伸ばす
・バーにぶら下がる
・「デッドハング」

③ 引き上げ動作
・肘を外側に張る
・肩甲骨を寄せる(最重要)
・「胸を張る」

④ フィニッシュ位置(写真2)
・バーが首の付け根or顎先まで

⑤ 結果
・広背筋への純粋な刺激
・「効かせる」感覚UP

「肩甲骨主導の動作」:

最重要のテクニック:

① 動作の順序
・まず肩甲骨を下方+内側に
・次に肘を引き下ろす

② 「肩甲骨主導」
・肩甲骨が動いてから腕が動く
・「広背筋」から起動

③ 失敗例
・腕だけで引く
・上腕二頭筋ばかりに効く

④ 結果(正しい場合)
・広背筋+大円筋に集中
・「背中で引く」感覚

「胸を張る+猫背NG」:

姿勢の維持:

① 胸を張る
・肩甲骨を寄せやすく
・「背中の翼」が広がる

② 猫背になると
・広背筋への刺激不足
・「腕で引く」動作

③ 解決法
・「胸をバーに突き出す」意識
・顎を上げる

「肘を伸ばしきらない」:

戻し動作の注意:

① 完全に伸ばす(デッドハング)
・毎回では負荷が抜ける
・肘関節への負担

② 一歩手前で止める(推奨)
・常にテンションを維持
・広背筋を効かせ続ける

③ ただしフル可動域も重要
・セット最終回では完全に伸ばす
・柔軟性UP

呼吸方法

  • 呼吸は胸の動きに合わせて行います。
    すなわち胸が開くときに息を吸い、胸が閉じるときに息を吐き出します。

ポイントと注意点※順不同

  • グリップの握り方は親指を外して握る『サムレスグリップ』を用いるようにします。(前腕部のストレスを少なくするためです)
  • フィニッシュでは肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せ、背筋群の刺激を高めるとともに腕に力が逃げないようにします。
  • 背中を鍛えるのにはオーバーグリップのチンニングが最も適しています。
    他のバリエーションでも背中は鍛えられますが上腕二頭筋の関与が大きくなってしまいます。

「サムレスグリップ+反動を使わない」

チンニングの2大ポイント:

「サムレスグリップ」:

なぜ親指を外すか:

① サムアラウンドグリップ(通常)
・親指を巻きつける
・前腕屈筋群が活動

② サムレスグリップ(推奨)
・親指を外す
・4本指でフック

③ 効果
・前腕屈筋群を使わない
・広背筋・大円筋に集中
・「効かせる」感覚UP

④ 注意
・グリップが外れないように
・軽い体重から練習

「反動を使わない(キッピングNG)」:

最重要の注意:

① 反動(キッピング・チーティング)
・体を振って引き上げる
・「クロスフィット」では別技法

② 反動を使うと
・広背筋への刺激不足
・怪我のリスク

③ 解決法
・体幹を固定
・「ストリクト」(厳格)に
・ゆっくり丁寧に

「最後のフィニッシュで肩甲骨を引き寄せる」:

応用テクニック:

① フィニッシュで
・肩甲骨を最大に引き寄せる
・「ピーク収縮」

② 効果
・広背筋への刺激最大化
・背中の厚みUP

バリエーション

  • オーバーグリップ(順手)
    プルアップとも呼ばれるチンニングの基本バリエーションです。
    主に背筋群に対して効果的です。
  • アンダーグリップ(逆手)
    チンアップとも呼ばれるチンニングのバリエーションです。
    主に背筋群と上腕二頭筋に効果的です。
  • パラレルバーグリップ
    手の平がお互いに向き合うようにグリップを握るチンニングのバリエーションです。
    主に背筋群、取り分け僧帽筋中部、菱形筋群への刺激が強く、上腕二頭筋に対しても効果的です。

「3バリエーション」の使い分けで多角的に攻める

チンニングの完全網羅:

① プルアップ(オーバーグリップ・順手・本記事)
・肩幅広め
・背筋群メイン
・「逆三角形」作り
・最も難度高

② チンアップ(アンダーグリップ・逆手)
・肩幅or狭め
・背筋群+上腕二頭筋
・「力こぶ」強化
・プルアップより楽

③ パラレルバーグリップ(中性グリップ)
・手のひら向き合う
・背筋群+僧帽筋中部+菱形筋+上腕二頭筋
・「背中の厚み」
・肩関節に優しい

④ 推奨
・初心者=チンアップから(最も楽)
・中・上級者=3種を組み合わせ
・「立体的な背中」

「プルアップ vs チンアップ」の違い:

世界共通の用語:

① プルアップ(Pull-up)
・順手
・軍隊・体力テストの基準
・「真の懸垂」

② チンアップ(Chin-up)
・逆手
・「Chin」=顎=顎をバーに乗せる
・上腕二頭筋も強い

③ 使い分け
・背中メイン=プルアップ
・背中+腕=チンアップ

反復回数とセット数

目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。

  • 筋力アップ
    筋トレの目的が筋力アップなら運動動作が6〜8回で限界を迎えるような高負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • 筋肥大
    筋トレの目的が筋肥大なら運動動作が12〜15回で限界を迎えるような中負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • ダイエット
    筋トレの目的がダイエットなら運動動作が20回以上反復可能な低負荷でトレーニングを行う必要があります。

※初心者の方は正確なフォームで10回〜15回程度反復できる重量で行います。
※セット数は3〜4セットくらいで行います。

「自重or加重の調整」:

レベル別アプローチ:

① 0〜5回しかできない方
・「アシスト」=ゴムバンドで補助
・「ネガティブのみ」=戻し動作のみ実施
・またはラットプルダウンから

② 6〜10回できる方
・自重のまま
・筋力アップ

③ 12〜15回できる方
・「ウエイテッドチンニング」
・ディッピングベルトに重り

④ 20回以上できる方
・「片手チンニング」
・「マッスルアップ」へ

チンニングと他の背中種目の使い分け

各種目の特性:

「ラットプルダウン」:

① 特性
・マシン+負荷調整可
・初心者向き

② 効果
・広背筋+大円筋
・「チンニングの代用」

「ベントオーバーローイング」:

① 特性
・バーベル+前傾
・水平に引く

② 効果
・背中の厚み

「ロウプーリー」:

① 特性
・マシン+水平引き

② 効果
・背中の厚み

「チンニング(本記事)」:

① 特性
・自重+垂直引き
・最高負荷

② 効果
・広背筋+大円筋+上腕二頭筋
・「逆三角形」UP

「使い分け」:

① 初心者・代用=ラットプルダウン
② 自重最強=チンニング(本記事)
③ 背中の厚み=ローイング系
④ すべて併用=完璧な背中

「できない人向け」ステップアッププラン:

懸垂を1回できるようになるまで:

「Step 1:ラットプルダウン」
・マシンで広背筋強化
・体重の80%を扱えるまで

「Step 2:ネガティブチンニング」
・椅子で頂点まで上る
・ゆっくり下ろすのみ
・5秒×5回×3セット

「Step 3:アシストチンニング」
・ゴムバンドを足にかける
・「補助あり」で実施

「Step 4:チンアップ(逆手)」
・最も楽な順手から
・1〜3回

「Step 5:プルアップ(順手)」
・「真の懸垂」
・体力テスト基準クリア

「背中メニュー」での位置づけ:

理想的な順序:

① デッドリフト(多関節・最高重量)
② チンニング(本記事)(自重・垂直引き・最強)
③ ラットプルダウン(マシン・垂直引き)
④ ベントオーバーローイング(水平引き)
⑤ ロウプーリー(マシン・水平引き)
⑥ プルオーバー(フィニッシャー)

「ボディビル」必須:

なぜ重要か:

① 「逆三角形」のシルエット
・広背筋+大円筋強化

② コンテストの定番
・「ラットスプレッド」ポーズ

③ 「自重キング種目」
・「真の強さ」の指標

「スポーツパフォーマンス」:

該当スポーツ:

① クライミング・ボルダリング
・「ぶら下がる」+引く
・必須種目

② 体操競技
・鉄棒・吊り輪の基本

③ 柔道・レスリング
・引き寄せ動作

④ 水泳(クロール・バタフライ)
・水を引く動作

⑤ 軍隊・警察・消防
・体力テストの基準

「ぶら下がる」健康効果:

意外な効果:

① 脊柱の減圧
・腰椎・頸椎の牽引
・「腰痛改善」

② 肩関節の可動域UP
・四十肩・五十肩予防

③ 姿勢改善
・「猫背改善」

④ 結果
・1日数十秒のぶら下がりでも効果

「軍隊・警察・消防」の基準種目:

なぜ採用されるか:

① 全身の筋力を測定
・背中+腕+体幹+握力

② 装備携帯不要
・バー1本でOK

③ 「機能的な強さ」
・レスキュー動作の基本

「チンニングの3大効果」:

① 広背筋+大円筋強化=「逆三角形」
・背中のキング種目

② 自重最高負荷=筋力+筋肥大両方
・「真の強さ」

③ 姿勢改善+脊柱減圧+ぶら下がり健康効果
・「腰痛改善」

「初心者の注意点」:

安全な始め方:

① 1回もできない場合
・ラットプルダウンから
・体重80%扱えるまで

② ネガティブから
・ゆっくり下ろすのみ

③ ゴムバンド補助
・「アシスト」

④ フォーム優先
・「肩甲骨主導」
・「反動使わない」

関連する効果:

① 広背筋+大円筋の発達
・「逆三角形」UP

② 僧帽筋・菱形筋・三角筋後部強化
・背中全体

③ 上腕二頭筋強化
・「力こぶ」

④ 握力強化
・「グリップ力」UP

⑤ 体幹強化
・動的な体幹

⑥ 姿勢改善
・「猫背改善」

⑦ 脊柱減圧
・「腰痛改善」

⑧ スポーツパフォーマンスUP
・クライミング・体操・水泳

関連する障害の予防+注意:

① 肩関節障害
・反動使わない
・軽い回数から

② 上腕二頭筋長頭腱炎
・肩甲骨を寄せ続ける

③ 肘関節障害
・完全伸展(デッドハング)を毎回しない

④ 腰痛
・体幹固定
・反動禁止

⑤ 手首障害
・サムレスグリップでも手首の真っ直ぐを意識

関連種目

■ フリーウエイト・トレーニング■
【ラットプルダウン・ベントオーバーローイング・ワンハンド・ダンベルローイング・ローイング・ダンベル・プルオーバー】
■ マシン・トレーニング■
【ロウプーリー・プルオーバー・ウィズ・マシン】
■ ボールエクササイズ■
【プルオーバー・ウィズ・ソフトギム】

まとめ

チンニング(懸垂)について解説してきた内容を整理します。

・広背筋+大円筋+僧帽筋+菱形筋+三角筋+大胸筋+上腕二頭筋を鍛える
・「懸垂=自重背中トレの王者=逆三角形作りの代表種目=自重のラットプルダウン」
・「多関節運動(コンパウンド)」+自重=最高負荷
・バーの握り幅は肩幅+拳2個分広め
・オーバーグリップ(順手)=プルアップ(基本)
・サムレスグリップ推奨
・腕を伸ばす+ぶら下がる=開始位置(デッドハング)
・肘を外側に張る
・肩甲骨をしっかり寄せる(最重要)
・胸を張る+猫背NG
・バーを首の付け根or顎先まで引く
・反動を使わない(最重要)
・肘を伸ばしきらない(テンション維持)
・息を吸いながら下ろし、吐きながら引き上げる
・3バリエーション(プルアップ/チンアップ/パラレル)
・目的別:筋力6〜8回/筋肥大12〜15回/持久20回以上
・初心者は10〜15回×3〜4セット
・できない人=ラットプルダウン→ネガティブ→アシスト→チンアップ→プルアップ

チンニング(懸垂)は広背筋+大円筋+上腕二頭筋+僧帽筋+菱形筋+三角筋の同時強化=「逆三角形のシルエット」UP+自重最高負荷で筋力+筋肥大両方+姿勢改善(猫背改善・美姿勢)+脊柱減圧(腰痛改善)+肩関節可動域UP(四十肩・五十肩予防)+スポーツパフォーマンスUP(クライミング・体操・水泳・格闘技)+軍隊・警察・消防の基準種目+ボディビル必須+「機能的な強さ」に直結する優れた自重背中種目です。デッドリフト(多関節)+チンニング(自重最強・本記事)+ラットプルダウン(マシン・代用)+ベントオーバーローイング(水平引き)を組み合わせることで、背中を多角的に発達させることができます。肩甲骨を寄せる+胸を張る+サムレスグリップ+反動使わない+3バリエーション活用+段階的に強化+正確なフォームでチンニング(懸垂)の効果を最大化しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/

・日本整形外科学会「肩関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/

・日本肩関節学会https://katakansetsu.jp/

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