プルオーバー・ウィズ・マシンの正しいフォーム|広背筋・大胸筋を縦方向に鍛える筋トレを徹底解説

プルオーバー・ウィズ・マシン(pull over with machine)

プルオーバー・ウィズ・マシンとは主に広背筋(こうはいきん)、大胸筋(だいきょうきん)、大円筋(だいえんきん)、上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)を鍛える筋トレ種目です。
プルオーバー・ウィズ・マシンは「ダンベルプルオーバーのマシン版」と呼ばれる、専用のマシンを用いて広背筋、大円筋などに縦方向の刺激を加えることができます
頭上から腹部へ「縦方向に引く」動作により、ラットプルダウン(垂直引き)でもロウプーリー(水平引き)でも刺激しきれない「胸郭拡張+背中と胸の連結部」を鍛えられる、ボディビル系トレーニーに愛用される名種目です。
このページではプルオーバー・ウィズ・マシンの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。
また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セットをあわせてご紹介します。

この記事で分かること:

プルオーバー・ウィズ・マシンで鍛えられる筋肉
正しいフォームと動作のポイント
呼吸法と目的別の重量・回数
胸郭拡張効果と縦方向引き
関連トレーニング種目

強化される筋肉

muscle8

広背筋大胸筋大円筋小胸筋上腕三頭筋

広背筋+大胸筋+小胸筋+上腕三頭筋を縦方向で同時刺激

プルオーバー・ウィズ・マシンの特徴:

① 主働筋:広背筋
背中の最大筋
「縦方向の引き」に強い
本種目で最大の効果

② 主働筋:大胸筋
胸の主役
「胸郭拡張」に関与

③ 主働筋:大円筋
広背筋の補助

④ 主働筋:小胸筋
大胸筋の深層
肋骨を引き上げる

⑤ 協働筋:上腕三頭筋(長頭)
肩関節伸展を補助

「縦方向の引き」

なぜ独特な動作か:

① ラットプルダウン
上から下へ(垂直)

② ロウプーリー
前から後ろへ(水平)

③ プルオーバー・ウィズ・マシン(本記事)
頭上から腹部へ(縦方向の弧)
「3方向目」の刺激

④ 結果
背中+胸の連結部に刺激
「胸郭拡張」UP

「胸郭拡張」効果

特別な効果:

① 胸郭とは
肋骨で構成される胸の骨格
呼吸の容器

② 本種目の効果
肋骨周りの筋を強化
「胸郭が広がる」

③ 結果
「分厚い胸」
「呼吸機能UP」
「立体的な上半身」

④ ボディビル必須
古典的な種目
「胸の発達」に効果

「広背筋」と「大胸筋」を同時刺激

なぜ両方効くか:

① 動作の起点
大胸筋がストレッチ(開始位置)

② 動作中
広背筋が引く
大胸筋も活動

③ 結果
背中+胸を一度に
効率的

「ダンベルプルオーバーのマシン版」

なぜマシンか:

① ダンベルプルオーバー
フリーウエイト
軌道が不安定

② プルオーバー・ウィズ・マシン(本記事)
マシン
軌道が安定
初心者にも安全

③ 動作は同じ
「縦方向の引き」
胸郭拡張

「アイソレーション系」

プルオーバー・ウィズ・マシンの特徴:

① 肩関節+肩甲帯の動き
主に肩関節伸展

② 肘関節はほぼ固定
上腕三頭筋への関与は補助

③ 結果
広背筋+大胸筋に集中
「フィニッシャー」として有効

関節の動き

kata1 kenkou2

肩関節においては伸展肩甲帯においては下方回旋が行われます。

運動方法

プルオーバー (写真1)ファーストポジション

プルオーバー (写真2)セカンドポジション

  1. プルオーバーマシンに腰掛けます
    このとき、肩関節がマシーンのカム軸(マシーンの動きの中心になるところ)と横に並ぶようにイスの高さを調整します。
  2. 両肘を軽く曲げ、頭上のグリップに軽く手を添えます
    このとき肩甲骨と肩甲骨を脊柱に向かって引き寄せておきます。(写真1)
  3. 肩関節の部分で弧を描くようにしながらグリップを腹部までに引き付けます。(写真2)
  4. 胸を張り、肩甲骨を寄せたままグリップを開始姿勢まで戻します

「肩関節がカム軸と並ぶ+肘を軽く曲げる」が基本

プルオーバー・ウィズ・マシンの基本セッティング:

① シートの高さ調整
肩関節がマシンのカム軸と横並び
動作軸の一致

② 肘の角度
軽く曲げる(10〜15度)
伸ばしきらない

③ グリップ
頭上のグリップに手を添える
軽く握る

④ 結果
肩関節への純粋な刺激
怪我のリスク低

「肩甲骨を寄せる」

最重要のポイント:

① 開始位置から
肩甲骨を脊柱に引き寄せる
動作中も維持

② 肩甲骨が離れると
広背筋への刺激不足
肩関節への負担

③ 結果
広背筋+大胸筋に集中
「効かせる」感覚UP

「弧を描く動作」

動作の本質:

① 肩関節を中心
「円を描く」動作
上から下へ

② グリップの軌道
頭上→腹部
「縦方向の弧」

③ 効果
純粋な肩関節伸展
広背筋・大胸筋に集中

「グリップを腹部まで」

引く深さの目安:

① フィニッシュ位置
グリップが腹部
「太もも近く」まで

② 引きすぎ注意
反動を使わない
動作軸を保つ

呼吸方法

  • 重量が比較的軽いときは胸の動きに合わせて呼吸を行います
    すなわち胸が開くときに息を吸い、胸が閉じるときに息を吐き出します
  • 中〜高重量を用いる場合は、開始姿勢で大きく息を吸いこみ、そのまま息をとめながら(胸の膨らみを保ちながら)グリップをへそに向かって引きつけます
    その後、息を吐きながら開始位置までグリップを戻します

ポイントと注意点※順不同

  • グリップの握り方は親指を外して握る『サムレスグリップ』を推奨します。
    サムレスグリップで握ることにより、前腕部への負担が減り、広背筋や大円筋への刺激が強く働きます
  • グリップを引っ張る際、肩甲骨の寄せ方が甘いと広背筋や大円筋への刺激が逃げてしまうので気をつけます
  • 運動動作中は背中への刺激が逃げないようにするためにウエイトとウエイトが重ならないように気をつけます
    また腰が背もたれから離れないようにします。

「サムレスグリップ」+「腰を背もたれに固定」

プルオーバー・ウィズ・マシンの2大ポイント:

「サムレスグリップ」

① 親指を外す
4本指でフックのように

② 効果
前腕屈筋群を使わない
広背筋・大円筋に集中

「腰を背もたれから離さない」

① 腰が浮くと
反動(チーティング)
背中への刺激不足
「腰痛」のリスク

② 解決法
体幹を固定
「背中で引く」

「ウエイトを重ねない」

テンション維持:

① 戻し動作
ウエイトが重ならない位置まで
「常にテンション」

② 効果
背中への刺激持続
パンプアップUP

反復回数とセット数

目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。

  • 筋力アップ
    筋トレの目的が筋力アップなら運動動作が68回で限界を迎えるような高負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • 筋肥大
    筋トレの目的が筋肥大なら運動動作が1215回で限界を迎えるような中負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • ダイエット
    筋トレの目的がダイエットなら運動動作が20回以上反復可能な低負荷でトレーニングを行う必要があります。

初心者の方は正確なフォームで10回~15回程度反復できる重量で行います。
セット数は34セットくらいで行います。

プルオーバー・ウィズ・マシンとダンベルプルオーバーの使い分け

両種目の特性:

「ダンベルプルオーバー」

① 特性
フリーウエイト
ベンチに仰向け
ダンベル1個

② 効果
大胸筋+広背筋
「ストレッチ位」で最大負荷

③ 注意
軌道が不安定
肩関節リスク

「プルオーバー・ウィズ・マシン(本記事)」

① 特性
マシン
座位
軌道が安定

② 効果
広背筋メイン+大胸筋
「全可動域で一定の張力」

③ 安全性
マシンが軌道制御
初心者にも安全

「両方併用」が理想

完璧な縦方向引き:

① ストレッチ位=ダンベルプルオーバー
大胸筋の伸展

② 一定張力=プルオーバー・ウィズ・マシン(本記事)
広背筋の縦方向引き

③ 結果
多角的な刺激

「背中メニュー」での位置づけ

理想的な順序:

① デッドリフト(多関節・最高重量)
② チンニング(自重・垂直引き)
③ ラットプルダウン(マシン・垂直引き)
④ ベントオーバーローイング(フリー・水平引き)
⑤ ロウプーリー(マシン・水平引き)
⑥ プルオーバー・ウィズ・マシン(本記事)(縦方向引き・フィニッシャー)

「胸メニュー」にも組み込める

胸トレでの活用:

① 大胸筋強化メニューに追加
「胸郭拡張」狙い

② 順序
ベンチプレス→ダンベルフライ→プルオーバー(フィニッシャー)

③ 効果
「分厚い胸郭」
大胸筋+広背筋同時

「プルオーバー・ウィズ・マシンの3大効果」

① 広背筋+大胸筋の同時強化
「縦方向の引き」

② 胸郭拡張
「分厚い上半身」

③ ボディビル必須種目
古典的な名種目

「ボディビル史」での重要性

伝説の種目:

① プルオーバー
古くからの胸トレ
「胸郭拡張」の代表

② アーノルド・シュワルツェネッガー愛用
胸トレに必ず入れていた
「分厚い胸」の秘密

③ 現代でも有効
マシン版=より安全
初心者にも推奨

「呼吸機能UP」

健康への効果:

① 胸郭の柔軟性UP
呼吸が深くなる

② 小胸筋の柔軟性
「巻き肩予防」

③ 結果
「肺活量」UP
「美姿勢」

「スポーツパフォーマンス」

該当スポーツ:

① 水泳
「水を引く動作」
クロール・バタフライ

② ボート競技
パドル動作

③ クライミング
「ぶら下がる」動作

④ ボクシング
パンチの引き

「現代人の胸郭の問題」

なぜ胸郭拡張が重要か:

① 長時間PC・スマホ
胸郭が縮こまる
「巻き肩」「猫背」

② 呼吸が浅くなる
胸郭が広がらない

③ 解決法
本種目+大胸筋ストレッチ
胸郭を広げる

関連する効果

① 広背筋+大円筋の発達
背中

② 大胸筋+小胸筋強化
胸郭拡張

③ 上腕三頭筋(長頭)強化

④ 「分厚い上半身」
ボディメイク

⑤ 呼吸機能UP
肺活量

⑥ 姿勢改善
「巻き肩予防」

⑦ スポーツパフォーマンスUP

関連する障害の予防+注意

① 肩関節障害
カム軸の位置に注意
軽重量から

② 腰痛
腰を背もたれに固定
反動を使わない

③ 上腕二頭筋長頭腱炎
肩甲骨を寄せる

YOU TUBE

関連種目

■ フリーウエイト・トレーニング■
ラットプルダウンベントオーバーローイングワンハンド・ダンベルローイングローイングダンベル・プルオーバー
マシン・トレーニング■
ロウプーリープルオーバー・ウィズ・マシン
■ 自重トレーニング■
チンニング
■ ボールエクササイズ■
プルオーバー・ウィズ・ソフトギム

まとめ

プルオーバー・ウィズ・マシンについて解説してきた内容を整理します。

広背筋+大胸筋+大円筋+小胸筋+上腕三頭筋(長頭)を鍛える
「ダンベルプルオーバーのマシン版=縦方向の引き=胸郭拡張」
背中+胸+上腕の連結部を鍛える特殊な種目
プルオーバーマシンに腰掛ける
肩関節がマシンのカム軸と並ぶようにシート調整(最重要)
両肘を軽く曲げる(伸ばしきらない)
頭上のグリップに手を添える
肩甲骨を脊柱に引き寄せる(最重要)
サムレスグリップ推奨
肩関節を中心に弧を描く動作
グリップを腹部まで引き付ける
胸を張る+肩甲骨を寄せたまま戻す
腰を背もたれから離さない
ウエイトを重ねない
軽重量=胸の動きに合わせて呼吸/中〜高重量=バルサルバ法
・目的別:筋力6〜8回/筋肥大12〜15回/ダイエット20回以上
初心者は10〜15回×3〜4セット

プルオーバー・ウィズ・マシンは広背筋+大胸筋+小胸筋の縦方向強化=「胸郭拡張」+「分厚い上半身」+背中と胸の連結部の発達+呼吸機能UP+姿勢改善(巻き肩予防)+ボディビル必須種目に直結する優れたマシン種目です。ラットプルダウン(垂直引き)+ロウプーリー(水平引き)+プルオーバー・ウィズ・マシン(縦方向引き・本記事)の3方向引きを組み合わせることで、背中+胸を多角的に発達させることができます。カム軸を肩関節と合わせる+肩甲骨を寄せる+肘を軽く曲げる+サムレスグリップ+腰を背もたれに固定+正確なフォームでプルオーバー・ウィズ・マシンの効果を最大化しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/

・日本整形外科学会「肩関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/

・日本肩関節学会https://katakansetsu.jp/

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