プローン・エクスターナルローテーションの正しいフォーム|うつ伏せで棘下筋・小円筋を鍛える筋トレを徹底解説

プローン・エクスターナルローテーション(prone external rotation)

プローン・エクスターナルローテーションとは主に小円筋(しょうえんきん)、棘下筋(きょくかきん)を鍛える筋トレ種目です。

プローン・エクスターナルローテーションは「投球姿勢に近い角度のエクスターナルローテーション」と呼ばれる、肩関節の障害予防やリハビリのために用いられることが多いエクササイズで、この手の種目の中では最も重要なエクササイズといえます。

このページではプローン・エクスターナルローテーションの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、回数、セット通常のエクスターナルローテーションとの違いまで包括的にご紹介します。

この記事で分かること:

プローン・エクスターナルローテーションで鍛えられる筋肉
正しいフォームと動作のポイント
低負荷高回数の重量・回数
通常のエクスターナルローテーションとの違い
関連トレーニング種目

強化される筋肉

muscle8

棘下筋小円筋

棘下筋+小円筋=ローテーターカフ後方の中心

プローン・エクスターナルローテーションの特徴:

① 主働筋:棘下筋
ローテーターカフ4筋の1つ
肩関節外旋の主役
肩関節後方の安定

② 主働筋:小円筋
ローテーターカフ4筋の1つ
棘下筋の補助
外旋+後方の安定

「ローテーターカフ4筋」

肩関節の動的安定を司る筋群:

① 棘上筋=外転初動/上方の安定
② 棘下筋(本記事の主役)=外旋/後方の安定
③ 小円筋(本記事の主役)=外旋/後方の安定
④ 肩甲下筋=内旋/前方の安定

「ブレーキングマッスル」

野球選手にとって最重要:

① ブレーキングマッスル(制動筋)とは
動きを止める役割の筋
遠心性収縮で活動

② 投球動作での役割
デセラレーション期で最大活動
腕の振りすぎを防ぐ
関節を守る

③ 棘下筋・小円筋の役割
「ブレーキングマッスル」の中心
投球での減速

「プローン姿勢」の意味

なぜ「うつ伏せ+肩90度」か:

① プローン(Prone)
「うつ伏せ」
体幹が固定される

② 肩90度+肘90度
「投球姿勢」に近い角度
外転90度の状態での外旋

③ 重力負荷の方向
重力が外旋に逆らう
棘下筋・小円筋を最大活動

④ 機能的な強化
「動作特異性」
野球投球動作に直結

「通常のエクスターナルローテーションとの違い」

姿勢の違いで効き方が変わる:

① 横向き(通常版)
肩外転0度
脇を締めた状態での外旋

② プローン(本記事)
肩外転90度
投球姿勢に近い

③ 機能的意義
投球動作中の活動に近い
スポーツ特異的
野球選手に最適

④ より高度な種目
通常版=基礎
プローン版=発展

関節の動き

kata4

肩関節においては外旋が行われます。

運動方法

プローン・エクスターナルローテーション (写真1)ファーストポジション

プローン・エクスターナルローテーション (写真2)セカンドポジション

  1. ダンベルを片手に持ち、ベッドの上でうつ伏せに寝ます
    肩関節、肘関節の角度がそれぞれ90度になるようにします。(写真1)
  2. 肘関節の角度を90度に保ちながら肩関節をゆっくりと外旋させます
    このとき肩から肘にかけて一本の軸が通っているようなイメージをしながら行います。(写真2)
  3. 顔の高さくらいまでダンベルを持ち上げられたら今度は重さに逆らいながらゆっくりとダンベルを下ろします

「肩90度+肘90度」のセッティング

プローン・エクスターナルローテーションの基本フォーム:

① うつ伏せ姿勢
ベッドの端でうつ伏せ
運動側の肩はベッドの外

② 肩関節90度(外転90度)
上腕は床と平行
上腕をベッドに乗せる

③ 肘関節90度
前腕が床に垂直
ダンベルが床に向かう

④ この姿勢の意味
投球姿勢に近い
重力が外旋に逆らう

「一本の軸」イメージ

正しい動作の意識:

① 軸の位置
肩から肘
その軸を中心に前腕が回旋

② 動作
前腕が床向き=開始位置
前腕が顔の高さ=フィニッシュ
外旋動作

③ 失敗例
肘の角度変化=広背筋に逃げる
上腕が動く=動作軸が崩れる
体幹が浮く=代償動作

「顔の高さまで」の可動域

プローン版の特徴:

① 開始位置
前腕が床向き
ダンベルが床近く

② フィニッシュ位置
前腕が顔の高さ
水平より上

③ 全可動域を使う
棘下筋・小円筋を最大ストレッチ+収縮
機能改善に最適

呼吸方法

  • 呼吸は肩関節が外旋するときに(ダンベルを持ち上げるとき)息を吸い、内旋するときに(ダンベルを降ろすとき)息を吐くようにします。

ポイントと注意点※順不同

  • 運動動作中は上腕部はなるべくベッドの上に固定します。
  • ダンベルを元の位置に戻す際はできるだけ抵抗に逆らいながらゆっくりと下ろしていきます
    こうすることにより、小円筋、棘下筋を伸張性筋活動(ネガティブ動作)させることができます。

「上腕をベッドに固定」が最重要

プローン・エクスターナルローテーションの最大のポイント:

① 上腕の固定
ベッドの上に乗せる
動作中も動かさない

② 上腕が動くと
三角筋・広背筋に逃げる
棘下筋・小円筋への刺激不足

③ 結果
純粋な外旋動作
棘下筋・小円筋に集中

「ネガティブ動作」を重視

プローン・エクスターナルローテーション特有のテクニック:

① 戻す動作を2〜3秒
重力に逆らう
「ブレーキングマッスル」機能改善

② 効果
遠心性収縮能力UP
投球障害肩予防

「肩がすくまない」

僧帽筋上部の代償防止:

① うつ伏せ姿勢の利点
体幹が固定
「肩のすくみ」防止に有効

② 補助テクニック
肩甲骨を下げる意識
「リラックス」

「痛みがあれば即中止」

肩関節障害の方への注意:

① 炎症期には禁忌
② プローン姿勢でも痛む場合は中止
③ 整形外科医に相談

反復回数とセット数

このエクササイズは基本的に高負荷を用いません
低負荷(20回以上反復可能な低負荷)で高回数行いましょう。

※セット数は3〜4セットくらいで行います。

「低負荷高回数」が原則

プローン・エクスターナルローテーションの重量設定:

① ローテーターカフは小さな筋
高負荷は禁物
「軽くて効く」

② 推奨負荷
1〜3kgのダンベル
「最後の2〜3回がきつい」程度

③ プローン版はさらに軽め
姿勢が機能的
軽くても効く

④ 「20回以上」の意味
筋持久力を養う
動的安定能力UP

プローン・エクスターナルローテーションと投球障害肩予防

このエクササイズの特別な効果:

「通常版 vs プローン版」

両者の使い分け:

① 通常のエクスターナルローテーション
横向き+肩外転0度
脇を締めた状態
初心者・リハビリ初期に最適

② プローン・エクスターナルローテーション(本記事)
うつ伏せ+肩外転90度
投球姿勢に近い
中・上級者・スポーツ選手に最適

③ 推奨される順序
初心者=通常版から
機能改善期=プローン版に移行
両方併用=多角的強化

「投球姿勢」との関係

なぜ野球選手に最適か:

① 投球動作の特徴
肩外転90度+外旋
「コッキング期」の姿勢

② プローン姿勢の意義
投球姿勢と同じ
「動作特異性」
機能的強化

③ 結果
投球時の安定性UP
パフォーマンスUP
怪我予防

「ブレーキングマッスル機能UP」

投球動作の安全性:

① デセラレーション期
急激な減速
棘下筋・小円筋の遠心性収縮
関節を守る

② プローン版での強化
同じ角度で強化
機能改善

③ 投球障害肩予防
長期的な選手生命
怪我予防

「リトルリーガー肩」予防

成長期野球選手の課題:

① リトルリーガー肩
成長期の投球障害肩
上腕骨近位骨端線損傷

② 予防
適切な投球数管理
プローン・エクスターナルローテーションでブレーキングマッスル強化
適切なフォーム

「リハビリの定番」

医療現場での評価:

① 整形外科リハビリ
術後リハビリ
腱板損傷後

② リハビリの段階
炎症期=禁忌
回復期=通常版から
機能回復期=プローン版に移行
復帰期=スポーツ特異的に

③ 整形外科医・理学療法士
段階的なリハビリに活用
機能的な強化

「ローテーターカフ4筋」エクササイズ

完全なローテーターカフ強化メニュー:

① 棘上筋
エンプティカンエクササイズ

② 棘下筋・小円筋(本記事の主役)
エクスターナルローテーション(通常版)
スタンディングチューブ・エクスターナルローテーション
プローン・エクスターナルローテーション(本記事)

③ 肩甲下筋
インターナルローテーション

これら4方向の強化で「肩関節の動的安定」が完成。

「スポーツ選手への重要性」

特に重要なスポーツ:

① 野球(投手・捕手・野手)
投球障害肩予防
パフォーマンスUP

② テニス
サーブ・スマッシュ
肩関節への反復ストレス

③ 水泳
スイマーズショルダー
クロール・バタフライ

④ ハンドボール・バレーボール
投擲・スパイク動作

⑤ アメフト・ラグビー
タックル・パス

「現代人の肩問題」

スポーツ選手以外にも:

① 「巻き肩・猫背」
内旋優位
外旋筋の弱化

② 解決法
プローン・エクスターナルローテーション
機能的な外旋筋強化

③ デスクワーカー
肩こり改善
姿勢改善

関連する効果

① ローテーターカフ強化
肩関節安定UP

② 投球障害肩予防
機能的強化
野球選手必須

③ ブレーキングマッスル機能UP
遠心性収縮能力UP

④ ベンチプレス・ショルダープレスの安全性UP
肩関節の動的安定

⑤ 巻き肩・猫背改善
外旋筋優位

関連する障害の予防

① 投球障害肩
最重要の予防種目

② 腱板損傷
棘下筋・小円筋強化

③ 四十肩・五十肩
機能回復

④ インピンジメント症候群
ローテーターカフ全体の機能改善

⑤ スイマーズショルダー
水泳選手必須

⑥ リトルリーガー肩
成長期野球選手必須

YOU TUBE

プローン・エクスターナルローテーション

連種目

■ フリーウエイト・トレーニング■

バックプレスシーテッド・ダンベルプレスアーノルドプレスフロントレイズベントオーバーフロントレイズサイドレイズリアレイズクロスボディ・デルトレイズアップライトローイングショルダーシュラッグベントオーバーショルダーシュラッグインターナルローテーションエクスターナルローテーションスタンディングチューブ・エクスターナルローテーションプローン・オーバーヘッドエクスターナルローテーションショルダーサークルリバース・サイドレイズ

■ ボールエクササイズ■

ローテーターカフ・アクティブエクササイズ

■ チューブエクササイズ■

エンプティカンエクササイズスタンディングチューブリアレイズスタンディングチューブ・インターナルローテーションスタンディングチューブ・エクスターナルローテーションホリゾンタルアーム・エクスターナルローテーション

■ ギムニクエクササイズ■

ローテーターカフ・アクティブエクササイズ

まとめ

プローン・エクスターナルローテーションについて解説してきた内容を整理します。

棘下筋+小円筋を鍛える
「投球姿勢に近い角度のエクスターナルローテーション」
棘下筋・小円筋=ローテーターカフ4筋の外旋筋
「ブレーキングマッスル」として最重要
うつ伏せ(プローン)肩90度+肘90度
上腕をベッドに固定
肩から肘の軸を中心に弧を描く
顔の高さまでダンベルを持ち上げる
ネガティブ動作(戻す時)を重視=伸張性筋活動
外旋時に息を吸い、内旋時に息を吐く
低負荷(20回以上反復可能・1〜3kg)高回数
3〜4セット
痛みがある場合は中止
「投球姿勢」に近い角度
通常版(基礎)→プローン版(発展)

プローン・エクスターナルローテーションは棘下筋・小円筋の機能的強化+投球姿勢に近い角度+投球障害肩予防+ブレーキングマッスル機能UP+スポーツパフォーマンス向上+リハビリの定番に直結する最重要種目です。通常版(横向き・初心者)→プローン版(うつ伏せ・中上級者)と段階的に進めることで、安全に機能的な肩関節強化が可能です。うつ伏せ+肩90度+肘90度+上腕固定+ネガティブ動作重視+低負荷高回数でプローン・エクスターナルローテーションの効果を最大化しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害・肩関節障害」http://www.rinspo.jp/

・日本整形外科学会「肩関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/

・日本肩関節学会「肩関節疾患」https://katakansetsu.jp/

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