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筋トレを行い、身体を鍛えることで周囲にたくましい印象を与えることができます。
特に男性の方は服を着ていても判るほどの筋肉量を身につけておくと、ただスーツを着ているだけでも周囲に強いインパクトを与えることができます。
男性の方で逆三角形の身体に憧れている方はとても多いのではないでしょうか?
逆三角形の身体は男性がたくましさをアピールできる場所の一つなので『日頃から背中を頑張って鍛えている!』という方は多いようです。
しかし、実際に筋トレを行なったことがある方ならご理解いただけると思いますが、口で言うほどそれほど容易なことではありません。
逆三角形の身体を作りあげるには逆三角形の身体になるように、筋肉を優先して鍛えていくことは勿論、余分な脂肪も落とす必要があります。
ひとくちに逆三角形の身体を作るといっても…….
冒頭で少しお話しをした通り、ただ、闇雲に鍛えるだけでは逆三角形の身体を作り上げることはできません。
逆三角形の身体を作り上げるためには優先して鍛えるべき筋肉がどこなのか?なども理解しておかなければなりません。
逆三角形の身体を作り上げるには少なくとも2〜3部位は鍛える必要があります。
鍛えるべき筋肉は三角筋、広背筋、大円筋、僧帽筋、菱形筋、腰方形筋、腹斜筋群などが挙げられます。
大きく丸みを帯びた三角筋を鍛えることで肩幅を広げることができます。
広背筋、大円筋を鍛えることで背中に幅を持たせることができます。
逆三角形の身体を有している方は例外なく、広背筋、大円筋が著しく発達しています。
逆三角形で且つ、厚みのある筋肉を鍛えるためには僧帽筋(特に中部線維)や菱形筋の発達も不可欠です。
逆三角形の身体を作ろうと考える際にどうしても上半身を鍛えることばかりに目が行きがちになりますが、引き締まったウエストを作り上げるため腹斜筋群や腰方形筋を鍛えることも重要になります。
大きく丸みを帯びた三角筋にすることで肩幅を広げる
ここからは具体的に逆三角形の身体を手に入れるために行った方が良い筋トレ種目をご紹介して行きたいと思います。
では、まずは三角筋からご紹介して行きましょう。
三角筋は肩を覆う表層部にある筋肉で、上肢の中では最も体積が大きい筋肉です。
三角筋は前部、中部、後部の三つのヘッドで構成されていて、肩幅を広く見せるためには中でも三角筋中部を鍛えることがとても重要だと言われています。
三角筋(中部)を鍛える代表的な種目としてはサイドレイズが挙げられますが、この種目は俗にいう『アイソレーション種目』なので筋肉のボリュームをつけるにはやや不向きな種目と言えます。
そこで今回は『バックプレス』というコンパウンド種目をご紹介したいと思います。
アイソレーション種目とはあるひとつの筋だけをターゲットとして鍛える種目のことです。
これによって、ターゲットとなる筋を独立して強化することができます。
一般的にアイソレーション種目を行うときは比較的軽い負荷を用いて、且つ、高回数行います。
一方、コンパウンド種目とは複数の筋肉を同時に鍛える種目のことで、ターゲットとなる筋肉は少なくとも二つ以上です。
一般的にコンパウンド種目を行う場合は中〜高重量を用いて中〜低回数行います。(筋肉の動員数が多いため中〜高重量を用いて運動を行うことができます。)
■バック・プレス
- バーベルは肩幅よりやや広めに握り、肩の上部でバーベルを構えます。(写真1)
- 背すじをしっかり伸ばした状態を保ちながら、頭上にバーベルを持ち上げます。
フィニッシュ動作では両肘を伸ばしきらないように気を付けます。(写真2) - ゆっくりコントロールしながらバーベルを耳たぶまで降ろします。
逆三角形の身体を作り上げるためには広背筋、大円筋を鍛えることは必須
逆三角形の身体を作り上げるためには筋肉の中でも特に広背筋、大円筋を鍛えることがとても重要になります。
広背筋は人体の中で最も面積の大きい筋肉です。
ここを鍛えずして逆三角形の身体を手に入れることは不可能です。
広背筋は後述する大円筋と共に主に肩関節の内転、内旋、伸展動作に関与している筋肉で発達すると背中に幅を持たせることができます。
大円筋は小円筋の下に位置し、広背筋と隣接している筋肉です。
大円筋は広背筋と共同し働くことが多い筋肉なので”広背筋の小さなヘルパー”筋と呼ばれることもあります。
これら広背筋、大円筋を鍛える代表的なコンパウンド種目はラットプルダウン(またはハイプーリーともいう)です。
広背筋は英語で”ラット”という意味をもつので、このことからもラットプルダウンは広背筋、大円筋を鍛える代表種目と言えます。
■ラットプルダウン
- バーの握り幅は肩幅より広めに握り、シートに座ります。
このとき背筋をしっかり伸ばし、両足を固定するパッドでしっかりと大腿部を固定しておきます。(写真1) - 肘を外側に張り、肩甲骨を真ん中に寄せ流ようにバーを首の付け根まで引き付けます。(写真2)
- バーを首の付け根まで十分に引き付けたら重力に逆らいながらゆっくりと開始姿勢に戻します。
幅だけでなく厚みのある背中に仕上げるためには僧帽筋中部、菱形筋を鍛えよう
上記で述べてきたように広背筋、大円筋を鍛えるラットプルダウンを実施することで背中の幅を広げることができます。
しかし、幅だけだと存在感のある逆三角形の背中を作り出すことはできません。
存在感のある厚みのある背中に仕上げるためには僧帽筋中部、菱形筋を鍛える必要があります。
僧帽筋は背部の一番表層部にある筋肉で上部、中部、下部の三部位に分類することができます。
中でも中部線維は背中の厚みを作るためにはとても重要な部位です。
中部僧帽筋は厚くてとても力強い筋肉で、後述する菱形筋とともに肩甲帯の内転動作に主に関与します。
この筋肉は胸を張るなどの姿勢保持のためにもとても重要な役割を果たします。
菱形筋は小菱形筋、大菱形筋の二つで構成され、上記でご紹介した僧帽筋に被われている薄い筋肉です。
菱形筋もまた背中の厚みを作るためには鍛えておく必要があります。
僧帽筋中部、菱形筋はもともと一緒に共同して働くことが多く分離して鍛えるのは困難です。
菱形筋もまた肩甲帯の内転動作に主に関与し、姿勢保持に大きく貢献します。
これらの筋肉を鍛える種目としては今回は『ベントオーバーローイング』をご紹介したいと思います。
ベントオーバーローイングは実施の際、肘を絞り、脇をしめた状態で行うと広背筋、大円筋への刺激が高まりますが、実施の際に肘を外側に開きながら行うと僧帽筋中部、菱形筋への刺激が高くなります。
■ベントオーバーローイング
- 足幅は肩幅よりやや広目にし、両膝は軽く曲げておきます。
このとき前傾姿勢になるように上半身を傾斜させます。 - バーベルの握り幅は肩幅より広めにし、親指をしっかりバーに巻きつけます。
- 両肘を外側に広げるようにしながらバーベルを十分に腹部に引き寄せます。(肩甲骨を内側に引き寄せるように)
- 胸を張り、肩甲骨を寄せたままバーベルを開始姿勢まで戻します。
逆三角形の背中にするには引き締まったウエストも必要
これまでは主に背中の広がりや厚みを作るためのお話しをしてきましたが、ウエストが太いままでは寸胴に見えてしまい、逆三角形の身体とはほど遠い身体になってしまいます。
そこでメリハリのある身体に仕上げるためには腹部の筋肉、とりわけ側腹部である腰方形筋、腹斜筋群なども鍛えておくこともとても重要となります。
腰方形筋は腹筋群の一つで深層部にある筋肉です。
この筋肉を鍛えるためには抵抗に逆らいながら体幹を側屈させるエクササイズを行う必要があります。
腹斜筋群は外腹斜筋、内腹斜筋で構成されています。
腹斜筋群を鍛えるためには抵抗に逆らって体幹部を回旋させたり、側屈、屈曲させることで鍛えることができます。
これらの筋肉を鍛える種目としては今回は『サイドエクステンション』という種目をご紹介したいと思います。
■サイドエクステンション
- ローマンベンチの上で横向きになり、両脚を交差させ両足首をパッドに固定します。
このとき両手は後頭部にあて、両膝は軽く曲げておきます。 - 上半身を水平ラインより下に降ろし、側腹部をストレッチします。(写真1)
- 水平ラインより高い位置にくるまで上半身を起こします。(上体が床面から35°程度になるくらいまで)(写真2)
- 2~3秒、セカンドポジションをキープしたら開始姿勢に戻します。
使用重量、反復回数、休憩時間について
鍛える目的に応じ、使用重量やセット数、休憩時間(レストインターバル)を変える必要があるのですが、今回はあくまでも目的は逆三角形の身体を作ることなので下記の表の【筋肥大】の項を参考に10~15RM(10回から15回しか実施できない重量のこと)で行うと良いと思います。
その後、レストインターバル(休憩時間)をとり、さらに同じ種目を10~15RMしたとするとこれで2セット行ったことになります。
基本的に、各種目とも3セットづつ行えば良いと思います。
目的 | 筋力アップ | 筋力強化 | 筋肥大 | パワー・アップ | 筋持久力 |
最大筋力(%) | 100~90% | 90~80% | 80~60% | 60~30% | 50~30% |
反復回数(回) | 1~3回 | 5~10回 | 10~15回 | 10~20回 | 20~60回 |
適応時間(秒) | 6~10秒 | 10~20秒 | 20~30秒 | 10~20秒 | 45~90秒 |
休憩時間(分) | 3~5分 | 2~3分 | 1~2分 | 3~5分 | 1~2分 |
逆三角形の背中にするためのまとめ
これまで逆三角形の身体にするためのトレーニング方法などを書いてきましたが、いうまでもないと思いますが、身体の余分な脂肪を落とすことも忘れないでください。
そのためには効率良く脂肪を燃焼させる、ウォーキング、ランニング、水泳などに代表される”エアロビック・エクササイズ”を行うことを強くお勧めします。