未だにプロテインのことを『サプリメント』の一種だと思っている方が多いようですが、プロテインは本来、日本語に訳すと『タンパク質』という意味を持ちます。
ご存知のとおり、タンパク質は炭水化物、脂質と共に『3大栄養素』と呼ばれる栄養素の一つです。一方、サプリメントという言葉は『補完』という意味があり、サプリメントは食事だけでは足りない栄養素を補完して摂取するためのものです。
なので、日常の食生活にとって代わるものではなく、食事で栄養を十分に摂取することができない場合に、それを補うものとして摂取するのがサプリメントの本来の正しい使い方だと言えます。
タンパク質については以前、違うページでご紹介させていただいたので、このページでは『サプリメント』としてのプロテインについて紹介していきたいと思います。
様々なタイプのプロテイン
プロテインは『低カロリー高たんぱく質な栄養補助食品』で、かつ、脂肪の含有量が少ないという特徴があります。通常、食物からたんぱく質を摂取する場合、同時に脂質も多く摂取してしまいがちです。その点、プロテインはタンパク質を効率よく摂りながら、脂肪の摂取量は少なく抑えやすいというメリットがあります。
プロテインは現在、様々なものが原料となって作られていますが、大きくは3つに分類することができます。
- 牛乳から作られるプロテイン(ホエイプロテイン、カゼインプロテイン)
- 大豆から作られるプロテイン(ソイプロテイン)
- 卵から作られるプロテイン(エッグプロテイン)
この中でも現在、主流となっているプロテインは、上記1. の牛乳から作られるホエイプロテイン、カゼインプロテインです。
ホエイはヨーグルトの上澄み(乳清)にあたる部分で、カゼインはその下に沈殿している部分のことをいいます。牛乳のタンパク質は、約20%がホエイ、約80%がカゼインで構成されていると言われています。この2つの中でも、最もポピュラーなプロテインは『ホエイプロテイン』です。
プロテインの種類をひと目で整理(吸収速度と向いている目的)
種類選びで最も大事なのは「吸収速度」と「目的」です。ざっくり整理すると次のようになります。
① ホエイ(牛乳・乳清)
・吸収が速い。BCAA・必須アミノ酸が豊富。運動直後の補給や筋力アップに向く
② カゼイン(牛乳)
・吸収がゆっくりで腹持ちが良い。就寝前や間食に向く
③ ソイ(大豆)
・吸収が緩やかで腹持ちが良い。大豆イソフラボンを含み、ダイエット・美容目的に向く
④ エッグ(卵白)
・BCAAが豊富で乳糖を含まない。乳製品でお腹を壊しやすい人の選択肢になる
「運動直後はホエイ、就寝前はカゼインやソイ」というように、時間帯や目的で使い分けるのが効率的です。
1. ホエイプロテイン
『ホエイプロテイン』は現在、もっとも一般的なプロテインとして市販されていて、種類も豊富にあります。筋肉を増やしたい人や、一般的なたんぱく質補給を目的とするのであれば、基本的にはホエイプロテインがお勧めです。
ホエイプロテインがなぜ注目を浴びているかというと、ホエイはカゼインに比べてBCAA(Branched Chain Amino Acids)が多く含まれているからです。(※BCAA(分岐鎖アミノ酸)はエネルギー代謝や筋肉づくりに関わる必須アミノ酸です)また、ホエイは水に溶けやすく、体内で効率よく利用されるという特徴があります。さらに、カゼインプロテインと比較すると乳糖の割合が低めなので、牛乳が苦手という人でもお腹を壊す可能性が比較的低いのも特徴です。
一方、カゼインプロテインはホエイプロテインよりも吸収がゆっくりで、腹持ちが良いという特徴があります。ホエイプロテインと比べると水に溶けにくいという性質もありますが、消化に時間がかかる分、体内で長時間にわたり栄養が供給され続けるというメリットがあるので、間食や就寝前に飲むのに向いています。
2. ソイプロテイン
大豆からつくられるソイプロテインは、消化吸収に時間がかかり、先に紹介したプロテインに比べて水に溶けにくいという特徴を持ちます。植物性のタンパク質で、含まれる大豆イソフラボンが女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造・働きをすることから、美容・ダイエット目的でも飲まれることが多いプロテインです。吸収が緩やかで腹持ちが良いため、間食代わりや置き換えにも取り入れやすいのが特徴です。
3. エッグプロテイン
エッグプロテインは、卵(白身)を原材料としているプロテインです。エッグプロテインはBCAAやアルギニンなどのアミノ酸が多く含まれています。アルギニンは成長ホルモンの分泌や血流などに関わるとされるアミノ酸で、体づくりをサポートします。
また、エッグプロテインには乳糖が含まれないため、牛乳でお腹を壊しやすい方の選択肢にもなります。
これら、どのプロテインでもいえることなのですが、プロテインにはグルタミンと呼ばれる物質が多く含まれています。グルタミンはアミノ酸の一種で、筋肉の分解を抑えたり、免疫機能に関わるとされています。(グルタミンは骨格筋中に貯蔵されているアミノ酸の多くを占めるといわれています)グルタミンは普段の食事からもある程度は摂取できますが、調理の際に熱を加えると変性してしまうため、食事だけでは充分に摂りにくいとも言われています。
1日に必要なタンパク質はどのくらいが良いのか?
1日に必要なタンパク質の量は、運動をしていない一般の人で体重1kgあたり約1.08gといわれています。有酸素運動を行っている人では体重1kgあたり1.2〜1.4g、筋力トレーニングをしている人では1.4〜1.7g程度、ボディビルディングやアスリートのような高強度でハードなトレーニングをする場合には2.0g程度を目安にすると良いとされています。
このことを踏まえたうえで、自分がどのくらいのタンパク質を必要としているのかを計算していきます。例えば体重70kgの男性の場合、日常生活のみで特に運動をしていないようであれば約75.6g/日、ランニングなどの愛好者であれば約84〜98g/日、ウエイトトレーニングを定期的に行っている人であれば約100〜120g/日、高強度のトレーニングやスポーツをする人であれば約140g/日を、一つの目安とします。
これだけのタンパク質を食事だけで補うことが難しい場合に、プロテインで補ってやる必要があるのです。プロテインの飲み方としては、牛乳や水など300cc程度に溶かして、プロテインシェーカーやミキサーで混ぜて飲むのが一般的です。
現在は、多くのメーカーから多くの味や効果が得られるようなプロテインが販売されており、糖質の含有率が高くなっているプロテインなども販売されています。これは増量を目的としたり、ハードなトレーニングをする人の栄養摂取といった意味で効果が期待できます。いずれにせよ、自分自身の目的に合わせたプロテインを選び、摂取することが大切です。
ここまでお話をしてきた中で、ひょっとしたら皆さんの中には、タンパク質を全てプロテインで摂取しようと考えている方がいるかもしれません。しかし、そのような考えは好ましいことではありません。食べ物を摂取してそれをタンパク質、アミノ酸まで分解し、そしてもう一度タンパク質に変換するまでが、本来あるべき形だからです。
1日の食事の中でどのくらいのタンパク質を摂取しているのかを把握したうえで、必要摂取量から食事で摂っているタンパク質の量を引いて、その不足分をプロテインというサプリメントで補うのが、本来の摂取方法です。サプリメントはあくまでも栄養補助食品であることを忘れてはいけません。
プロテインについてのまとめ
プロテインは原料によってホエイ・カゼイン・ソイ・エッグなどに分かれ、それぞれ吸収速度や特徴が異なります。BCAAが豊富で吸収の速いホエイは運動直後や筋力アップに、吸収がゆっくりなカゼインやソイは就寝前・間食やダイエット・美容目的に向いています。自分の目的やお腹の調子に合わせて種類を選び、時間帯で使い分けると効果的です。ただし、プロテインはあくまで食事の不足分を補う栄養補助食品。基本は食事でタンパク質を摂り、足りない分を補う形で活用しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」https://www.mhlw.go.jp/








