水分は身体を構成している成分の中で最も多く、成人では身体の約60%を占めているといわれています。
水分は人間が生命維持をするために欠かす事のできない要素の一つですが、スポーツをする人にとってはそれだけではなく体内で溶媒、潤滑液、運搬液そして冷却液としての役割も果たしています。
個人差はありますが、運動などによって体重の3%以上に相当する水分(汗)が身体から出ると生命にとって危険な状態になると言われています。
発汗することで体温をコントロールしているので、体内に十分な水分が存在しないと体温調節の機能が低下し、場合によってはそのまま熱中症になってしまうこともあります。
汗と水分
夏場においては水分補給をしているのにもかかわらず、練習の前後で比較すると、1㎏~2㎏減っているということも珍しくありません。
体重の2~3%の水分を発汗で失うと有酸素性運動能力がおよそ10%下がるという結果も出ているので、水分摂取を怠るという事は、パフォーマンスの低下を招いたり、熱中症になってしまうという危険性もあるの十分に留意する必要があります。
喉が渇いたと感じているときには既に、水分が不足しているので計画的に水分を補給することをお勧めします。
ひとたび熱中症になると体内の水分が失われ血液の粘性(粘りが強くなる)が高くなってしまいます。
運動を行うには酸素を筋肉などにどんどん運ばなくてはいけないので粘性の高い血液では血管や心臓に負担がかかり、その結果、筋肉を含む各組織に血液が行き届きにくくなってしまいます。(血液循環障害)
熱中症になってしまうと、その他に消化吸収能力の低下、消化液の分泌能力低下、体温調整機能の低下などが起きてしまいます。
水の補給の仕方
1時間を超える長時間の運動の場合は発汗に伴うミネラルの損失も考える必要があります。
汗とともに失われるミネラルを摂取するためにスポーツドリンクを摂取することをお勧めします。
しかし、通常の運動、つまり1時間以内の運動ではミネラルの損失量は無視できるくらい微量なのでさほど気にする必要はありません。
運動中に多量の水分を一度に摂取すると腹痛を起こしたりすることがあります。
一度に多量に水分を取ってしまう原因の一つは『のどが渇いているのを我慢しながら運動を行っている』からです。
また、人ののどの渇きの感覚は非常に鈍感なのでのどが渇いたと感じたときには安全な発汗量を超えてしまっている可能性があります。
このようなことをさけるためには水分はこまめ(100ml~150ml、10~15分間隔)に補給する必要があります。
できるだけ、失った量よりも若干多めの水分補給をするように心がけます。
アルコール飲料は脱水症状を促進させてしまうので、飲んではいけません。
また炭酸飲料水も糖分が多く、血糖値が上がりやすいので食欲減退の原因にもなります。