ウエイトトレーニングの色々な呼吸方法|筋肉と血圧・腹腔内圧から見るレベル別の正しい呼吸法を徹底解説

ウエイト・トレーニングの呼吸方法には色々な方法があります。

一般的には、呼吸は力を入れる時に息を吐き、力を抜くときに息を吸うようにします。しかし実際には、実施者の年齢、目的、経験、エクササイズの種類、使用重量の重さによって、適切な呼吸方法を使い分ける必要があります。

呼吸法は筋肉の働きや血圧と深く関わっており、正しく使い分けることで安全に、かつ効果的にトレーニングを行うことができます。このページでは、レベル別に3つの呼吸方法を解説します。

初心者や中高齢者の呼吸方法

初心者や中高齢者の呼吸の仕方は、胸郭の動きに合わせて行います。つまり、胸を膨らまし、大きく胸が広がったときに息を吸い、胸が狭まるときに息を吐くようにします。

この方法は胸郭の動きに合わせた呼吸方法ともいえるので、最も自然な呼吸方法ともいえます。また、血圧の過度な上昇を防ぐ効果もあるので、初心者や中高齢者に適した方法といえます。

胸郭呼吸が初心者・中高齢者に向く理由

呼吸を止めると体内の圧力が高まり血圧が急上昇しますが、胸郭の動きに合わせて自然に呼吸を続けると、酸素を体に送り続けながら血圧の急な上昇を防げます。体への負担が少なく、まずフォームを覚える段階の方や、血圧が気になる中高齢者に適しています。

中級者の呼吸方法

力を入れる時に息を吐き、力を抜くときに息を吸うようにします。ウエイト・トレーニング実施時にこの方法を用いることにより、血圧の上昇を抑えることができます。

「力を入れるときに吐く」リズミカルな呼吸

筋肉が縮んで力を発揮するとき(例:スクワットで立ち上がる、ベンチプレスで押し上げる)に息を吐き、筋肉が伸びて戻るときに息を吸います。一般的な筋肥大トレーニング(8〜12回程度)で基本となる呼吸法で、息を止めないため血圧の急上昇を抑えつつ、安定した動作で行えます。

上級者の呼吸方法

バーベルやダンベルなどを挙上する前に息を吸い、息を止め、そのまま息を止めながら運動動作を始めます。スティッキング・ポイント(運動動作中、最も力が入りにくいポイント)を通過したら息を吐き出します。

このような呼吸方法を用いることによって、腰背部の正しい姿勢が保ちやすくなります(息を止めることで腹腔内圧が高まり、脊柱を安定させることができるので腰痛防止になります)。また、瞬間的に大きな力を発揮するのにも役に立ちます。

「バルサルバ法」で腹腔内圧を高める仕組みと注意点

この上級者向けの呼吸法は「バルサルバ法」とも呼ばれます。息を吸って止めることで、横隔膜・腹筋群・骨盤底筋が働いて腹腔内圧(腹圧)が最大になり、体幹が固定されて脊柱が安定します。これにより腰を守りながら、最大筋力に近い大きな力を発揮できます。

ただし注意も必要です。息を止めて力むと血圧が安静時の3倍程度まで急上昇することがあるため、高血圧や循環器系の疾患がある方は避けましょう。最大挙上重量(1〜5回程度)に挑戦する上級者向けの呼吸法であり、一般的なトレーニングでは「力を入れるときに吐く」呼吸法で十分です。

まとめ

ウエイトトレーニングの呼吸方法は、年齢・経験・使用重量によって使い分けることが大切です。初心者や中高齢者は胸郭の動きに合わせた自然な呼吸、中級者は力を入れるときに吐くリズミカルな呼吸、上級者は息を止めて腹腔内圧を高めるバルサルバ法が基本です。いずれも血圧との関わりが深いため、自分のレベルと体調に合った呼吸法を選び、高血圧の方は息を止める方法を避けて安全に行いましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

・日本高血圧学会https://www.jpnsh.jp/

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