ストレッチング(すとれっちんぐ)

ストレッチング(すとれっちんぐ)

英語名称

stretching(ストレッチング)

解説

ストレッチングとは、筋肉を伸展させる運動のことです。
ストレッチングを行うことで筋肉の弾力性や伸展性、腱の柔軟性が高めることができる他、以下のような様々な運動効果を期待することができます。

  • 筋肉ならびに結合組織の柔軟性の改善
  • 筋肉の緊張緩和
  • 血流の改善
  • 神経機能の向上
  • 傷害の予防
  • リラクゼーション

というように様々な効果があります。
ストレッチングは、ウォーミングアップ、クーリングダウン、トレーニングやリハビリテーションなどにも用いられます。
運動の前に行うストレッチとしては、動的ストレッチが適しており、①関節可動域の維持・向上や血液循環の向上、障害予防に効果があります。
また、運動後に行うストレッチングとしては、静的ストレッチングが適しており、疲労回復の促進、疼痛の軽減、リラクゼーションとしての効果が期待されます。
また、トレーニングやリハビリテーションとして行われるストレッチとしては、状況に使われるストレッチの種類は変わってきますが、筋委縮の抑制といった効果が期待できます。
それぞれの状況に応じたストレッチを選択することが大切で、基本的に運動パフォーマンスを向上させることを目的とした場合には動的ストレッチをウォーミングアップとして導入しますが、あまりにも筋肉が張っていて筋疲労のためにパフォーマンスが低下してしまうという事であれば、静的ストレッチを導入する場合もあります。
ストレッチングには下記のように様々な種類があります。

  1. スタティックストレッチ
  2. ダイナミックストレッチ
  3. バリスティックストレッチ
  4. PNFストレッチ
  5. クライオストレッチ

1.スタティックストレッチ
弾みや反動を用いることなく筋肉をゆっくりと伸ばしていき、その状態を維持することで可動域を増していくというストレッチです。
このことからスタティックストレッチは『静的ストレッチ』と呼ばれることもあります。
一般にストレッチといえばこの『スタティックストレッチ』を指していることが多いようです。
運動前に行うと筋肉が緩みすぎ、かえって力が入りにくくなってしまうためクーリングダウンに用いる方が良いとされています。

2.ダイナミックストレッチ
ダイナミックストレッチは身体の動きを利用しながらリズミカルに筋肉を伸ばし、可動域を増していくというストレッチです。
後述するバリスティックストレッチとの違いは反動をつけずスピードをコントロールしながら行うところです。

3.バリスティックストレッチ
バリスティックストレッチは動きに反動を用いるストレッチのことです。
筋肉に瞬間的な刺激を段階的に加えることで、可動域いっぱいまでストレッチしていく方法で、一般に運動前に行うと良いとされています。
バリスティックストレッチは体が温まっていない時に実施するとかえって筋肉を傷めることもありますので気をつけて取り組む必要があります。

4.PNFストレッチ
PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)は固有受容性神経筋促通法と呼ばれ1940年代にアメリカで誕生した理学療法の治療の一手技です。
このストレッチ法は劇的に関節の可動域を広げる効果が期待できるだけでなく、関節の連動性と動きの質の向上にも期待できます。

5.クライオストレッチ
まだ日本では馴染みの少ない方法ですが、元々ケガからのリハビリとして使われていたものです。
アイシングにより筋肉の感覚が低くなった状態を利用して、可動域を上げていくストレッチ方法です。

このようにストレッチングといっても実に多種多様な種類があり、それぞれのストレッチングで得られる効果も微妙に異なります。
ストレッチングは取り組むスポーツの種類、自分の目的、場面などに応じて使い分ける必要があります。
例えば静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)は運動後のストレッチとして、動的ストレッチ(バリスティック・ストレッチやダイナミック・ストレッチ)は運動前のストレッチとして適しています。

ストレッチを行う際に、気をつけなければいけないポイントがあります。

① ストレッチ中に違和感があったり、痛みを感じるときは行わない。
「すこし痛くて気持良い」と感じるのが丁度よいストレッチです。
しかし、痛いのを我慢しすぎていると“オーバーストレッチ”となってしまい筋肉を傷めてしまう恐れがあるので注意が必要です。

② 炎症や強張った関節の痛みや神経痛があるときは実施をやめます。
こういった場合は、筋肉や関節に何らかの異常が生じている可能性があります。
原因がはっきりして、ストレッチをしても問題がないという判断になるまでは実施を控えた方が良いでしょう。

③ 急な怪我をした直後には行わない。
捻挫や打撲、肉離れなどの直後は、その患部周辺に対してストレッチをしてはいけません。足首の捻挫で、前腕のストレッチなど、関係のない部位であれば問題はありませんが、足関節に付着している筋肉や周辺というのは、まずは安静です。その後、医師の診断のもと動かしてもよいという事であれば、ストレッチを行うことで回復が早くなる可能性があります。

④ 体調が悪いと感じた時や極度の疲労を感じている場合はストレッチは控えて下さい。
当然ですが熱があったり、身体に異常を感じるときは無理をせずに安静にすることが大切です。

ストレッチングには2~3Mets相当の運動の強度があるといわれています。
2~3Mets程度の運動は特別激しい運動ではありませんが、筋肉の温度や体の温度を温めることにより、柔軟性を向上させ、身体をメインの運動に備える効果があります。

 

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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
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