野球のための筋力トレーニング(バッティング・飛距離アップ編)|飛距離を伸ばす筋肉と筋トレメニューを徹底解説

野球のための筋力トレーニング(バッティング・飛距離アップ編)とは、打球の飛距離を伸ばすために必要な筋肉を効率よく鍛える筋力トレーニングのメニューです。

打球の飛距離は、単純な腕の力だけで決まるものではありません。「地面を踏む力(地面反力)→骨盤の回旋→体幹の回旋→肩・腕→バット」という力の伝達(運動連鎖/キネティックチェーン)によって生み出されます。つまり、下半身・体幹・前腕・上腕がバランスよく連動することが、飛距離アップのカギになります。

このページでは、飛距離を伸ばすために重要な筋肉と、その筋トレメニューを、初心者の方にも分かりやすいように画像つきで解説します。あわせて回数・セット数(RM)の考え方もご紹介します。

この記事で分かること:

飛距離を伸ばすために重要な筋肉(前腕・上腕・下半身・体幹・背部)
力を伝える運動連鎖(キネティックチェーン)の考え方
部位別の筋トレメニューとRM設定
フォームのポイント

野球のトレーニング概要

野球に必要な筋力トレーニングの中でも今回は、飛距離を伸ばすための筋力トレーニングをご紹介します。

まず飛距離を伸ばすために必要なのは手首(前腕)の強さです。手首の強さは手首の可動域の広さと強さが飛距離を出すために必要な要素となります。さらにボールを前に押し出す強さにも大きく関与します。手首を鍛えるとバッティングフォームも安定するため、飛距離が伸びるのです。

さらに上腕二頭筋と上腕三頭筋を鍛えることによりスイングの速さをあげることができるので、こちらも飛距離をだすために重要な筋肉となります。そこで今回はこの手首と上腕二頭筋、上腕三頭筋を鍛える筋力トレーニングを中心にご紹介します。

一般的に8〜12RMが限界の重量で筋力トレーニングを行うと良いとされていますが、リストカールやリバースリストカールといった持久性に富んだ比較的小さな筋肉を鍛える種目に対しては低負荷で高回数を行うのが効果的です。リストカールはベンチ台などでしっかりと固定し、手首から先のみを動かすように行いましょう。

ダンベルカールとフレンチプレスは交互に行うことでより高い効果を得られます。ダンベルカールでは肩を使わず腕のみで行うのが基本なので、少し前傾姿勢を保つといいでしょう。

その他バッティングには下半身や体の回転も重要となってくるので、下半身、背部、腹筋のトレーニングも必要不可欠となります。下半身はバッティングを支える重要な土台となるのでしっかりと鍛えておく必要があります。

飛距離を伸ばす筋肉と運動連鎖(部位別の役割)

飛距離アップには、力を生み出して伝える各部位の連動が重要です。

① 下半身(土台・パワー源)
大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス
地面を踏む力(地面反力)を生み出すパワー源
スイングの土台として体重移動・踏ん張りを支える
種目:バーベルスクワット・レッグエクステンション

② 体幹・腹筋(力を伝える回旋の軸)
腹直筋・腹斜筋群
下半身で生んだ力を上半身へ伝える回旋の軸
体幹が安定するとフォームの再現性が高まる
種目:シットアップ・ツイスティングシットアップ

③ 背部(体を反らす・回旋させる)
広背筋・僧帽筋など
体を反らす・回旋させる動作に関与し、スイングスピードに貢献
種目:ハイプーリー

④ 上腕(スイングスピード)
上腕二頭筋・上腕三頭筋
スイングの速さを高める
種目:ダンベルカール・ライイングフレンチプレス

⑤ 前腕・手首(バットコントロール・押し出す力)
前腕屈筋群・前腕伸筋群
バットのコントロールとボールを押し出す力に関与
フォームの安定にもつながる
種目:リストカール・リバースリストカール

「運動連鎖(キネティックチェーン)」:

バッティングは「地面反力→骨盤回旋→体幹回旋→肩・腕→バット」という順で力が伝わります。どこか一つが弱いと力が逃げてしまうため、上半身だけでなく下半身・体幹までバランスよく鍛えることが飛距離アップに直結します。

RM設定の考え方(部位の特性に合わせる)

筋肉の特性によって、効果的な負荷・回数は変わります。

① 小さく持久的な筋肉(前腕・手首)
低負荷・高回数(例:20RM×3セット)
リストカール・リバースリストカールが該当

② 大きくパワーを出す筋肉(下半身・上腕など)
比較的高めの負荷(例:8〜12RM/10RM前後)
スクワット・ダンベルカールなどが該当

③ フォームのポイント
リストカールはベンチ台などでしっかり固定し、手首から先のみを動かす
ダンベルカールは肩を使わず腕のみで行い、やや前傾姿勢を保つ
ダンベルカールとフレンチプレスは交互に行うとより効果的

※ 筋力トレーニングの順番は順不同で掲載しています。
一般にコンパウンド種目(色々な筋肉が複合して作用する種目のこと)や最優先して鍛えたい種目などをトレーニングの最初に行います。必要に応じて変更してください。

野球の筋トレメニュー

ダンベルカール
ダンベルカール
上腕二頭筋
15RM×3セット

ライイングフレンチプレス
ライイング・フレンチプレス
上腕三頭筋
15RM×3セット

リストカール
リストカール
前腕屈筋群
20RM×3セット

リバースリストカール
リバース・リストカール
前腕伸筋群
20RM×3セット

スクワット
バーベルスクワット
大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス
10RM×3セット

レッグエクステンション
レッグエクステンション
大腿四頭筋
10RM×3セット

ハイプーリー
ハイプーリー
広背筋、大円筋、大胸筋、小菱形筋&大菱形筋、僧帽筋、上腕二頭筋
10RM×3セット

シットアップ
シットアップ
腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腸腰筋、大腿四頭筋(大腿直筋)
15RM×3セット

ツイスティングシットアップ
ツイスティングシットアップ
腹斜筋群
15RM×3セット

まとめ

野球の飛距離アップは、前腕・上腕といった上半身だけでなく、下半身・体幹・背部までをバランスよく鍛え、「地面反力→骨盤回旋→体幹回旋→上肢→バット」という力の伝達(運動連鎖)を高めることが重要です。前腕・手首などの小さく持久的な筋肉は低負荷・高回数、下半身などのパワーを出す筋肉は高めの負荷で、フォームを正確に保ちながら行いましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本スポーツ協会(JSPO)https://www.japan-sports.or.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

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