アメリカンフットボールのトレーニング概要
アメフトの選手はみな背が大きく体格のいい選手ばかりですが、これはスポーツの性質上、激しいコンタクトに耐えるためにしっかりとした体格と筋力が必要だからです。体格や筋力が不十分なまま激しい接触を繰り返すと、怪我のリスクが高まってしまいます。
そしてアメフトが他のスポーツと違うところは、首を重点的に鍛えるところです。アメフトは数あるスポーツの中でもかなり激しいスポーツであり、怪我の確率も格段に違います。
それもそのはず。身長・体重ともに大きな選手が高速でタックルをしてくるのですから、首をしっかりと鍛えておかないと重大な怪我につながりかねません。アメフトでは頭頚部に強い衝撃が加わる場面が多く、首の筋肉はとても重要な筋肉といえます。
アメフトの選手を見ると首が顔ほどに太い選手がごろごろといますが、あの首はどうやって鍛えられているのか?答えのひとつが、ブリッジです。
しかし手を使って行うブリッジではなく、首で支えるブリッジ(レスラーブリッジ)です。首は身体の中で最も鍛えにくい筋肉とされていますが、ブリッジをすることにより徐々にですが首の筋肉が発達し太くすることができます。筋肉があることにより衝撃をより吸収しやすくなるので、怪我防止につながります。
アメフトに必要な筋肉(部位別の役割)
アメフトのパフォーマンスと安全性は、全身の体格づくりと首の強化で決まります。
① 首・頚部(怪我予防の要)
・胸鎖乳突筋・僧帽筋など頚部の筋肉
・コンタクト時の頭頚部への衝撃を吸収し、重大な怪我を防ぐ
・種目:首で支えるブリッジ(レスラーブリッジ)など
② 上半身・胸・肩(ブロック・押し合い)
・大胸筋・三角筋・上腕三頭筋
・相手を押し込むブロックやコンタクトのパワーを生む
・種目:バーベルベンチプレス・アーノルドプレス・サイドレイズ
③ 背部(引く力・組み合い)
・広背筋・大円筋・僧帽筋
・相手を引きつけ、組み合いで主導権を握る
・種目:ベントオーバーローイング・チンニング・デッドリフト
④ 下半身(パワー・タックル・踏み込み)
・大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス・下腿三頭筋
・タックルやブロックのパワー源であり、加速・踏ん張りを支える
・種目:バーベルスクワット・レッグカール・フォワードランジ・デッドリフト
⑤ 体幹・腹筋(姿勢の安定・力の伝達)
・腹直筋・腹斜筋群
・コンタクト時に崩されない体幹の安定性をつくる
・種目:シットアップ
「全身の体格づくり+首の強化」:
アメフトは全身でコンタクトに耐え、パワーを発揮するため、上半身・背部・下半身・体幹をバランスよく鍛えて体格をつくります。そのうえで、頭頚部を守る首の強化が安全にプレーするための要となります。
首を鍛えて怪我を防ぐ考え方
首は最も鍛えにくい部位ですが、コンタクトスポーツでは欠かせません。
① 首の筋肉が衝撃を吸収する
・首まわりの筋肉を鍛えることで、コンタクトによる頚部への衝撃をやわらげ、損傷を抑える
② プロテクター代わりになる
・自らの筋肉を鍛えることが、頚部を守る最も実戦的な予防策になる
③ 多方向から負荷をかける
・前後左右など様々な方向に対して、無理のない範囲で徐々に鍛える
一般にコンパウンド種目(色々な筋肉が複合して作用する種目のこと)や最優先して鍛えたい種目などをトレーニングの最初に行います。必要に応じて変更してください。
※ レスラーブリッジの具体的な方法は本サイトではご紹介していません。
アメリカンフットボールの筋トレメニュー
① バーベル・ベンチプレス
大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋、烏口腕筋
10RM×3セット
② デッドリフト
脊柱起立筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス
10RM×3セット
③ ベントオーバーロウ
広背筋、大円筋、僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋
10RM×3セット
④ チンニング
広背筋、大円筋、大胸筋、小菱形筋&大菱形筋、僧帽筋、上腕二頭筋
10RM×3セット
⑤ バーベルスクワット
大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス
10RM×4セット
⑥ レッグカール
ハムストリングス、腓腹筋
10RM×4セット
⑦ フォワードランジ
大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、ヒラメ筋、腓腹筋
10RM×4セット
⑧ アーノルドプレス
三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋、前鋸筋
10RM×3セット
⑨ サイドレイズ
三角筋、棘上筋、僧帽筋
10RM×3セット
⑩ シットアップ
腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腸腰筋、大腿四頭筋(大腿直筋)
15RM×3セット
まとめ
アメリカンフットボールのための筋力トレーニングは、激しいコンタクトに耐える全身の体格づくり(胸・背部・下半身・体幹)と、頭頚部を守る首の強化が両輪です。ブロックやタックルのパワーを生む全身を鍛えつつ、衝撃を吸収する首の筋肉を地道に強化することが、パフォーマンス向上と怪我予防につながります。首のトレーニングは無理のない範囲で徐々に行いましょう。
参考文献・出典
・一般社団法人 日本アメリカンフットボール協会https://americanfootball.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/















