スプリットスクワット(split squat)
スプリットスクワットとは主に大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、大臀筋(だいでんきん)、ハムストリングスを鍛える筋トレ種目です。
スプリットスクワットは「ブルガリアンスクワット」とも呼ばれる、後ろ脚をベンチ台に乗せて片脚で行うスクワットの下半身集中種目です。
ブルガリアの重量挙げ選手のトレーニングから普及したと言われており、片脚集中+スタビリティ(安定性)強化+大臀筋への高刺激に直結する、ヒップアップ+スポーツパフォーマンスUPの重要種目です。
このページではスプリットスクワット(ブルガリアンスクワット)の正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セット、他の片脚種目との使い分けまで包括的にご紹介します。
この記事で分かること:
・スプリットスクワットで鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と目的別の重量・回数
・スタビリティ(安定性)トレーニングとしての効果
・関連トレーニング種目
強化される筋肉
下半身3大筋を片脚集中で強化
スプリットスクワットの特徴:
① 主働筋:大腿四頭筋
・「もも前」4部位
・膝関節伸展の主役
② 主働筋:大臀筋
・人体最大の筋
・「ヒップアップ」
・本種目で最大の刺激
③ 協働筋:ハムストリングス
・「もも裏」
・股関節伸展
④ 補助筋:体幹筋・腰方形筋・脊柱起立筋
・バランス維持
・「平衡バランス」
「ブルガリアンスクワット」の由来:
なぜそう呼ばれるか:
① ブルガリア重量挙げナショナルチーム
・1970〜80年代
・「補強種目」として使用
② アンゲル・スパソフ博士
・ブルガリア重量挙げの伝説コーチ
・「ブルガリアン・メソッド」を確立
③ 普及
・世界中のアスリートが採用
・「ブルガリアンスクワット」の名称定着
④ 「スプリットスクワット」
・「Split」=足を分ける
・正式英語名
「片脚集中」の利点:
なぜ片脚種目か:
① 大臀筋への高刺激
・両脚スクワットより大臀筋活動UP
・「ヒップアップ」効果大
② 左右差解消
・左右独立で動作
・「弱い側」を強化
③ 安定性UP
・不安定な片脚姿勢
・体幹・小さな筋も総動員
④ 機能的
・歩く・走る動作に近い
・「片脚動作」
「スタビリティ(安定性)」:
スプリットスクワットの特殊性:
① スタビリティとは
・「安定性」
・関節の動的安定
② 本種目で養われる安定性
・膝関節の安定
・股関節の安定
・体幹の安定
③ 結果
・「機能的な筋力」UP
・スポーツパフォーマンスUP
・怪我予防
「多関節運動(コンパウンド)」:
スプリットスクワットの特徴:
① 股関節+膝関節+足関節
・3関節を同時に動かす
② 効率的
・複数筋を同時刺激
筋肉の作用

膝関節においては伸展、股関節においては伸展動作が行われます。
関節の動き


- 両手にダンベルを握り、両足を前後に開きます。後方の足はベンチ台の上に置き、つま先を立てるようにします。
- 胸をしっかりと張り、背筋を弓なりに保ちながらゆっくりとしゃがみます。(腹直筋、脊柱起立筋、腰方形筋など、体幹部を保持する筋肉を緊張させ、平衡バランスを保ちます。)
前足を慎重に屈曲していき大腿が床面に対して平行になるまでしゃがみます。このとき、膝はつま先より先方に出過ぎないように心がけます。 - 大腿が床と平行になるまでしゃがんだら姿勢を崩さないようにコントロールしながらゆっくりと立ち上がります。
- 以後、運動動作を必要回数繰り返します。
「後ろ脚をベンチに+つま先を立てる」が基本
スプリットスクワットの基本姿勢:
① 立位
・ベンチに背を向けて立つ
・ベンチから1足分前
② 後方の足
・ベンチ台に乗せる
・つま先を立てる(足の甲も可)
③ 前方の足
・歩幅は通常の歩幅
・足裏全体で踏ん張る
④ 上体
・胸を張る
・背筋を弓なり
・視線は前方
「前足の大腿が床と平行」:
しゃがむ深さ:
① パラレル(推奨)
・前足の大腿が床と平行
・「90度」
・本記事の標準
② 浅い
・大腿四頭筋主体
・初心者向き
③ 深い(フル)
・大臀筋への刺激最大
・柔軟性必要
「膝はつま先より前に出さない」:
最重要の注意点:
① 前足の膝
・つま先より前に出さない
・「膝蓋軟骨」保護
② 解決法
・前後の足幅を広く
・お尻を後方に
・大臀筋を使う意識
③ 結果
・純粋な股関節+膝関節伸展
・怪我予防
「体幹で平衡バランス」:
スタビリティの本質:
① 関与する体幹筋
・腹直筋・脊柱起立筋・腰方形筋
② 役割
・体幹の安定
・「平衡バランス」
③ 効果
・体幹強化も同時
・「機能的な強さ」
呼吸方法
- 息を大きく吸い込んで止めた状態で、運動動作を行います。もっともきついポジション(スティッキング・ポイント)を通過したら息を吐くようにします。
ONE-POINT
- スプリットスクワットは膝の安定性を保つために良く用いられるスタビリティ(安定性)トレーニングの一種です。台が高くなればなるほど前足への負荷が強くなり、よりスタビリティ(安定性)が問われるようになります。
「ベンチの高さ」で負荷を調整
スプリットスクワットの負荷調整:
① 低い台(10〜20cm)
・負荷低
・初心者向き
② 標準ベンチ(40〜50cm)
・本記事の標準
・中・上級者
③ 高い台(60cm以上)
・負荷大
・「ピストルスクワット」に近づく
・上級者向き
④ 結果
・「漸進的負荷」が可能
・段階的に強度UP
「ダンベル版・バーベル版」:
実施バリエーション:
① ダンベル版(基本・写真)
・両手にダンベル
・体側に下げる
・初心者向き
② バーベル版
・バーベルを担ぐ
・高重量
・上級者向き
③ 自重版
・負荷なし
・フォーム習得に最適
④ ゴブレット版
・ダンベル/ケトルベルを胸の前
・体幹強化UP
「左右両方」を実施:
両側のバランス:
① 片側のみ=NG
・左右差が生じる
② 両側実施
・左右均等
・バランス改善
反復回数とセット数
目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。
- 筋力アップ=運動動作が6〜8回で限界を迎えるような高負荷
- 筋肥大=運動動作が10〜12回で限界を迎えるような中負荷
- ダイエット=運動動作が15回以上反復可能な低負荷
※初心者の方は正確なフォームで10〜15回程度反復できる重量で行います。
※セット数は3〜4セットくらいで行います。
※「片脚あたり」の回数です。
「スクワットより軽め」:
スプリットスクワットの重量設定:
① スクワットの30〜50%
・片脚集中+不安定のため
・バランスのため
② 一般的な目安(ダンベル片手)
・初心者=5〜10kg
・中級者=10〜20kg
・上級者=20〜30kg
③ フォーム優先
・重量より正確性
・「バランス」を意識
スプリットスクワットと他の片脚種目の使い分け
各種目の特性:
「ステーショナリーランジ(その場ランジ)」:
① 特性
・その場で前後の足
・後脚は床
② 効果
・大腿四頭筋+大臀筋(バランス)
「フォワード/バック/サイドランジ」:
① 特性
・踏み出し動作
・コーディネーション
② 効果
・バランス能力UP
「スプリットスクワット(本記事・ブルガリアンスクワット)」:
① 特性
・後脚をベンチに乗せる
・前脚に体重集中
・スタビリティ重視
② 効果
・大臀筋への最大刺激
・体幹安定性UP
「ピストルスクワット」:
① 特性
・完全片脚自重スクワット
・超上級者
② 効果
・片脚パワー最大化
「下半身メニュー」での位置づけ:
理想的な順序:
① バーベルスクワット(多関節・高重量・両脚)
② デッドリフト(後面・高重量)
③ フォワード/バックランジ(コーディネーション)
④ スプリットスクワット(本記事)(片脚集中・スタビリティ)
⑤ ヒップスラスト(大臀筋集中)
⑥ レッグカール・カーフレイズ(単関節)
「ヒップアップ」効果:
女性に大人気の理由:
① 大臀筋への高刺激
・両脚スクワットより強い
・研究で証明
② 「美尻」を作る
・「ヒップアップ」
・「丸いお尻」
③ 美脚効果
・下半身全体
④ 自宅でも可能
・椅子・ソファでも代替可
「アスリート」必須:
該当スポーツ:
① 陸上競技
・スプリント
・跳躍
② サッカー
・キック・方向転換
③ バスケットボール
・ジャンプ力
④ アイスホッケー
・片脚滑走
⑤ 武道・格闘技
・軸足の安定
「片脚パフォーマンス」:
なぜ重要か:
① ほとんどのスポーツ動作
・「片脚動作」がベース
・走る・跳ぶ・蹴る
② 本種目の効果
・片脚での力発揮UP
・「機能的な強さ」
③ 結果
・すべてのスポーツに有効
「リハビリ・障害予防」:
医療現場での活用:
① ACL(前十字靭帯)損傷後のリハビリ
・膝の安定性UP
② 半月板損傷後
・「スタビリティ」強化
③ 加齢による下半身機能低下
・「サルコペニア」対策
「現代人の下半身問題」:
なぜ片脚トレが重要か:
① 「左右差」
・利き脚・非利き脚の差
・姿勢の歪み
② 両脚種目では気づかない
・強い側がカバー
・弱い側はそのまま
③ 解決法
・本種目で片脚集中
・左右差解消
「自宅でも可能」:
ホームジムでの活用:
① 必要な道具
・ダンベル
・椅子・ベンチ・ソファ
② 効果
・ジムなしでも本格的な下半身強化
・「ヒップアップ」可能
③ 推奨
・軽重量から
・毎日でも可
「スプリットスクワットの3大効果」:
① 大臀筋への最大刺激
・「ヒップアップ」
② スタビリティ(膝・股関節・体幹の安定)UP
・「機能的な強さ」
③ 左右差解消+スポーツパフォーマンスUP
・片脚動作の強化
関連する効果:
① 大臀筋の発達
・「ヒップアップ」UP
② 大腿四頭筋+ハムストリングスの発達
・下半身全体
③ スタビリティ(安定性)UP
・膝・股関節・体幹
④ 左右差解消
・片脚集中
⑤ スポーツパフォーマンスUP
・片脚動作
⑥ 体幹強化
・バランス維持
⑦ リハビリ効果
・膝・股関節障害後
関連する障害の予防+注意:
① 膝関節障害
・膝の位置に注意
・つま先より前に出さない
② バランス崩壊
・軽重量から
・低い台から始める
③ 腰痛
・背中を丸めない
④ 後脚の足首痛
・つま先を立てるorフラット
・柔軟性に応じて
YOU TUBE
関連種目
■ フリーウエイト・トレーニング■
【バーベルスクワット・フロントスクワット・デッドリフト・ルーマニアンデッドリフト・グッドモーニング・エクササイズ・ヒップスラスト・フォワードランジ・バックランジ・サイドランジ・ステーショナリーランジ・ゴブレットスクワット】
■ マシントレーニング■
【レッグプレス・レッグカール・レッグエクステンション・ハックスクワット・スミスマシンランジ】
■ 自重トレーニング■
【自重スクワット・ピストルスクワット・自重スプリットスクワット・ヒップリフト・グルートブリッジ・シングルレッグデッドリフト】
まとめ
スプリットスクワット(ブルガリアンスクワット)について解説してきた内容を整理します。
・大腿四頭筋+大臀筋+ハムストリングス+体幹筋を鍛える
・「ブルガリアンスクワット」とも呼ばれる
・「片脚集中+スタビリティ(安定性)トレ」
・「多関節運動(コンパウンド)」
・両手にダンベル
・両足を前後に開く
・後ろ脚をベンチに乗せる(つま先立て)
・胸を張る+背筋を弓なり
・体幹で平衡バランスを保つ
・前足の大腿が床と平行まで
・膝はつま先より前に出さない(最重要)
・コントロールして立ち上がる
・左右両方を実施
・バルサルバ法で体幹を固める
・目的別:筋力6〜8回/筋肥大10〜12回/ダイエット15回以上(片脚あたり)
・初心者は10〜15回×3〜4セット
・スクワットの30〜50%の重量
・低い台から始める
・初心者は自重から
スプリットスクワット(ブルガリアンスクワット)は大臀筋への最大刺激=「ヒップアップ」効果+スタビリティ(膝・股関節・体幹の安定性)UP+左右差解消+下半身3大筋の同時強化+スポーツパフォーマンスUP+リハビリ効果に直結する優れた片脚集中種目です。バーベルスクワット(両脚・高重量)+スプリットスクワット(片脚・スタビリティ・本記事)を組み合わせることで、下半身を多角的に発達させることができます。後脚をベンチ+前足の大腿床と平行+膝はつま先より前に出さない+体幹で平衡バランス+正確なフォームでスプリットスクワットの効果を最大化しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/
・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/
・日本整形外科学会「膝関節疾患・スポーツ障害」https://www.joa.or.jp/
・日本膝関節学会https://www.jpn-knee.org/





