アップライトローイングの正しいフォーム|三角筋・僧帽筋を同時に鍛える筋トレを徹底解説

アップライトローイング(upright rowing)

アップライトローイングとは主に三角筋(さんかくきん)中部、僧帽筋(そうぼうきん)、上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)を鍛える筋トレ種目です。

アップライトローイングは「肩トレの定番補助種目」と呼ばれる、肩部の補助種目として取り入れられることが多く、肩部の筋トレの定番です。

このページではアップライトローイングの正しいフォーム、動作のポイントや注意点、呼吸法などを初心者の方でも理解しやすいように画像、動画つきで解説します。また、目的別(筋力アップ・筋肥大・ダイエット)に応じた重量、回数、セット、インピンジメント症候群への注意まで包括的にご紹介します。

この記事で分かること:

・アップライトローイングで鍛えられる筋肉
・正しいフォームと動作のポイント
・呼吸法と目的別の重量・回数
・インピンジメント症候群への注意
・関連トレーニング種目

強化される筋肉

muscle5

三角筋、僧帽筋、上腕二頭筋

三角筋+僧帽筋+上腕二頭筋を同時に強化

アップライトローイングの特徴:

① 主働筋:三角筋中部
・肩関節外転の主役
・「肩幅」を作る

② 協働筋:僧帽筋(上部・中部)
・肩甲骨挙上+上方回旋
・「首から肩」の発達

③ 協働筋:上腕二頭筋
・肘関節屈曲
・引き上げ動作を補助

「多関節運動」としての特徴:

アップライトローイングは「多関節運動」:

① 肩関節+肘関節を同時に動かす
・サイドレイズ(単関節)とは異なる

② 高重量を扱える
・レイズ系より重い
・パワーUPに寄与

③ 複数筋を同時刺激
・三角筋+僧帽筋+上腕二頭筋
・効率的

「肩トレの定番補助種目」:

なぜ補助種目として人気か:

① プレス系の補助
・ショルダープレスの後に
・三角筋への追加刺激

② サイドレイズの代替・追加
・高重量で刺激
・異なる角度

③ 全身連動の練習
・肩+僧帽筋+腕の協調
・機能的

④ 効率的
・1種目で複数筋
・時短

関節の動き

kata2 hiji1 kenkou2 kenkou3 kenkou1

肩関節においては外転、肘関節においては屈曲、肩甲帯においては上方回旋、外転、挙上動作が行われます。

運動方法

アップライトローイング (写真1)ファーストポジション

アップライトローイング (写真2)セカンドポジション

  1. 握りコブシ一個分程度の間隔を開けてバーベルを握ります。
  2. 足幅は肩幅程度に広げ、胸を張り、姿勢はできるだけまっすぐ保ちます。このときバーベルは大腿に触れないよう大腿部前面で構えておきます。(写真1)
  3. バーベルを顎の位置までゆっくり引き上げます。
    動作中は常に肘から先行し、肘がバーベルより上の位置になるようにします。(写真2)
  4. 十分に引きあげたらゆっくり重力に逆らいながらバーベルを下ろします。

「肘先行」の動作が最重要

アップライトローイング最大のポイント:

① 肘から先に動く
・肘を上方に引き上げる
・バーベルは肘についてくる

② 肘の位置
・常にバーベルより上
・三角筋への刺激を最大化

③ 手から先行すると
・上腕二頭筋ばかりに効く
・三角筋への刺激不足

「グリップ幅」の重要性:

アップライトローイングのグリップ幅:

① 狭いグリップ(握りこぶし1個分)
・従来のフォーム
・僧帽筋優位
・肩関節への負担大
・インピンジメントリスク

② 広いグリップ(肩幅以上)
・現代的に推奨
・三角筋中部優位
・肩関節への負担少
・安全性UP

③ 推奨
・初心者・中級者=広めのグリップ
・上級者=目的に応じて

呼吸方法

  • 重量が比較的軽いときは胸の動きに合わせて呼吸を行います。
    すなわち胸が開くときに息を吸い、胸が閉じるときに息を吐き出します。アップライトローイングの場合はバーベルを持ち上げるときに息を吸います。
  • 中〜高重量を用いる場合は、開始姿勢で大きく息を吸いこみ、そのまま息をとめながら(胸の膨らみを保ちながら)バーベルを顎の高さまで持ち上げます。その後、息を吐きながら開始位置までバーベルを下ろします。

ポイントと注意点※順不同

  • バーベルを引き上げるときは肩甲骨を脊柱に寄せないように行います。
    三角筋は背筋群と隣接しているので肩甲骨を脊柱に寄せながら行うと刺激が僧帽筋へ分散してしまいます。
  • チーティング(はずみ、反動)をあまり用いないようにしましょう。
  • 腰に不安のある方は必ずリフティングベルトを装着して筋トレを行います。
  • インピンジメント症候群の疑いがある方はこの種目は避けてください。

「インピンジメント症候群」への注意

アップライトローイング最大のリスク:

① インピンジメント症候群とは
・肩峰下インピンジメント
・肩峰と上腕骨の間で腱板(特に棘上筋)が挟まれる
・肩の挙上時の痛み

② アップライトローイングのリスク
・肩関節の内旋+外転=最もインピンジメントを起こしやすい姿勢
・狭いグリップはリスクUP

③ 注意が必要な人
・巻き肩・猫背の方
・肩関節の柔軟性が低い方
・四十肩・五十肩経験者
・腱板損傷経験者

④ 安全な対策
・広めのグリップを使用
・顎の高さまで上げない(胸の高さまで)
・軽い重量で正確に
・痛みがあれば中止

「現代の評価」:

スポーツ医学では:

① 従来のアップライトローイング
・狭いグリップ+顎まで
・インピンジメントリスク高

② 現代的な代替
・広いグリップ+胸の高さまで
・サイドレイズで代替
・ダンベル使用でリスク軽減

③ 結論
・万能種目ではない
・肩関節の状態に応じて選択
・痛みがあれば即中止

反復回数とセット数

目的別に応じた反復回数とセット数をご紹介します。

  • 筋力アップ 筋トレの目的が筋力アップなら運動動作が6〜8回で限界を迎えるような高負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • 筋肥大 筋トレの目的が筋肥大なら運動動作が12〜15回で限界を迎えるような中負荷でトレーニングを行う必要があります。
  • ダイエット 筋トレの目的がダイエットなら運動動作が20回以上反復可能な低負荷でトレーニングを行う必要があります。

※初心者の方は正確なフォームで10回〜15回程度反復できる重量で行います。
※セット数は3〜4セットくらいで行います。

「サイドレイズより重め」:

アップライトローイングの重量設定:

① サイドレイズの1.5〜2倍
・多関節運動のため
・高重量を扱える

② 一般的な目安(バーベル)
・初心者=15〜20kg
・中級者=20〜35kg
・上級者=35〜50kg

③ フォーム優先
・重量より正確性
・肘先行を意識

アップライトローイングの位置づけと安全な実施法

アップライトローイングを安全に効果的に行うために:

「肩トレメニュー」での位置づけ:

理想的な順序:

① シーテッド・ダンベルプレス(プレス系・高重量)
② アーノルドプレス(プレス系・中重量)
③ アップライトローイング(補助種目・本記事)
④ サイドレイズ(三角筋中部)
⑤ リアレイズ(三角筋後部)
⑥ フロントレイズ(三角筋前部)
⑦ シュラッグ(僧帽筋上部)

「アップライトローイングの3つの目的」:

① 三角筋中部の発達
・「肩幅」UP

② 僧帽筋上部・中部の発達
・「首から肩」の盛り上がり

③ 多関節運動でのパワーUP
・機能性

「現代人の肩問題」:

現代生活での課題:

① 「巻き肩・猫背」
・肩関節の柔軟性低下
・アップライトローイング困難

② 解決法
・広めのグリップ
・胸の高さまで
・無理しない

③ 代替案
・ダンベルでアップライトローイング
・サイドレイズ+シュラッグに分ける

「インピンジメント予防」:

肩関節を守るために:

① 広めのグリップ
・肩幅以上
・肩関節への負担軽減

② 顎ではなく胸の高さまで
・最大可動域を避ける
・痛みのない範囲で

③ ローテーターカフ強化
・エンプティカンエクササイズを併用
・肩関節の動的安定

④ 軽重量から
・フォーム習得を優先
・痛みがあれば中止

関連する効果:

① 三角筋中部の発達
・「肩幅」UP

② 僧帽筋の発達
・「首から肩」

③ 上腕二頭筋の補助強化

④ 肩トレの効率UP
・多関節運動

関連する障害の予防+注意:

① インピンジメント症候群
・最大のリスク
・広めのグリップ+胸の高さまで

② 巻き肩・猫背
・状態によっては避ける

③ 肩関節障害
・痛みがあれば即中止

④ 腱板損傷
・経験者は避ける

YOU TUBE

アップライトローイング

関連種目

■ フリーウエイト・トレーニング■

【シーテッド・ダンベルプレス・アーノルドプレス・フロントレイズ・ベントオーバーフロントレイズ・サイドレイズ・リアレイズ・クロスボディ・デルトレイズ・ショルダーシュラッグ・ベントオーバーショルダーシュラッグ・インターナルローテーション・エクスターナルローテーション・スタンディングチューブ・エクスターナルローテーション・プローン・エクスターナルローテーション・プローン・オーバーヘッドエクスターナルローテーション・ショルダーサークル・リバース・サイドレイズ】

■ ボールエクササイズ■

【ローテーターカフ・アクティブエクササイズ】

■ チューブエクササイズ■

【エンプティカンエクササイズ・スタンディングチューブリアレイズ・スタンディングチューブ・インターナルローテーション・スタンディングチューブ・エクスターナルローテーション・ホリゾンタルアーム・エクスターナルローテーション】

■ ギムニクエクササイズ■

【ローテーターカフ・アクティブエクササイズ】

まとめ

アップライトローイングについて解説してきた内容を整理します。

・三角筋中部+僧帽筋+上腕二頭筋を鍛える
・「肩トレの定番補助種目」
・「多関節運動」=高重量を扱える
・バーベルを握りこぶし1個分の間隔(従来)or 肩幅以上(現代的・推奨)
・足幅は肩幅+胸を張る
・顎の高さまで引き上げる(現代的には胸の高さまで推奨)
・肘から先行+肘がバーベルより上
・サムアラウンドグリップ
・肩甲骨を寄せない(僧帽筋への代償防止)
・チーティング禁止
・軽重量=胸の動きに合わせて呼吸
・中〜高重量=バルサルバ法
・目的別:筋力6〜8回/筋肥大12〜15回/ダイエット20回以上
・初心者は10〜15回×3〜4セット
・サイドレイズの1.5〜2倍の重量
・インピンジメント症候群の方は避ける
・巻き肩・肩柔軟性低下の方は注意
・痛みがあれば即中止

アップライトローイングは三角筋中部+僧帽筋+上腕二頭筋の同時強化+肩トレの効率UPに直結する重要種目ですが、インピンジメント症候群のリスクがあるため広めのグリップ+胸の高さまで+無理しないが現代的な安全な実施法です。肘先行+ローテーターカフ強化を併用+痛みのない範囲でアップライトローイングの効果を最大化しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「運動・トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本ストレングス&コンディショニング協会(JATI)https://www.jati.jp/

・日本パワーリフティング協会https://www.jpa-powerlifting.or.jp/

・日本臨床スポーツ医学会「スポーツ障害」http://www.rinspo.jp/

・日本肩関節学会「肩関節疾患・インピンジメント症候群」https://katakansetsu.jp/

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